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乙女文楽の会@法楽寺

2010年04月11日 05時46分47秒 | 歌舞伎・文楽
昨日は南田辺で「乙女文楽」なるものの会がある、ということで行ってきた。
普通の文楽人形は3人で遣う訳だが、乙女文楽は独りで遣うという。
さてどうするのか、といったあたりへの興味など。

舞台の様子

「開口0番」(文太)
「黒髪」(吉田光華+福脇文渓)
「七段目」(文太)
「なすとかぼちゃ」(吉田光華)
「ワークショップ」(吉田光華+学生さん)
「うまや火事」(文太)
「桜舞」(吉田光華)


「黒髪」は、地唄で人形が舞う。
人形遣いの頭と人形の頭が糸で連動しており、それで頭を動かす。
詳細の仕組みは後に分かったのだが、
人形の耳の後ろに鎹のようなものが打ってあり、
そこに、先に金具が付いた糸を引っ掛けているようだ。
人形遣いはヘアバンドのようなものに糸をつけ、
人形遣いが右を向けば人形も右、左を向けば左、上を向けば上、下を向けば下、となるらしい。
上下ってどうするのか、仕組みがイマイチ分かっていないところもあるが。

「なすとかぼちゃ」はテープ?で曲を掛けてお多福のような頭で踊る。
頭は14,5あると言っていたかな。
私は「文楽」と言えば「義太夫で遣う」イメージがあり
(三業併せて「文楽」と呼ぶ、という印象)、
恐らく元々はそうだったのではないか、と思うのだが、
今はいろいろなもの(それこそ、邦楽に限らず)で遣うことがあるらしい。

最後の「桜舞」は、まあ、オリジナルなのかな。
「さくらさくら」とちょっとアップテンポの曲で踊っていた。

「ワークショップ」では、詳細な人形の仕組みや
歴史、どんな活動をしているか、といったお話。
三番叟のような足が活躍する演目は、
「乙女文楽」(人形の足は膝で遣う)では難しい、ということだった。
あと、今回はなかったのだが男役も、けっこう難しい気がする。
どうしても舞踊がメインになってしまうのかな、と感じた。
また機会があれば、他の役や複数の人形が出てくる演目も見てみたいと思う。


会そのものは「乙女文楽と落語のジョイント」なので、落語についても感想を。

「七段目」(文太):○-

マクラは「声を掛ける」の話や「犬を踏まえる」「タバコを買う」など。
「声を掛ける」はちと長いとも感じたが、
何となく芝居の雰囲気を伝えるためには必要なのかも知れない。

まあ、この人に合ったネタなんだと思う。
仕草よりも台詞の口調・リズムに重点があるようだ。
芝居がかりの台詞も、単に喋っているのではなく、
元の芝居の雰囲気が何となく出てくるところが良い。

最後若旦那が丁稚を突くのは余計だと思うが、
それ以外は特に入れ事をするでもなく、楽しくやっていた。


「うまや火事」(文太):△+

夫婦のマクラなど。

飛び込んできたおかみさん(おさきさん?)のハラがよく分からん。
最初から「自分が年上だ、捨てられたらどうしよう」があると思うのだが、
そこはイマイチ見えなかった。
小ギャグをつないでいく感じになっている。
兄貴分の「男に対して用事を言いつける、というのは聞き苦しい」といった科白は、
少し今時の感覚とずれるように思う。
入れなくても良いと思うが。

「猿の旦那」と聞くと「キャッキャキャッキャ」と思い浮かべてしまうなあ。

それなりにおかみさんの気持ちも出ていたが、
細かい心の動きや、皿を割る時の科白回しなど、
全体に江戸のものに及ばない感じがする。
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