「自己決定権は幻想である」(小松美彦)読了。
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「関係性」に注目するあたり、よく整理されていて分かりやすかった。
また、取り上げられている事例やそれに対する筆者の感覚には、あまり違和感はない。
「自己責任論」や「脳死・臓器移植」を強行する姿勢への批判など。
ただ、それを「自己決定権」の問題として一括して取り上げると、
各事例の背景にある個別の事象・問題点を見づらくしてしまうのではないか。
「自己決定権」の名の下に、個別性や実感が捨象され、
単に論理で話が進んでいく現状への危機感は分かるのだが、
一括して対応すると、自らも具体性を捨て去ることになってしまう。
同じ土俵に立たずに、あくまでも個別に問題点を摘出し、切っていく方が良いと思う。
「自己決定権」と「自己決定」を切り分け、
前者は否定して後者については特に問題視せず、
別のものとして取り扱っていく姿勢も、
論理ゲーム的な感、なきにしもあらず。
「自己決定権」なる言説の胡散臭さ、怪しさを知り、
考えていく元としては良い本だと思う。
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「関係性」に注目するあたり、よく整理されていて分かりやすかった。
また、取り上げられている事例やそれに対する筆者の感覚には、あまり違和感はない。
「自己責任論」や「脳死・臓器移植」を強行する姿勢への批判など。
ただ、それを「自己決定権」の問題として一括して取り上げると、
各事例の背景にある個別の事象・問題点を見づらくしてしまうのではないか。
「自己決定権」の名の下に、個別性や実感が捨象され、
単に論理で話が進んでいく現状への危機感は分かるのだが、
一括して対応すると、自らも具体性を捨て去ることになってしまう。
同じ土俵に立たずに、あくまでも個別に問題点を摘出し、切っていく方が良いと思う。
「自己決定権」と「自己決定」を切り分け、
前者は否定して後者については特に問題視せず、
別のものとして取り扱っていく姿勢も、
論理ゲーム的な感、なきにしもあらず。
「自己決定権」なる言説の胡散臭さ、怪しさを知り、
考えていく元としては良い本だと思う。