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「働き方改革」にどう対応するのか

2017年02月03日 20時34分39秒 | お仕事
安倍政権の下で「働き方改革」が唱えられている。

様々な施策案が打ち上げられているが、全体像は未だ不明確である。
ただ根本的には、
「少子化」「高齢化」から「労働力人口の減少」「国力の減退」に繋がりかねないので、
「少子化」「高齢化」しても労働力人口が減少しないようにする、
或いは「少子化」を緩和する、というのが
「働き方改革」の目的なのだろう、と考えている。

「働き方改革」の柱の一つは「ワーク・ライフ・バランスの実現」だろう。
「仕事と家庭の両立」というところだが、
従来のように(主に男性だが)「仕事だけ」の生き方ではなく、
「仕事と家庭を両立させられる」ように様々な施策が打ち出されている。
年次有給休暇の消化義務化、なんてのもその一環として位置付くのだろう。

方向性としては正しいと感じるが、
そのためには企業としても対応が必要な事項は多い。

まず、当該部署に従業員が一人しかいない、なんて小企業もある。
そこでその従業員が不在の場合にどうするか。
不在を想定し、他部署の従業員が最低限の代替が出来るようにするか、
従業員を雇用し、二人体制にしておくか。
或いはその日は休業してしまうか。

これは極端な事例かも知れないが、
従業員が常に出社している前提で業務が回っているケースはあるだろう。

また、複数従業員の場合でも、
仕事やタスクが属人化しており、
互いの仕事内容を詳細には把握していないケースが多い。
今後不在を想定すれば、
仕事やタスクの可視化、情報共有の必要度合が高まるだろう。
このあたりは「働き方改革」にとどまらず、
企業・組織のあり方にも影響を及ぼすのではないだろうか。

企業・組織のあり方への影響は
「働き方改革」の文脈で打ち出されてきた「同一労働同一賃金」で、より顕著になる。
「同一労働」と言うからには当該従業員の労働(職務・タスク)の内容が
明確でなければならない。
しかし、日本の従業員は単一職務を遂行するものではなく、
様々な職務・タスクを遂行する「多能工」的存在として雇用されているケースが多い。
また、特に「正社員」として雇用されている従業員の場合、
その時点で遂行している職務だけでなく、
今後様々な職務、異なる職務を遂行させる可能性がある、ということで
実際の職務に見合う額以上の給与になっているケースがある。
「同一労働同一賃金」を徹底すれば、
このような「可能性」は給与の対象から排除されることになり、その分給与は低下するだろう。

各時点での職務・タスクの遂行度合で給与を支払う、ということであれば
経年による「昇給」は成り立たない。
その時点その時点での職務に応じた給与が支払われることになり、
能力が低下し、価値の低い職務しか遂行していなければ
それに応じて給与も低下することになる。
現在の「新卒採用、定年まで勤務」の正社員については、
最初は職務に比して安い給与だが、生活の必要も踏まえて昇給し、
最後は職務に比して高い給与になり、
トータルでバランスがとれている、という発想の賃金体系になっているが、
ここにメスを入れる必要が出てくる。
新卒の給与は上げるが定期的な昇給はしない、といった体系が必要になるかも知れない。

また、職務を限定して雇用する傾向が強まる可能性もある。
新卒~定年退職ではなく、限定した職務・タスクを有した労働者が
複数の企業を渡り歩く傾向が強くなる。

このあたりは肯定的に捉えられる側面もある。
企業・職場を客観視し、
「24時間企業に所属する訳ではない」「過労死するくらいならば退職する」という
ごく当たり前の感覚で行動できる可能性は高くなる。
また、一度労働市場から退出した人も再度労働力として復帰しやすくなる。

ただ、「働き方改革」「同一労働同一賃金」によるインパクト、
企業としての要対応事項が少なからざることは忘れてはなるまい。
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2月2日(木)のつぶやき

2017年02月03日 01時02分40秒 | つぶやき
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