先日紹介した(『爛々と燃ゆる』観劇
参照)スタインベック原作の『爛々と燃ゆる』、原題は、Burning Brightといいます。
このBurning Brightというタイトルは、英国の詩人ウィリアム・ブレイク(William Blake)の「虎」(Tyger, Tyger)(*現代英語で書けば、Tiger, Tigerとなるところ)の詩の一節から取られたものです。
この度の演劇で、幕間にこのウィリアム・ブレイクの詩の朗読をしたいという提案がプロデューサーの塚原英志さんからありました。
ついては、他人が訳したものを勝手に舞台で使うわけにはいかないので、僕に訳してくれという要請がありました。
そこで、訳したのが、以下のものです。
「虎」 William Blake作 山内 圭 訳
虎よ虎、そなたの眼(まなこ)は爛々と燃ゆる
夜の森の中で
いかなる神の手や眼(まなこ)が
そなたの恐ろしい均整のとれた身体(からだ)を作り出すことができたのであろうか?
いかなる深い海や遠い空に
そなたの眼(まなこ)の火は燃えていたのか?
いかなる翼で創造主は天を登ったのか?
いかなる手でその火をつかみ取ったのか?
いかなる肩や技が
そなたの心臓の筋肉をひねり出したのか?
そしてそなたの心臓が鼓動し始めたとき
いかなる恐ろしい手が、いかなる恐ろしい脚が?
いかなる金槌が、いかなる鎖が使われ?
いかなる溶鉱炉でそなたの脳髄は作り出されたのか?
いかなる金床(かなとこ)が、いかなる恐ろしい手が
そなたの恐ろしい身体(からだ)を作り出したのか?
星たちが光の矢を放ち
その涙で天をしめらせるとき
創造主は創造したそなたを見て微笑んだのであろうか?
仔羊を作った同じ創造主がそなたをも作ったのか?
虎よ虎、爛々と燃ゆる
夜の森の中で
いかなる神の手や眼(まなこ)が
そなたの恐ろしい均整のとれた身体(からだ)をあえて作り出したのか?
(以上)
この詩は、虎の均整のとれた力強い体つきを、そしてその爛々と燃ゆる眼をたたえるものです。
ブレイクの詩においては、虎の眼の光る様子をBurning Brightと表現していますが、スタインベックの『爛々と燃ゆる』で燃ゆる眼をしているのは、誰でしょう?
僕の解釈では、登場人物4人の眼は、全て爛々と燃ゆるものだと思います。
今回の舞台では、自分が上のように訳した詩を、浅井透麻さん、青山 碧さん、岡田純一さん、そして塚原英志さんの4人の俳優さんたちが、朗々と諳んじてくれました。
自分の訳した詩が、舞台で読まれるのを聞く、初めての経験でしたが、鳥肌が立つほど感動しました。
参照)スタインベック原作の『爛々と燃ゆる』、原題は、Burning Brightといいます。
このBurning Brightというタイトルは、英国の詩人ウィリアム・ブレイク(William Blake)の「虎」(Tyger, Tyger)(*現代英語で書けば、Tiger, Tigerとなるところ)の詩の一節から取られたものです。
この度の演劇で、幕間にこのウィリアム・ブレイクの詩の朗読をしたいという提案がプロデューサーの塚原英志さんからありました。
ついては、他人が訳したものを勝手に舞台で使うわけにはいかないので、僕に訳してくれという要請がありました。
そこで、訳したのが、以下のものです。
「虎」 William Blake作 山内 圭 訳
虎よ虎、そなたの眼(まなこ)は爛々と燃ゆる
夜の森の中で
いかなる神の手や眼(まなこ)が
そなたの恐ろしい均整のとれた身体(からだ)を作り出すことができたのであろうか?
いかなる深い海や遠い空に
そなたの眼(まなこ)の火は燃えていたのか?
いかなる翼で創造主は天を登ったのか?
いかなる手でその火をつかみ取ったのか?
いかなる肩や技が
そなたの心臓の筋肉をひねり出したのか?
そしてそなたの心臓が鼓動し始めたとき
いかなる恐ろしい手が、いかなる恐ろしい脚が?
いかなる金槌が、いかなる鎖が使われ?
いかなる溶鉱炉でそなたの脳髄は作り出されたのか?
いかなる金床(かなとこ)が、いかなる恐ろしい手が
そなたの恐ろしい身体(からだ)を作り出したのか?
星たちが光の矢を放ち
その涙で天をしめらせるとき
創造主は創造したそなたを見て微笑んだのであろうか?
仔羊を作った同じ創造主がそなたをも作ったのか?
虎よ虎、爛々と燃ゆる
夜の森の中で
いかなる神の手や眼(まなこ)が
そなたの恐ろしい均整のとれた身体(からだ)をあえて作り出したのか?
(以上)
この詩は、虎の均整のとれた力強い体つきを、そしてその爛々と燃ゆる眼をたたえるものです。
ブレイクの詩においては、虎の眼の光る様子をBurning Brightと表現していますが、スタインベックの『爛々と燃ゆる』で燃ゆる眼をしているのは、誰でしょう?
僕の解釈では、登場人物4人の眼は、全て爛々と燃ゆるものだと思います。
今回の舞台では、自分が上のように訳した詩を、浅井透麻さん、青山 碧さん、岡田純一さん、そして塚原英志さんの4人の俳優さんたちが、朗々と諳んじてくれました。
自分の訳した詩が、舞台で読まれるのを聞く、初めての経験でしたが、鳥肌が立つほど感動しました。