
先々週の日曜は、久し振りに落語会に行ってきた。
半年ぶりくらいか。
近くの教会での出丸師の会。
入場料が上がってきている今日、1,200円の落語会はリーズナブルと思う。
「まんじゅうこわい」(小鯛):△+
マクラは地方の落語会で苦労した話。
面白いけど、何となく地方の余興でやるようなマクラやな。
ネタの長さやサゲはこんな台詞です、といったところを最初に言うのは
邪道だし、この人はそんなことせんでもいいのに、と思う。
ネタは、まあまあ丁寧にやっている。
好きなもの、怖いもの嫌いなもの、
怪談も一通りやってサゲまで。
このネタ、「嫌いなもの」を言っている内に
いつの間にか「怖いもの」の話に移っていく訳なんだが、
そのあたりがどうもしっくり来ない。
若い連中が集まってのワチャワチャなのだが、
1対1がそれぞれ続いている感じで、
連中が集まっている雰囲気が弱いためかも。
みっちゃんのちょっと浮いた(嫌みな)感じも
もう少し出て欲しいかな。
「花筏」(出丸):△+
マクラは「八百長」を巡る話。
積極的に勝ちにいくよりも「落ちないための互助組合」というのは
なるほどねえ。
ネタに入ると、相変わらず若々しい。
たぶん出丸の「花筏」って20年位前に見ていると思うけど、
良くも悪くもあまり変わらない所が凄い。
相変わらず親方や網元も重々しくなく、
提灯屋は軽くて良い。もう少し重量感は欲しい。
今まで気になっていなかったのだが、
勧進元の一人である千鳥ヶ浜の父親は、
千鳥ヶ浜が花筏と当たるのを取組が決まった段階で知っているのではなかろうか。
まあ逆に、「腹は既に立てており、喜んだ千鳥ヶ浜に改めて叱る」みたいな
設定もあり得るかも。
千鳥ヶ浜がまわしを締めている話を仕込んでいないが、
まあ、なくても良いかな。
サゲまできっちりと進めていた印象。
「徳さんが焦るところ」「それを受けて千鳥ヶ浜が焦るところ」は
もう少し緊張感が欲しいけど、
サゲでウケていたので緊張感は充分伝えられていたのかも知れない。
「蛇含草」(文之助):○-
政治ネタなどを軽くマクラで。
強くメッセージを込めず「いじる」程度の辺りが流石。
ネタは全体にあまり暑苦しくなく、さっぱりしていた。
言うべき科白(砂糖のアンペラなど)はきちんと言っている。
ただ個人的には、喋り方や当事者の空気感など、
もっと暑苦しい方がこのネタの真夏の雰囲気に合うような気がする。
その方がこの家の「涼しいもの尽くし」も効いてくるだろうし。
最初に男が扇子で仰ぎながら入ってくるのだが、
袖口のところを摘まんで風を送り込んでいると、
「甚平1枚」と合わない気がする。
もっとダイレクトに体を仰いだ方が良いように思う。
餅を食べる場面、
そもそもクソ暑い中で火を起こして餅を食べる、
というのが矢鱈暑苦しい設定なのだが、
そこが然程暑く感じられない。
季節的にもまだそこまで暑くないからリアルにならないせいかも知れない。
餅が体に詰まるところはリアルで良かった。
「鼻の穴や耳の穴から」の「穴」はない方が自然かも。
詰まっていると言葉数が減るだろうし、「穴」言わなくも伝わるし。
サゲは言葉で。
個人的には仕草で落とすのが好きなのだが、
彼の芸風ならばさらっと言葉で伝えた方が良いかも知れない。
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