『まず、ママが幸せに-産んで育てて、ニッポン、イギリス、フランス』(薗部容子/著、定価1575円)
今度の新刊は子育てをテーマにした本です。著者の薗部容子さんは夫の海外赴任に伴い、日本で長女、イギリスで次女、フランスで長男という、それぞれの国で1人ずつ3人の子どもを産み育ててきたという極めて珍しい経験の持ち主。その体験を通して日本の子育て事情に対して想い考え至った結論が「まず、ママが幸せに」だったのです。
かつてよりも事情が変化しているとはいえ、イギリスといえば「ゆりかごから墓場まで」という恵まれた社会保障、そしてフランスといえば出生率の向上とそれを支える子育て環境のすばらしさです。この二つの国の子育て施策を身を捧げて、心を揺すられながら全身で経験した出産、育児体験はまさに目からウロコの連続だったと言います。
たとえばイギリスでは「子育てがたいへんだけど大切な重労働」だということはすべての世代の人々の普通の認識になっています。だから街中をベビーカーで子ども連れで歩くと、とにかく母親をみんなでサポートとしようという空気をあらゆる場面で体験します。日本では想像も出来ないくらいに母親へのケア精神が溢れています。
フランスでもこの認識は同様。とにかく子育て世代に対する国の施策は日本とは天と地の違いがあると言ってよいほど本気の施策です。よく知られている日本で言う「教育費」の個人負担が無いというだけでもたいへんなことですが、それ以上にきめ細やかな施策がたくさんあります。子育ては親だけのものではない。社会が担うものという思想が徹底されている国です。
一方、子育て施策はイギリス・フランスとは雲泥の差があり、何かにつけて、家族が、地域が、学校が、職場が、政治が、そして世間が子育て世代=ママたちを追い込んでしまう日本というこの国のおかしさがあります。
まず、ママが幸せに。そういう社会はきっと子どもたちも幸せでいられる社会であるはずです。
これから出産、育児という大仕事に向かおうとするすべてのママたちに捧げる1冊です。
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