MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.056 「GOAL!」 (2005年 米=英 118分 シネスコ)

2006-06-06 01:10:01 | 2006年劇場鑑賞
監督 ダニー・キャノン
出演 クノ・ペッカー
    スティーヴン・ディレイン
    アンナ・フリエル



FIFA公認映画として随分前から宣伝されてたけど、いよいよW杯も目前となり実にタイムリーな公開となりましたね。
3部作として作られるようで、パート2は秋に公開でパート3に至っては来年の公開!
少し間が開くのがどうでしょうね~ 今はワールドカップの盛り上がりで結構ヒットするでしょうけど・・・続編はどうだろう?
ま、それもこれもこの1作目にかかってくるんでしょうがねぇ~

さすがサッカーを題材にした映画ってことで客層は若い人が多いですね。
カップルは勿論、数名のグループで来てる方々もチラホラと・・・

プロを夢見てL.A.の地元サッカーチームで活躍するラテン系青年サンティアゴ(クノ・ベッカー)は、ある日スカウトに才能を見出され、ニューカッスル・ユナイテッドの入団試験を受けるチャンスを得る。父の反対を押し切り単身渡英し、逆境に苦しみつつも入団を果たした彼は、今まで以上に熾烈(しれつ)な競争と困難に立ち向かっていく。

貧困な生活の中から這い上がろうする主人公のサクセスストーリーで、主人公を支える祖母や弟、そしてサッカー選手になることに反対する父たちとの家族愛を描きながらのプレミアリーグのピッチに立つまでの第1部はまさにスポ根モノの王道を行く展開で、目新しさは無いんだけど、その王道的な展開の安心感が最後まで付きまとう・・・この辺、先がバレバレのワンパターンとしてシラケルか、あるいは手堅い展開で安心して見てれるか?
好みが別れるとこですが、私はこのテの映画は後者の方が良いかと思ってますので、そう言う意味では実に楽しい作品でしたね。

試合のシーンは生の試合も取り入れている為に迫力もあり、今後ビッグマッチをロケしてる続編群に期待がもてますね。
米英の合作らしいけど雰囲気はハリウッド的な作品よりイギリス映画の雰囲気が出てましね。
またこういう作品には付き物の「マザーファッカー!」「シット!」と行った酷い台詞が出てこないのも英国風かな?
試合の場面や練習での嫌がらせのシーンなどではアメリカ映画ならかなりのスラングが使われるだろうね。

ベッカムやジタン、ラウールらがゲスト登場してますが、その場面で場内はやや騒然となってましたね(出てるの知らんかった?)
次回はレアルマドリード編だからもっと出ずっぱりでしょうね。
彼らどんな芝居を見せてくれるかな?



★★★ 2006.6.4(土) アポロシネマ8 スクリーン8 21:15 F-3

No.055 「ブロークバック・マウンテン」 (2005年 米 134分 ビスタ)

2006-06-05 01:21:50 | 2006年劇場鑑賞
監督 アン・リー
出演 ヒース・レジャー
    ジェイク・ギレンホール
    ミシェル・ウィリアムズ



アカデミー賞の作品賞の有力候補と言われながら、この映画は結局作品賞は取れず、作品賞は「クラッシュ」に譲ったがこの映画はアン・リーが監督賞を受賞しました。
「クラッシュ」しかり、この「ブロークバック・マウンテン」も単館系の作品で、賞を取ったにも関わらずあまり拡大公開されなかったのが残念です。
と、言う訳で「ブロークバック・マウンテン」は3月公開ながら今まで未見だったので「こりゃDVDかビデオだな・・・」と思ってたら時々利用するシネコンのホームページを何気なく見てると・・・やってるではないか!
期間限定での公開でスクリーンで見るのはラストチャンス・・・

2人のカウボーイの同性愛を描いた作品でヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールの体当たりの演技が話題になっていた。

1963年の夏。ワイオミング州のブロークバック・マウンテンでイニス(ヒース・レジャー)は羊番の仕事を始める。たまたま一緒に組んで仕事をしていたジャック(ジェイク・ギレンホール)との間に友情が芽生えるが……ていうストーリーだけど、まずブロークバック・マウンテンの大自然が実に雄大で、その中での2人の男たちの許されざる関係・・・

野宿をしてるある日の晩に突然激しく求めあうイニスとジャック・・・テントの中で肌を触合いSEXしていく2人の感情は・・・理解できないけど多分長いことズ~と2人で居ると突然あんな感情が芽生えたりするのかな?何て思ったりするが、ただジャックは初めてイニスと出会った時から好意は持っていた。
それを示唆するように車のサイドミラー越しにイニスをひっそり見つめるシーンが冒頭に出てくるし、山の中でイニスが全裸で着替してるのをすぐ傍で視線は送らないけど、空気で全裸の彼を感じてるようなジャックの顔のアップのショットなど、これこそ乙女心を秘めた男を見たような感じで妙にいじらしく写るんですね。
彼は同性愛者てのがここで提示されるが一方のイニスは少なくともノーマルな男性で、しかも反同性愛主義の父親から幼少の頃にリンチされた同性愛者の哀れな姿を見せられておりそれが一種のトラウマのようになっている。

