私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

雉名鳴女<キギシナ ナキメ>と桃太郎

2018-04-25 08:49:10 | 日記
 思金神達高天原の神々が選んで水穂国の天若日子の偵察に派遣した第三の神を女性で、名を“雉名鳴女<キギシナ ナキメ>”だと書いたのですが、これが全くの誤りでした。実は

          “雉名鳴女<キギシナ ナキメ>”

 とあるのですが、本当は女性の神ではなく、単なる「雉<キジ>」だったのです。何故、雉だったのかは分からないのですが、宣長は「その辺りのことは不明だが」と但し書きをした後で

 “漢籍どもを見るに、雉は物聞くこと聡く、又耿介<ミサヲ>を守る鳥なりと云へれば、さる由にぞ有けむかし”

 と書いております。

 なお、この「きじ」について、またまた話がとんでもない方向に飛んでしまいますが、吉備伝説の「桃太郎」に出てくる「さる」「きじ」「いぬ」の「きじ」についても、次のような言い伝えがこの地方には伝わっております。この「雉名鳴女」とは何のかかわりもないのですが、「きじ」は、宣長が言うように、「雉は物聞くこと聡く、又耿介<ミサヲ>を守る賢い鳥だ」ということで桃太郎の主人公の一人になったと言う話です。
 どうして桃太郎の話の中に、わざわざ、この「きじ」が現れたのかと云いますと、本来なら鬼は十二支の「うし」「とら」です。その鬼退治のためには、十二支で「うし」「とら」に対比した「さる」「とり」「いぬ」が一番ふさわしいのです。しかし、「さる」「いぬ」に対して「とり」では、その存在があまりにも弱々しくその任に適さないのです。そこで「とり」であっても、宣長の説明のような「きじ}が、桃太郎の家来として、特別に取り上げられたのだと言い伝えられております。

『言趣向』・『言向』の違いは・・・・

2018-04-24 15:17:03 | 日記
 水穂の国に下りて行って「天若日子」に
 
     “言趣和其国之荒振神等之者也。何至于八年不復奉”
    <ソノクニノ アラブル カミドモヲ コトムケ ヤハセトナリ。ナゾ ヤトセニナルマデ カヘリゴト  モウサザルト トヘト ノリタマヘキ”

 「水穂の国の荒らぶる神達と話し合って、平和的に物事を進めて来なさいと命令したにもかかわらず、8年間もの間 アマテラスや私に、どうして、復命しないのか。訊ねて来なさいよ。」
 と、思金神は雉名鳴女<キギシナナキメ>に命令します。
 
 ここに見られるように、太古の日本でも、高天原でもです。「戦い」でなくて「話し合い」によって、まず物事は解決していたのです。そこら辺りの事情をあのトランプさへ知っていたのでしょうか???そうでなくて洋の東西を問わず人類が共通して以っていた平和思考だったのでしょうかね???我が社「吉備津神社」にお祭されている大吉備津彦も吉備の国の荒ぶる鬼等を天皇の支配に服するようにするために取った手段も、やはり、その最初の方法は

   “言向和<コトムケ ヤハス>”

 という何処までも話し合いによる平和的解決方法を試みたのです。
 
 此の『言趣向』『言向』、どちらも<コトムケ ヤハス>、と読んでいますが、「言趣向」はやや消極的な平和交渉の傾向が見られます。それは天若日子は矢と弓を持って行ったのですから、どうしても和戦両様の準備をしていたのでしょうか???それが『言向』ではなく『言趣向』と言う言葉で書き現わされた所以ではないのでしょうか???このように古事記は読めば読むほどその深さに惹きつけられますよね。


「女性こそ土俵に上がるべきだ。」の太古の日本

2018-04-23 09:14:01 | 日記
 アマテラスは、御子 天忍穂耳命<アメノ オシホミミノ ミコト>をして水穂国を治めさせようと、オホクニの治めている出雲の国に、その相談の為に派遣した天菩比神は三年、天若日子に至っては八年も、高天原に復命しませんでした。あの思金神の指導によって行われたのですが、目的は果たすことはできませんでした。どうなっているのでしょうかね???

