土曜日は南座へ。
右近が十五役早替わりをする、という「獨道中五十三驛」。
10時頃着き、昼の部の空席を見る。
3等ではあまり良い席も残っていなかったが、
2等を買う程の値打ちもないだろう、と考えて
後ろから2列目の席にした。
柱の側で、物を置けるスペースがあったりして
逆に悪くないな。
芝居は3幕構成。
敵討と家宝を取り返すために京都から東海道を下り、
道々スペクタクルがあったり、立ち回りがあったりする、というもの。
1幕目が岡崎で化け猫が宙乗りをするところまで、
2幕目は箱根の山中でお姫様が滝壺に身を投げ、
その功徳で仇討ちしようとする男の足が立つところまで、
3幕目は日本橋で敵討をするところまで。
心理描写がどう、という芝居ではなく、
単純に見て楽しんで笑えば良い、という代物。
最初芝居小屋の前の場面で、
右近が右近役で登場し、
「まゆまろ」なるキャラ
(「国民文化祭」とか云う胡散臭い京都のイベントの盛り上げ役らしい)と絡む。
愛知万博の頃に歌舞伎座で「膝栗毛」が掛かった時も
「モリゾー」だったかが登場したことを思い出した。
個人的には、元のイベントそのものが好きでないので、
それに引っ掛けたネタも好きになれんな。
「歌舞伎は現代に合わせてきた」とか、わざわざ言わんで良い。
猿之助歌舞伎を見ている人はそんなこと百も承知だろうし。
野暮ったいと思ってしまうなあ。
三条大橋の下で討たれ、そこから東海道を下っていく。
札の掲示が変わって宿場を下っていくのだが、
けっこう無理やりだなあ。
別に全宿場を出す必要もないと思うんだけど。
右近の若侍は別に悪くないが、
特に良いとも感じなかった。
まあ、別にそんなこと、どうでも良い芝居だと思うが。
岡崎の化け猫の場面。
少しグロに感じられるところもあり。
侍の嫁さん(鼠年ということで化け猫に食われたりおもちゃにされたりする)が
操られて跳んだり跳ねたりするが素晴らしい。
化け猫の宙乗りは流石。
これは2等、3等の方が迫ってくる感じで楽しめると思う。
「弥次喜多のおかみさん」という設定の女房2人が
この幕に限らず、舞台転換の合間に
説明したり客席を回って時間稼ぎをしたりする。
これはこれで、まあ、悪くない。
少しクドいかな、と感じるところもあったが。
静岡?の田舎家で少し早替わりをして見せるが、
「早替わり」がメインになっているのは3幕目。
「帯屋」を下敷きに10役くらい次々替わったり、元の役に戻ったり、
相手役に替わったりする。
だいたいタネは分かる(舞台で後ろ姿しか見せないことがあるのは、
他の役者がその間入れ替わっているからだろう)が、
早く着替えられるのはチームプレー故だろう。
上から見ていると、後ろを動いているところが時々見えることがあり、
そこは若干興醒め。
最後のカーテンコールもあまり違和感なく見られた。
全体的に、何も考えずに見て楽しめるものだった。
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