朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
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文太・噺の世界in高津の富亭

2013年04月10日 09時14分45秒 | 落語・講談・お笑い


日曜は高津神社の「高津の富亭」へ。
風がまだ強かったこともあってか、20人程度の入り。


前説(文太)

雨男晴れ男といった話、
「落語教室」で白浜へ合宿に行った話。
難波からホテルの送迎バスが出ているんだな。
特にウケを取ろうと押す訳でもなく、淡々とした話。


「龍宮界竜都」(文太):△+

どこへ旅に行くか、といった家族の話からネタへ。

船の上での会話はごく普通。
リズミカルに運んでいく。
「考え物」で
「取る時に取らんと取らん時に取るもの」が「まわし」と言っていたのだが、
何故そうなるのか、よく分からなかった。
また、聞き返すところが少し多く、
ここは流れを損なっていたように思う。

フラスコに入って海中から龍宮、
代官との絡みからサゲ。
フラスコの揺れながら沈んでいくところの表現が
如何にも上方的で面白い。
踊りや絡みの仕草は如何にも「やっています」と見せる訳ではないが、
基本的な素養を持ちつつ、咄家らしく崩して作られている雰囲気が良い。

サゲは「猩々」ではなく、
「糸に捕まって上がって」のよく分からないサゲ。
どこかで亀の話になっていた、ということなのかな。
「猩々が酒好き」の説明が必要、と考えればそれは面倒だから、
確かにサゲに手を付けた方が良いのかも知れない。。


「高津の富」(文太):△+

「宝くじに当たったらどうするか」アンケート、
「共同購入」の話などを軽く振ってネタへ。

ホラ吹きのおやっさんの流れるような調子は流石。
「うへっ」と宿屋の亭主が受ける間が少し延びた印象があるのが勿体ない。

高津さんの境内でのうだうだ、
「二等に当たる」と言い出すのに対する周囲の反応は、
もう少し「何を突拍子もないことを言っている」というものでも良いと思う。
さらっと始まってしまった感じ。
ノロケに入ると、強弱や緩急が良くゆったり聞いていられる。

富くじを突き合せていく場面や、
当たった後の震えや喜び方は、少し雑に感じた。
思いの変化や「もしかして当たっているのでは」という期待が滲み出すところ、
或いは当たって「手に付かない様子」は
丁寧に描いていく方が好み。

おやっさんが当たった金を惜しんで
「半分なんて言わなんだら良かった」といった台詞を繰り返したり、
「半分と言えば10両」などと少なく言ったりしているが、
この良し悪しは微妙なところ。
江戸でも柳家のように「5両でも3両でも」といった「惜しむ」台詞を一度だけ入れて
ウケを取っているものもあるし、
上方の人間としては当たった金を出し惜しむのは自然な感情ではある。
ただ、おやっさんの「実際には一文なしだが虚勢を張っている」という
人物設定を貫徹する、と考えると
お金を惜しむ台詞は入れない方が良いのでは、とも思う。


「強情灸」(眞):△+

痩せた、といった話から同級生との話から強情な男のネタへ。
良い入り方。

相変わらず素人っぽいというか、落研っぽい。
「女にもてたい男」がベースになるネタで、
女性落語家としてそこを出すのは少しハンデがあると思うが、
ストレートに出ていてそれは悪くない。

全体に表情を付け過ぎている印象。やや不自然。
普通にさらっと喋るところは喋った方が、
表情を付けた部分のアクセントが付くと思うのだが。

「関口の隠居」とか言っていたので、
塩鯛等のざこば一門から持ってきて演っているのだろう。

灸を二の腕(上腕二頭筋のあたり)に据えているように見えるのだが、
後で払うことや熱がっている表情の客からの見え易さを考えると、
普通に前腕に据えたら良いのでは、と思う。

「灸が効いた」といったサゲ。
「強情」を貫徹する従来のサゲの方が、
このネタの全体の流れに一致しているし、好み。
また、このサゲにしても、
そこに至る流れやサゲの言い方など、もう少しすっきり進めて欲しい。
ごちゃごちゃと台詞が多くなった印象。


「悋気の提灯」(文太):○-

悋気・焼き餅の話を少しと小咄を幾つか。
特に艶笑がかったネタは
設定や一言一言の台詞を丁寧に吟味する必要があると思う。

好きなネタだが上方であまり演られていないので、
それを掛けてもらえたのが嬉しい。

旦那と本妻の会話から入る。
話に出てくる「お花」が二号だ、と
最初からは分からない人もいたのではないかと思う。
説明は難しいところで、「色々な意地の張り方がある」とか
ネタのテーマをバラしてしまうのも嫌だが、
「本妻と二号さんとがそれぞれ髪の毛を抜く」のような
意地を張り合う小咄をマクラで振る、くらいは必要かも知れない。

本妻と二号さんが意地を張って「向こうでお泊りを」と言う。
相手の言いなりになるまいとする、といったところが
感情のベースになっているのだろうが、
そのあたりのそれぞれの「理屈」があまり見えなかった。
「押し付け合っている」状況が作られているだけ、という印象。
それもあってか、旦那が本妻や二号さんに何か言われた際に
「そういうものなの」と返している台詞にやや違和感があった。

全体に権助の台詞が多く、
権助の台詞と旦那が振り回される状況の両方で
同じようにウケを取ろうとしているように感じたのだが、
権助も旦那と一緒にやはり振り回されている訳で、
その振り回されている状況の中で
副次的に「くすぐる」程度で良いのでは、と思う。

叩く時に「凍え死んでしまう」と繰り返す。
「寝かせて欲しい」程度の辛さで良いと思うし、
季節を限定することもないだろう。
振り回される部分のスピード感、間やテンポは良かった。
サゲ直前やサゲの台詞は少しごちゃごちゃしたように感じた。
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