ヤイミミ・ヌナカワミミの二人は 密かに、タギシミミの館に近ずきます。丁度、タギシミミは部屋の中で寝ていました。それを見たヌナカワミミはヤイミミに、
「兄さん。私がタギシミミが寝ているあの部屋の戸を開けますので、その弓でタギシミミを射殺してください。」
と言って屋敷の中ヘ二人で押し入り、戸を開けます。兄の家ですから勝手知ったる所ですから、楽々と
“突開其戸<ソノトヲ ツキアク>”
しかし、どうしたことか、ヤイミミは
“手脚戦慄不能放矢<テアシ フルイオノノキ ヤヲハナツコト アタハズ>”
手足が震えて矢を射ることができなかったのです。ヤイミミは大変な小心者だったのか、それとも、母は違っていても自分の兄ですから、その肉親を安易にこのような方法で殺害することにためらいを感じるような大変な律儀者だったのかもしれませんが・・・。
あなたはどちらだと思われますか。私は後者の方だと思うのですが。
「兄さん。私がタギシミミが寝ているあの部屋の戸を開けますので、その弓でタギシミミを射殺してください。」
と言って屋敷の中ヘ二人で押し入り、戸を開けます。兄の家ですから勝手知ったる所ですから、楽々と
“突開其戸<ソノトヲ ツキアク>”
しかし、どうしたことか、ヤイミミは
“手脚戦慄不能放矢<テアシ フルイオノノキ ヤヲハナツコト アタハズ>”
手足が震えて矢を射ることができなかったのです。ヤイミミは大変な小心者だったのか、それとも、母は違っていても自分の兄ですから、その肉親を安易にこのような方法で殺害することにためらいを感じるような大変な律儀者だったのかもしれませんが・・・。
あなたはどちらだと思われますか。私は後者の方だと思うのですが。