月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

きのこ忍法帖【カンゾウ伝 その六】

2023-09-24 15:52:24 | キノコ創作

カンゾウ伝 その五よりつづき

 

青い忍者は「ソラキリ」に術をかけてカマイタチのような斬撃を繰り出すことができるが、何回か繰り出すとその術の効果が切れ、普通の刀になってしまう。

青い忍者はそこで再び術をかけて攻撃を再開する。

カンゾウはソラキリの光り具合からそれを見抜き、4回続けて斬撃を放つと力を失うとだいたいの目星をつけた。

しかしカンゾウは青い忍者の斬撃を3回までしかよけられない。斬撃をなんとかして4回出させる、これがカンゾウの作戦だった。

術の切れた刀ならば、恐れずに懐に飛びこみ、得意の拳法で戦うことができる!!


「グホッ、ゴホッ!ぐうう!」

さしもの青い忍者も悶えた。しかし吹き飛んでも刀を離さず、しかもすぐに立ち上がったのはさすがである。

「ハァ、ハァ・・・なるほど、その拳があれば武器はいらぬ、というわけか。おぬし、名をカンゾウといったか。この勝負、ひとまずあずけておこう。さらば!」

青い忍者はそう言い残すと、姿を消した。

残されたカンゾウは立ったままそこにたたずんでいた。三兄弟の姿もすでにない。

「青い忍者、ソライロタケ・・・あれほどの使い手がいるとは」

カンゾウはこれからゆく道の困難さを思い、気を引き締めるのだった。

 

つづく・・・かもしれない