先日来、何度か記事にしているスタインベック原作の舞台『爛々と燃ゆる』(下記参照↓)
ジョン・スタインベック原作の演劇『爛々と燃ゆる』ご案内
演劇『爛々と燃ゆる』稽古見学と勉強会
舞台『爛々と燃ゆる』の爛々と燃ゆる稽古の見学
『爛々と燃ゆる』観劇
虎よ虎、爛々と燃ゆる
5月19日(土)夜の公演に続いて行われた出演者・演出者とのトークショーに僕も出演させていただきました。
トークショーの司会は、この劇のプロデューサーでミセス・マローイ役を演じた小沢ミナコさん。
演出兼フレンド・エド役の塚原英志さん、ジョー・ソール役の浅井透麻さん、モーディーン役の青山 碧さん、ビクター役の岡田純一さん、妖精およびゾーン先生役の深津哲也さんともに、この演劇に関わったスタインベック研究者としてのトークショーの出演です。
トークショーは、小沢さんの司会進行のもと、流れていきましたが、以下が事前にいただいたトークショーの大まかな流れに基づいて、僕があらかじめ話そうと思っていたメモに書いたことです。
この通りしゃべったわけではありませんが、大体このような内容でお話しました。
観た感想
A山内
○若い頃に原作を読んで感動したこの作品を舞台上で表現してもらって大変感激している。
○4月15日に稽古の見学をさせてもらい、その際、途中経過は見せてもらったが、それが、このような形で完成されたものを見せてもらい、非常に嬉しい。
Q失敗作品と言われる一番の理由はなんだと思いますか?
A山内
○僕はスタインベック大好き人間なので、実はあまり「失敗作」とは呼びたくない。質問を否定するような言い方で申し訳ないですが、ブロードウェイで自分の作品が上演されることを願っている脚本家は何人もいるはずで、スタインベックのこの『爛々と燃ゆる』という作品は、ブロードウェイで13回も上演されているのです。例えてみれば、野球をしていてプロ野球選手になりたい人がたくさんいるなかで、プロ野球に入団し、1軍の試合に13試合だけど出場できたという人を野球で成功したと呼ぶべきか、失敗したと呼ぶべきかということと近いかもしれません。ただ、ノーベル賞をはじめさまざまな賞を受賞しているスタインベックの実力や他の作品の成功から見れば、この作品は比較的成功しなかった作品と言えるのかもしれません。チラシにも書かせてもらったように、子どもができない夫婦の心の葛藤を中心に描くこの作品は、当時の米国においてもまだ「早すぎた」作品なのかもしれません。
Qスタインベック作品の魅力、好きな作品・舞台化してみたい作品
A山内
○人間描写や語りが優れている。人間を生物の一種として描いている。この作品も「爛々と燃ゆる」ものは、眼であるが、スタインベックは、人間描写をする場合に眼の描写に重きを置いている。あとは、興味をもった方は是非原作を読んでいただくといいのですが、例えば円熟期の作品である『エデンの東』などを読んでみると、スタインベックがそれまでに人から聞いた話や書物等で得た知識や自分で考えてきたことなど、いろいろなものが作品に盛り込まれているので、読んでいて面白い。どうだ、俺の話を読んでみろというような作家側の心の余裕さえ感じられるのが魅力。好きな作品は、こども向けの作品と位置づけられることもあるが『赤い小馬』。父親から小馬をプレゼントされる少年ジョディの話だが、スタインベックの子ども時代を描いた自叙伝的な話である。少年の成長が描かれていて面白い。馬をどうするかということで、舞台化は難しいかもしれませんが、是非、舞台化してもらいたい作品です。
協会会員募集宣伝
パンフレットにも少し書かせてもらいましたが、スタインベックの研究者や愛好家で作る日本ジョン・スタイベック協会という組織があります。もし今回の舞台を見て興味を持ってくださった方がいれば、年会費が3000円となっていますが、入会していただきましたら大変嬉しく思います。
Q協会の活動説明
A山内
年1回「日本スタインベック学会」というものを開催するのですが、今年の学会は、今月5月28日(月)10時から東武東上線練馬駅が最寄りの大東文化大学で開催されます。今年は、『エデンの東』の翻訳者である土屋政雄氏もお招きして特別講演をしていただいたり、スタインベック生誕110周年、ノーベル賞受賞50周年を記念したシンポジウムも開かれたりしますので、ご興味がおありの方は是非ご参加いただければと思います。今回は、このような宣伝の機会を与えていただいてありがとうございました。
