「人格と環境」。「吉備津神社記」を書き終えて・・・

　　"真金吹く吉備中山の麓細谷川の畔底磐根に宮柱太しき立てて鎮まります御神は・・・”

　と「吉備津神社記」の書きだしです。そこに書かれていることを長々とご紹介してまいりましたが、その最後は、この成島柳北の

　"・・・紅葉多く、渓水潺渙として人間に遠き景色あり、此地は三備の古蹟にして、往昔を追想するに余りあり。”

　という名文で結んでいます。
　この最初と最後の文からも分るように、「吉備津神社記」を通しても、吉備津神社を語るには、どうしても、「吉備の中山」と「細谷川」を抜きにしてはその偉大さやその美しさを語ることは不可能なのです。

　この本を通して、人の生活は、その環境に大いに左右されながら、その中にあって人としての道を、誰から教えられなくても、自然に学び取れるのです。そのような自然がこの地にあったからこそ栄西や高尚などの傑出した人物がこの地から育っていったのだということを指し示しているのではないでしょうか？？？

　その美しい吉備の中山と細谷川を、もう一度どうぞ！！！！！！！！！！！！！