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吉朝が亡くなったのが2005年11月8日。
ちょうど今年が7回忌にあたり、
追善の一門会が開かれたり、「落語研究会」のDVDが売り出されたりしている。
おそらくこの「吉朝庵 桂吉朝夢ばなし」という本も、
この「7回忌」の一環で出版された本なのだろう。
CD(「くっしゃみ講釈・深山隠れ」)付き。
内容は吉朝の息子である上田康介が、
自分の思い出話やいろいろな関係者に聞いた話をまとめた本。
まず最後の高座になった「米朝・吉朝親子会」の高座前後を描き、
吉朝の産まれた頃からだいたい時系列に沿って話を進め、
亡くなった後、通夜葬式・送る会の話まで。
知らなかった話も多く、一気に読み進められた。
染丸と仲が良かった話、
かんべむさしの吉朝との距離感の話、
「上方の江戸前」と言う馬桜や一朝の話などが
特に興味深かった。
また、白髪のカツラをかぶった証明写真や
(個人的には)米研の客席写真など、
掲載されている写真も面白い。
巻末には年譜と上演ネタ一覧もあり。
CDはサンケイホールの独演会の音らしいが、
「くっしゃみ講釈」「深山隠れ」とも、
今まで販売されていないと思う。
出来も、当然良いもの。
最近、彼の(そこそこ評価されているらしい)弟弟子の
目の行き届いていない「くっしゃみ講釈」を見る機会があったが、
同じ志向とすると論ずるのも愚かな位、全くレベルが違う。
税抜2,500円だし、
個人的には「買わんでどうする」レベルの素晴らしい本・CDと感じる。