カンゾウ伝 その五よりつづき
青い忍者は「ソラキリ」に術をかけてカマイタチのような斬撃を繰り出すことができるが、何回か繰り出すとその術の効果が切れ、普通の刀になってしまう。
青い忍者はそこで再び術をかけて攻撃を再開する。
カンゾウはソラキリの光り具合からそれを見抜き、4回続けて斬撃を放つと力を失うとだいたいの目星をつけた。
しかしカンゾウは青い忍者の斬撃を3回までしかよけられない。斬撃をなんとかして4回出させる、これがカンゾウの作戦だった。
術の切れた刀ならば、恐れずに懐に飛びこみ、得意の拳法で戦うことができる!!
「グホッ、ゴホッ!ぐうう!」
さしもの青い忍者も悶えた。しかし吹き飛んでも刀を離さず、しかもすぐに立ち上がったのはさすがである。
「ハァ、ハァ・・・なるほど、その拳があれば武器はいらぬ、というわけか。おぬし、名をカンゾウといったか。この勝負、ひとまずあずけておこう。さらば!」
青い忍者はそう言い残すと、姿を消した。
残されたカンゾウは立ったままそこにたたずんでいた。三兄弟の姿もすでにない。
「青い忍者、ソライロタケ・・・あれほどの使い手がいるとは」
カンゾウはこれからゆく道の困難さを思い、気を引き締めるのだった。
つづく・・・かもしれない