月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

『ときめくきのこ図鑑』

2012-10-01 18:58:36 | キノコ本
『ときめくきのこ図鑑』 文:堀博美 写真:桝井亮 監修:吹春俊光

ときめくきのこ図鑑!いまだかつて「ときめく」と自称する図鑑などあったろうか?世の中も変わったもんだよねー。お堅いばかりが図鑑じゃありませんってこと。これからは女子的センスが世界を動かす!ってところかなー。

本書は、本邦初にして唯一のきのこライター・堀博美さんと、キノコ写真を手がける桝井亮さんの手によるビジュアル系キノコ本。図鑑と称しているが、実用はあまり前提としておらず、見て楽しみ読んで楽しむ、図鑑風写真エッセイという趣(おもむき)だ。

きのこ愛を煮詰めて人間のカタチに仕立てたような濃縮きのこ人・堀さんの、控えめで一直線な感じ(言ってる意味わかるかな?)の文章と、これまたきのこ愛あふれる桝井さんのアート系のキノコ写真を、余白を生かした落ち着きのある構成に仕上げたこの本は、やはりこれまでのきのこ図鑑とは一線を画した独自の空気を醸している。チャワンタケにダージリンティーを注ぎ、窓の外を眺めながら静かな午後を過ごしてる感じ?

ウン、いいんじゃないのぉ~。


メインになる図鑑コーナー。キノコの色や形のきれいさ、おもしろさを引き出した写真が目を引く。写真の色み、もーちょっとナチュラルな仕上がりの方がいいなー……ってのはオレ個人の趣味だけど。

合間合間には、カメラに直接万華鏡を装着して撮っちゃったという「きのこ万華鏡写真」が!地味なカイガラタケのなんか、ひそかにいい。


むろん、きのこグッズをはじめとしたキノコ周辺のよもやま話もたっぷりと。この辺はネタ探しや取材に労を惜しまないきのこライターの面目躍如だ。


イラストが多用されていて、やわらかく、暖かな雰囲気をうまくサポートしている。各章の頭に、あえて赤を持ってきたところなんかはプロの仕事だよなー。

ってなところで、本邦初の「ときめく」きのこ図鑑、興味のある方は是非ご覧あれ。

姉妹版で「ときめく星空図鑑」 「ときめく鉱物図鑑」もあるらしい。

 

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