みなさんは霧社(むしゃ)事件をご存知でしょうか? 日本統治下の台湾で起きた壮絶な事件のことです。
1930年10月27日に台中州能高郡霧社(現在の南投県仁愛郷)で起こった台湾原住民による日本統治時代後期における最大規模の抗日暴動事件です。霧社セデック族マヘボ社の頭目モーナ・ルダオを中心とした6つの社(集落)の男たち300人ほどが、まず霧社各地の駐在所を襲った後に霧社公学校で行われていた小学校・公学校・蕃童教育所の連合運動会を襲撃。日本人のみが狙われ、約140人が殺害されました。現地の警察には霧社セデック族の警察官が2名おり、彼らは事件発生後にそれぞれ自殺。その後の日本軍の反攻により、蜂起した6社の約1000人が死亡し、生存者約550人は投降しました。
2011年、台湾でこの事件をテーマにした映画「ゼデック・バレ」が完成上映され、たいへんな反響を呼びました。残念ながら日本国内では映画関係者以外にはほとんど話題に上らなかったのですが、昨年の大阪アジアン映画祭で上映され全国の熱い注目を浴び、「観客賞」を受賞した作品です。
この映画が今年のゴールデンウィークを皮切りに、全国上映が始まりつつあります。
実は機関紙出版では2000年を初めに、この霧社事件をテーマにした本を、台湾の霧社事件研究家の翻訳本としてすでに発行していました。シリーズ全3点と関連書1点の4点です。発行から13年目を迎えますが、一度に多部数が動くというような売れ行きではないものの、ずっと動き続けており、この事件が今なお、関心を持たれていることがうかがえます。
本の紹介はこちら→クリック
そこで今回の上映にあたり、これらの本の販売がいくつかの上映館でも行われることになりました。ぜひ映画をご覧になり、合わせて4点の関連書のご購読もお薦めします。
なお、全国共通前売り券を機関紙出版でも扱っていますので、ご希望の方がありましたら、ご連絡ください。hon@nike.eonet.ne.jp