日本が始めた侵略戦争が1945年8月に終わり、今年は68年目。再来年はもう70年になる。戦後生まれ世代が圧倒的多数派になり、あの戦争の記憶を次世代に継承することがますます困難になりつつあるが、逆にその継承作業はそれだけ大事な仕事にもなっているともいえる。
ということで、昨年末から兵庫に通いながら兵庫の戦跡をまとめて紹介する本の準備を地元のみなさんと進めている。神戸空襲の被害や各地に残る軍事施設跡、戦争に関わる記念碑など、尼崎から淡路島、播州地域に至る一帯の戦跡を取りあげる予定だ。マップに落としていくので、ぜひこの本を手にして訪れて実際の戦争の痕跡に触れてほしいと思っている。
そして今日は、大阪でも同様の本を作るための編集会議をおこなった。大阪に関してはもう10年以上前から『大阪戦跡ガイドマップ 1』、『大阪奈良戦跡ガイドマップ 2』、『大阪奈良戦跡ガイドマップ 3』を出してきたが、1巻はほぼ品切れ、2巻も在庫僅少という状態になったこともあり、どうせならその総集編ということで1冊にまとめようではないかということになったのだ。
とはいいうものの、兵庫も大阪も70年の時間の経過は大きく、戦跡がどんどん街中から消えている。1年前に残っていたものが今年はもうなくなったという情報があちこちから届くほどで、急がないといけない。私もいくつかの地域の原稿を担当することになったので3月~4月はあちこちへの取材と忙しくなりそうだ。