思金神達高天原の神々が選んで水穂国の天若日子の偵察に派遣した第三の神を女性で、名を“雉名鳴女<キギシナ ナキメ>”だと書いたのですが、これが全くの誤りでした。実は
“雉名鳴女<キギシナ ナキメ>”
とあるのですが、本当は女性の神ではなく、単なる「雉<キジ>」だったのです。何故、雉だったのかは分からないのですが、宣長は「その辺りのことは不明だが」と但し書きをした後で
“漢籍どもを見るに、雉は物聞くこと聡く、又耿介<ミサヲ>を守る鳥なりと云へれば、さる由にぞ有けむかし”
と書いております。
なお、この「きじ」について、またまた話がとんでもない方向に飛んでしまいますが、吉備伝説の「桃太郎」に出てくる「さる」「きじ」「いぬ」の「きじ」についても、次のような言い伝えがこの地方には伝わっております。この「雉名鳴女」とは何のかかわりもないのですが、「きじ」は、宣長が言うように、「雉は物聞くこと聡く、又耿介<ミサヲ>を守る賢い鳥だ」ということで桃太郎の主人公の一人になったと言う話です。
どうして桃太郎の話の中に、わざわざ、この「きじ」が現れたのかと云いますと、本来なら鬼は十二支の「うし」「とら」です。その鬼退治のためには、十二支で「うし」「とら」に対比した「さる」「とり」「いぬ」が一番ふさわしいのです。しかし、「さる」「いぬ」に対して「とり」では、その存在があまりにも弱々しくその任に適さないのです。そこで「とり」であっても、宣長の説明のような「きじ}が、桃太郎の家来として、特別に取り上げられたのだと言い伝えられております。
“雉名鳴女<キギシナ ナキメ>”
とあるのですが、本当は女性の神ではなく、単なる「雉<キジ>」だったのです。何故、雉だったのかは分からないのですが、宣長は「その辺りのことは不明だが」と但し書きをした後で
“漢籍どもを見るに、雉は物聞くこと聡く、又耿介<ミサヲ>を守る鳥なりと云へれば、さる由にぞ有けむかし”
と書いております。
なお、この「きじ」について、またまた話がとんでもない方向に飛んでしまいますが、吉備伝説の「桃太郎」に出てくる「さる」「きじ」「いぬ」の「きじ」についても、次のような言い伝えがこの地方には伝わっております。この「雉名鳴女」とは何のかかわりもないのですが、「きじ」は、宣長が言うように、「雉は物聞くこと聡く、又耿介<ミサヲ>を守る賢い鳥だ」ということで桃太郎の主人公の一人になったと言う話です。
どうして桃太郎の話の中に、わざわざ、この「きじ」が現れたのかと云いますと、本来なら鬼は十二支の「うし」「とら」です。その鬼退治のためには、十二支で「うし」「とら」に対比した「さる」「とり」「いぬ」が一番ふさわしいのです。しかし、「さる」「いぬ」に対して「とり」では、その存在があまりにも弱々しくその任に適さないのです。そこで「とり」であっても、宣長の説明のような「きじ}が、桃太郎の家来として、特別に取り上げられたのだと言い伝えられております。