 それにもかかわらずです。三度目になるのですが、それでもこりずに、又もや、思金神に相談を持ちかけます。普通なら思金神達の下した二回もの命令はその目的が達成されなく失敗に終わっております。それだけでもう、思金神たちの決定は信頼を失わせるもので、不信の念が起こっても十分な事だと思うのですが、ここでも不思議なのですが、今の日本の誰かさんのように「ア!ソウカ???」とばかりに
 「あのひとは、今まで、十分信頼に耐える仕事をしてきた。だから、無闇にやめさせたりする必要はない。」
 と、弁護を繰り返して、此処でも三度その考えを聞きます。そして、出てきた答えは
 「化学兵器が使用されたのだ。すぐ攻撃を」
とばかりに大掛かりな攻撃を仕掛けた誰かさんとは違って、此の度も、武力による攻撃ではなく、話し合いによる解決へと話が進むのです。その代表者に選ばれたのが

             “雉名鳴女<キギシナ ナキメ>”

 です。
 今度は、相手の話を十分に聞き出すことができるのは男性でなく女性の方がとお考えになったのでしょうが、セクハラなどなかった時代だったのでしょうか「女性の神様」を派遣したのです。
 
 ここで又、余残事を!!!!此の歴史的事実を相撲協会も知るべきです。太古の日本社会は男性社会が主体ではないのです。かえって、女性が主体の社会だったのではないでしょうか、アマテラスを始めとしてです。何か事が起こると最終的に解決するのは何時も女性だったのですから。土俵が神聖なら「女性、入るべからず」でなく「女性こそはいるべきだ」という考えが出てきてもよさそうなのですが。どうでしょうか。「伝統とは何ぞや」と、相撲協会にお尋ねしたいのですが?????「血」が不潔なら。土俵上で、度々、激しいぶつかり合いで流す力士たちのあの鼻血は不潔ではないのでしょうかね???考えを改めないと、相撲も落ちぶれますよ。その内に????????

天若日子

2018-04-22 09:50:43 | 日記
 先に派遣した「天菩比神<アメノホヒノカミ>」が、3年たっても、復命しないので、また、例により思金命達による衆議によって、今度は

          “天若日子<アメノワカヒコ>

 を水穂国に派遣することにするのです。それも、前回と違って「弓と矢」を賜って天降だらします。と、言うことは、ワカヒコは武器を携え、丁度、トランプの対北朝鮮戦略のように、和戦両様の構えをして行ったのです。一回目は、あくまでも、話し合いによって解決すべく行ったのですが、それと違えて、今回は強力な武器を携えた強行作戦に変更して行きます。
 さて、屈強な武器まで携えて天降りしたワカヒコですが、先ず、彼が出雲の国でしたことは、何処でどのようにオホクニと交渉したのかは何も書かれておりませんが、オホクニの娘

          “下照比売<シタテルヒメ>”

 を妻とします。このワカヒコですが、思金命が選んだにしては相当の悪心の持ち主だったのです。与えられた武器「弓・矢」を使って、自分が此の国を征服して、「
 「あわよくば此の国の王に」
 と、計略を練ります。そのための計略の第一歩がオホクニの娘を妻とする、相当な、悪神だったのでしょうか??それを見抜けなかった思金神達高天原の神々も、その頃になると年寄りになり、その思考力が衰えていたのかもしれませんが????。

 このようにして、ホヒノカミは3年でしたが、8年もの間、アメノワカヒコからの復命はおろか無しの飛礫です。そこで、また、アマテラスは、これにどう対処すべきか、またまた思金命達高天原の神々に、こりもせずに、相談されます。おの思金命をすっかり信用していたのでしょうか?現在の「ア!!ソウカ」と、なんでもかんでも信頼して国の財政をっ完全に任せッきりにしている誰かさんみたいに全幅の信頼を置いていたのでしょうね????

 さて、この結末は・・・・・

また元に戻します

2018-04-21 10:12:26 | 日記
 さて、また、オホクニの話しの続きに戻ります。

 アマテラスは、我が子「天忍穂耳命<アメノ オシホ ミミノミコト>」に、豊葦原水穂国を治めさせたいと思い、先の高御産巣日の神と相談して「思金命」を始め高天原の神々に諮ります。当時、水穂国は大層乱れていたのですが、出雲の国は、オホクニが治めて、安定しておった一番の強国でした。そこに高天原からアマテラスの使者を使わして
「アマテラスの御子をして、出雲の国を始めとした、此の国全体を治めさせようと思うのだが。」
と、話を持ちかけます。その特使に選ばれたのが

        “天菩比神<アメノホヒノカミ>”

 です。この神、オホクニに忖度したのかどうかは知りませんが、古事記には“媚”と言う字を当てて、「3年間も復命しませんでした。」と、書いております。あまりにも、現在、国会で問題になっている次官か誰かさんと似ているようですが??オホクニに一方ならぬお世話になったのでしょうか?アマテラスからの命令など「記憶にありませんな」などと知らんぷりしておったのでしょうか??高天原には無しの飛礫です。それも3年もの間にです。どうしましょうか、このままほっておくこともできません。再び、アマテラスと高御産巣日神は思金命などの神々と相談します。

 まあ、話がまたもや、こんがらかってくるようですが「ニニギノミコト」が出てくるまでもう少しですから「くだらん!!」と思わずに、お付き合いください。