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「月刊社労士(2014年4月号)」より

2014年04月29日 15時40分16秒 | お仕事
今月も「月刊社労士」が届いた。
個人的に印象に残ったもの、
社労士以外の方にも関係がありそうな記事を紹介したい。


1.労働社会保険の提出代行と事務代理

2.解雇法制をめぐる改革論議(神戸大学・大内伸哉教授)

3.改正が進む産前産後休業期の社会保険実務について(東京会・佐佐木由美子社労士)


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1.労働社会保険の提出代行と事務代理

社労士の業務の中心となる
労働社会保険の「提出代行」と「事務代理」について。

・提出代行:申請書類等の提出に必要な一切の事務処理を事業主や申請主等に代わって行う行為。
 行政機関等が受理するまでの必要な行為であり、
 「必要に応じて行政機関等に説明を行い、質問に回答する」
 「提出書類に必要な補正を行う」などの行為も含まれる。

・事務代理:申請・届出・審査請求・異議申立て・再審査請求等の事項について、
 行政機関等が行う調査、処分に関する主張・陳述について代理する行為。

いずれも労働社会保険諸法令の専門家である社労士が、依頼者に代わって行うもの。
これらの事務を行う際には、資料等の照合によって事実確認をしっかり行わなければならない。


※このあたり、ともすれば忘れがちだが、
 きちんと認識して手続を進めていきたい。


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2.解雇法制をめぐる改革論議(神戸大学・大内伸哉教授)

日本の解雇ルールは労働契約法第16条の
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、
 その権利を濫用したものとして、無効とする」である。

このルールの「不明確性」と「硬直性」の改善を求めている、というのが
「解雇法制を見直すべきである」という意見の背景である、と指摘。

・不明確性:どのような場合に解雇が権利濫用で無効となるか、
      経営者・労働者から分からない。

・硬直性:解雇が権利濫用となったときの法的効果が「無効」であり、
     解雇された労働者の原職復帰という解決方法しか定められていない。

その前提で、「硬直性」に対して「解雇の金銭解決」を示している。
その根拠として、
無効となった場合でも現実には金銭解決が多数であること、
外国法でも一般的であること、
金銭解決が妥当でない場合(不当労働行為事件の場合など)は
原職復帰命令が妥当であること、などを提示している。

そして解雇法制を「雇用維持型から雇用流動化へ」という
産業構造の変化の流れの中に位置付ける必要があると指摘する。
また、解雇の金銭解決については補償額をどのようにするのかが難問であるが、
一つの案として「企業、事業場レベルで労使協定により額を設定していく」方向を提示している。


※個人的には、首肯できない点が多い。
 特に「雇用維持型から雇用流動化へ」の流れを自明なものとして肯定して良いかどうか。
 マクロレベルではそうかも知れないが、
 ミクロレベルで個々の労働者を見た時に、
 「この産業が衰退しているから」という理由で他の産業に移れ、というのは
 労働者を「労働する機械」として扱う発想ではないのか?
 そこではその産業で経験を積んできた事実やその産業でのスキルといった要素を無視しているように見える。

 また、「企業、事業場レベルで労使協定により額を設定していく」という発想も、
 現状の労使の力関係を考えると妥当とは思えないなあ。

 まあ、経営者にとって有難い労働法学者の意見、ではあるだろうけど(笑)


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3.改正が進む産前産後休業期の社会保険実務について(東京会・佐佐木由美子社労士)

平成26年4月から施行される「産前産後期間の社会保険料免除等」に伴う実務についての解説。
特に、産休中の社会保険料免除についての実務。

平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了する被保険者については、
健康保険・厚生年金保険の被保険者・事業主分とも免除される。
そのためには事業主が「産前産後休業取得者申出書」を管轄の年金事務所等に提出する必要があるが、
この提出のタイミングが問題になる。

(1)出産前に保険料免除を申し出た場合
 この場合、実際の出産日が予定日と異なる場合には、産休期間が変更になるので
 「産前産後休業取得者変更(終了)届」を産休期間中に提出する必要がある。
 出産予定日通りに出産した場合には提出する必要はない。

(2)出産後に保険料免除を申し出る場合
 (1)に比べてシンプルに手続を行うことができる。
 ただ、出産から産休終了日までの期間が短くなるので、
 被保険者本人と事務担当者がうまく連携をとる必要がある。
 そのためには、事前に打ち合わせをしておくことが望ましい。


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