2人っきりで過ごす内に女性と婚約してるにも関わらずイニスもどんどん深みにはまっていく姿には厳しい自然の中で互いに必要とし認めあった先の行為・・・なのかな?
長い自然での生活が終わりジャックと別れた後、嗚咽とともに泣き崩れるイニスの姿には、許されない恋と言え悲しいまでの「純」な恋愛を見取ってしまいます

でも2人が別れてイニスは結婚し子供ももうけて、4年後にジャックがイニスの家を訪ねる場面でのジャックが来るのを窓の外をず~と眺めてるイニスの姿は完全に恋人を待つ心境なんやろうね~ これもまたいじらしいです。
そして再会し抱擁とともにそのまま押し出すように家の軒下まで行き熱いキッス交わす2人・・・男同士でも純愛ってあんねんな~と感じてしまいました。
しかしその場面をイニスの奥さんが偶然見てしまう・・・これって想像出来ないくらいショッキングだろうね・・・そんな事は露とも知らないイニスは「2人で飲みに行ってくる!今日は帰らない・・・積もる話もあるから」といって2人で出て行くが、まぁ奥さんの心境は察するにあまります。
あんなん見た後で2人で泊まりに行かれたら・・・する事一つやがな・・・残酷なまでの描写ですね。
そしてそこからドラマは大きく動いていくんですが、やがてジャックも結婚して家庭を持ち、それぞれが落ち着く所に落ち着くけど、断ち切れない思いとブロークバックマウンテンの思い出が2人を、やがてそれぞれの家族までを翻弄していく・・・後半は痛々しいまでのドラマが展開していくんですが、アン・リーは冷静な視点で2人の男のその後の人生を追いかけていきます。


           ややネタバレ気味でご注意・・・









終盤ではジャックが断ち切れない苦悩する思いをイニスに打ち明け、そしてそれを拒むことしか出来ないイニスの苦悩・・・もうここらはホモ映画と呼ばせない完成された一つの愛の物語が成就していきます。

写真とシャツ使った心憎いばかりのエンディングは胸をわしづかみにされるぐらいの衝撃です。
こんな恋愛は男女でもそうそう無いでしょう・・・純な2人の想いが痛切に伝わってくる締めくくりのワンカットは胸を締め付けられます。


★★★★★ 2006.6.1(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ5 19:30 K-3

No.054 「夢駆ける馬ドリーマー」 (2005年 米 106分 シネスコ)

2006-06-03 03:07:01 | 2006年劇場鑑賞
監督 ジョン・ゲイティンズ
出演 カート・ラッセル
    ダコダ・ファニング
    エリザベス・シュー



競争馬を題材にした作品で記憶に新しいのは「シービスケット」て言う作品があるが、あの映画は爽やかなラストが印象的で、押し付けるような感動でもなく実に自然な描写でラストを締めくくってたのが良かったですね。
カメラが騎手目線(または馬目線)となりゴールインして走り抜けていく瞬間にフェードアウトして映画が終わっていったように思う。

そして今回の作品は主演はカート・ラッセルだが実際の物語の中心は最近やや鼻についてきた(笑い)名子役のダコダ・ファニング・・・て事でお涙頂戴的な作品になりはせんか?と思ってたけど、1頭の馬を通じて親子3代の絆を描いたなかなかの佳作でしたね。

厩舎を経営する元騎手ベン(カート・ラッセル)は、資金繰りに苦しむ中、有力馬主から頼まれた牝馬ソーニャドールに希望を託す。しかし、娘のケール(ダコタ・ファニング)と一緒に出向いたレースで、ソーニャドールは転倒し、骨折してしまう。馬主から殺すよう命じられるが、ベンは自分のギャラでソーニャドールを買い取ることを決意する。

実話らしいですが、実際どこまでが本当なのか?少し怪しいような場面もあるけども(もし本当に全て事実なら・・・まさに奇跡的なドラマ!)ソーニャドールと少女ケールとの馬と人間の友情と祖父クリフ・クリストファーソン、父カート・ラッセルとの親子三代がそれぞれソーニャドールを通じて絆が結ばれていく様が丁寧に描かれています。

またクリフ・クリストファーソンとカート・ラッセルが実の親子のように良く似ていたのが印象的でしたね。
エリザベス・シューも疲れた主婦の役がまたよく似合います。
裕福な奥様より苦労した感じがこの人は合ってますね(実際もイマイチ華を感じなさそう・・・)
ダコダちゃんは最近ホント良く出てますね~「アイ・アム・サム」の頃からあまり顔立ちが変わってないように感じるのは気のせいかな?
もうデビューして大分経ってるように思うのだが・・・

クライマックスは前列のオバちゃんが思わず拍手してしまったような白熱のレースシーンなんですが、少しこの場面はアクシデントなどが起き、実際のところは知らないがあまりにも映画的に盛り上げようとしすぎかな?と思い ましたな。



★★★ 2006.6.1(木) アポロシネマ8 スクリーン8 16:10 I-17