橋下大阪府知事は吹田市にある済生会千里救命救急センターへの大阪府の補助金3億5千万円を今年度から廃止した。
千里センターは日本屈指の救急センターで、24時間運行のドクターカーは年間2500回、1日平均6回以上の出動。搬送患者の受け入れは年4000件を超え、大阪府立の5倍。吹田だけでなく北摂豊能地域になくてはならない病院なのだ。そして救急車のたらい回しも少なく救命率は日本一である。
センターは救命救急の講習や救命救急士、救命救急医の育成、災害医療や国際貢献にも取り組んできたが、それを可能にしたのが大阪府の補助金だった。
重症患者を扱う3次救急は医療費がかかるので、一病院が抱えるにはきわめて負担が大きく、これは行政が支えなければ成り立たない。
ちなみにドクターカーには医師、看護士、救命救急士などが乗るので高額の費用がかかるが、しかしこれに対する診療報酬は現在は国からのわずか1万円だけになったのだ。 このまま放っておくと、病院としてはもはや撤退以外に道は残されなくなる。