ジョン・スタインベック原作の演劇『爛々と燃ゆる』ご案内
演劇『爛々と燃ゆる』稽古見学と勉強会
舞台『爛々と燃ゆる』の爛々と燃ゆる稽古の見学
『爛々と燃ゆる』観劇
虎よ虎、爛々と燃ゆる
5月19日(土)夜の公演に続いて行われた出演者・演出者とのトークショーに僕も出演させていただきました。
トークショーの司会は、この劇のプロデューサーでミセス・マローイ役を演じた小沢ミナコさん。
演出兼フレンド・エド役の塚原英志さん、ジョー・ソール役の浅井透麻さん、モーディーン役の青山 碧さん、ビクター役の岡田純一さん、妖精およびゾーン先生役の深津哲也さんともに、この演劇に関わったスタインベック研究者としてのトークショーの出演です。
トークショーは、小沢さんの司会進行のもと、流れていきましたが、以下が事前にいただいたトークショーの大まかな流れに基づいて、僕があらかじめ話そうと思っていたメモに書いたことです。
この通りしゃべったわけではありませんが、大体このような内容でお話しました。
観た感想
A山内
○若い頃に原作を読んで感動したこの作品を舞台上で表現してもらって大変感激している。
○4月15日に稽古の見学をさせてもらい、その際、途中経過は見せてもらったが、それが、このような形で完成されたものを見せてもらい、非常に嬉しい。
Q失敗作品と言われる一番の理由はなんだと思いますか?
A山内
○僕はスタインベック大好き人間なので、実はあまり「失敗作」とは呼びたくない。質問を否定するような言い方で申し訳ないですが、ブロードウェイで自分の作品が上演されることを願っている脚本家は何人もいるはずで、スタインベックのこの『爛々と燃ゆる』という作品は、ブロードウェイで13回も上演されているのです。例えてみれば、野球をしていてプロ野球選手になりたい人がたくさんいるなかで、プロ野球に入団し、1軍の試合に13試合だけど出場できたという人を野球で成功したと呼ぶべきか、失敗したと呼ぶべきかということと近いかもしれません。ただ、ノーベル賞をはじめさまざまな賞を受賞しているスタインベックの実力や他の作品の成功から見れば、この作品は比較的成功しなかった作品と言えるのかもしれません。チラシにも書かせてもらったように、子どもができない夫婦の心の葛藤を中心に描くこの作品は、当時の米国においてもまだ「早すぎた」作品なのかもしれません。
Qスタインベック作品の魅力、好きな作品・舞台化してみたい作品
A山内
○人間描写や語りが優れている。人間を生物の一種として描いている。この作品も「爛々と燃ゆる」ものは、眼であるが、スタインベックは、人間描写をする場合に眼の描写に重きを置いている。あとは、興味をもった方は是非原作を読んでいただくといいのですが、例えば円熟期の作品である『エデンの東』などを読んでみると、スタインベックがそれまでに人から聞いた話や書物等で得た知識や自分で考えてきたことなど、いろいろなものが作品に盛り込まれているので、読んでいて面白い。どうだ、俺の話を読んでみろというような作家側の心の余裕さえ感じられるのが魅力。好きな作品は、こども向けの作品と位置づけられることもあるが『赤い小馬』。父親から小馬をプレゼントされる少年ジョディの話だが、スタインベックの子ども時代を描いた自叙伝的な話である。少年の成長が描かれていて面白い。馬をどうするかということで、舞台化は難しいかもしれませんが、是非、舞台化してもらいたい作品です。
協会会員募集宣伝
パンフレットにも少し書かせてもらいましたが、スタインベックの研究者や愛好家で作る日本ジョン・スタイベック協会という組織があります。もし今回の舞台を見て興味を持ってくださった方がいれば、年会費が3000円となっていますが、入会していただきましたら大変嬉しく思います。
Q協会の活動説明
A山内
年1回「日本スタインベック学会」というものを開催するのですが、今年の学会は、今月5月28日(月)10時から東武東上線練馬駅が最寄りの大東文化大学で開催されます。今年は、『エデンの東』の翻訳者である土屋政雄氏もお招きして特別講演をしていただいたり、スタインベック生誕110周年、ノーベル賞受賞50周年を記念したシンポジウムも開かれたりしますので、ご興味がおありの方は是非ご参加いただければと思います。今回は、このような宣伝の機会を与えていただいてありがとうございました。