必ず来るであろう次の巨大地震。わが町はいったいどうなるのだろうか。
先ごろ、「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が新たな想定をまとめ発表したが、先日、その内容をとてもわかりやすくかいつまんで身近に実感を持って感じさせてくれるある研究者の方のお話しを聞いた。仮にテーマをつけると「巨大地震が大阪市を襲ったら~その被害のシナリオと私たち」という感じか。
まず、地震が発生すると大阪市は震度6に見舞われ、その激震は3分間続く。大阪の平野部は激しく揺れ、淀川三角州の軟弱な地層のため広範囲にわたって阪神大震災をはるかに超える液状化が生じる。
長周期地震動が生じるので、地盤と建物の周期が一致すると共振現象となり高層ビルは大きく揺れ始める。淀川の堤防も液状化し大きく沈下、建物はもちろん水道を始めとするライフラインの損傷は都市機能をマヒさせることになる。
そして100分~120分後に津波が押し寄せる。その高さは5メートル。液状化で損傷した護岸を乗り越え市内部に容易に達する。
津波の速度は大陸棚部分で新幹線なみの速さとなり、引き波時には猛烈な速度で家屋を粉々にしていく。津波は50センチの高さでも速度が速いので人間はすぐに流される。
津波は7波ぐらい襲ってくる。特に第2波は1波のひき波と重なり高さは6メートルにも達し、軽く護岸を超えて市内部は甚大な被害が予想される。
さらに津波を原因とする火災の発生、そして淀川や大和川を遥か内陸部に遡上した津波は堤防を決壊し都市を襲ってくるだろう。
聴いていると、これはどうしようもないんじゃないかという気持ちになってくるが、何もしないでいるとこうなるというわけで、いかにして「減災」のための手を打っいくかが大事だということ。地震が来るのは避けられないことなのだから。
ところで、大阪市福島区吉野にある日本機関紙出版。建物は4階建てなので屋上に逃げるということがまずできるが、実は向かいにある阪神ファッション専門学校がここよりも遥かに高いのでこのあたりの避難場所に指定されている。おそらくそこへ避難しながらわが大阪機関紙会館が水没するのを見るしかないのかと、ちょっと想像してみたのだが…。なんとも暗い話になってきた。
まあ、そんなことでこういったテーマの本も必要じゃないかとしばし考えているのだが。
おそらく2階部分、いや3階ぐらいまでは津波に襲われるに違いない。そうなるともうここで「THE END」ということにもなりかねないだろう。