カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

金利はやっぱり上がるのだろうか?

2023-10-18 | 時事

 長期金利の上昇を受けて、固定金利が少しだけ上がっているのだという。一般的な住宅ローンの借主は、ほとんどは変動金利を利用していると言われる。ネット銀行などは、超低金利で貸し付けており、言っちゃあなんだが、金利はタダの状態に近い。そのようにしてお金を借りてしまっている人々には、少しの金利上昇の兆しが見え始めただけで、かなりの不安に陥ってしまうものらしい。もちろん僕もその一人ではあるのだけれど……。
 お金を借りたら返さなければならないというのは、別段ユダヤ人が発見しなくとも、誰かが何らかの形で課しただろう発想だと思う。いかにも人間らしいものごとの捉え方だからだ。物々交換であっても、等価であるから行われるというよりも、どちらかか、どちらかともに、これを価値以上に思っていたから行っていたものと言える。場所によっても、ものの交換率は違ったはずで、それは貨幣への考えの基本となったことだろう。ものの価値が貨幣と交換できるようになると、ものよりも交換可能な貨幣自体を貸し借りするということが行われる。それに時間を掛け合わせて金利を編み出すところに、確かにしたたかさを感じさせるところがある訳である。貸した金以下の回収しかできなければ商売にならないので、貸した金以上はかえってこなければ貸す意味がない。超低金利だからと言って貸した以上は返してもらいますからね、と約束させられていることに変わりがない。もっとも貸し倒れは貸した側が最も恐れることでもあるから、そのあたりのさじ加減を考えると、借りている方もいくらか心理的な防衛ができるのではあるまいか。
 報道にあるように国の長期金利の上昇を受けて、固定金利のみが連動をみせている訳だ。貸している側が独自に金利上昇をさせる可能性は、極めて低いのではないか。超低金利でも利益を出しているところを見ると、相当の資金を相当の広い範囲に貸し出していることは間違いない。利幅が少なくても、ネットなどのコストを掛けずに貸し出した資金をバラまいていたわけで、それらが少しでも焦げ付いて回収が滞ってしまうと、そのためのコストがさらにかかることになって、やっぱり金利を本格的に立て直して上げるようになる、ということも無いではない。借りている方がむやみに動揺せずに返していけるようなら、大きな金利変動へと動きにくくなるものとも考えられる。まあ、そうあっても欲しい訳だが。
 今のところ変動金利においては、あまり反応していないように見える。それだけ資金はだぶついているわけだが、そうするとひょっとすると、というのはバブルがある。限界が来るまでは調子がいいのは間違いなくて、はじけると一気に上昇し、次々に破綻してしまうことになる。考えにくいことだから、皆が考えないだけのことで、そうなっていないことを祈っているしか、ないのかもしれない。少なくとも借りている期間が終わるまでは……。
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合理化を突き詰めて考えるとどうなるか

2023-09-29 | 時事

 日本の農業の危機なのだという。米をはじめとする農産品の価格は上がらないまま、経費がかさんでいるためである。肥料は7割、燃料は5割、畜産関係の飼料が3割、高騰しているという。さらに生き残りをかけるために大規模化した農家も、設備投資の負担がのしかかっている。肥料を減らすと収量が減ってしまう。しかし経費がかさんで利益が出なければ、結局は赤字を増やすだけになる。必死で耐えたところで、その先に明るい兆しが見えない。そうすると後継者に継がせるわけにもいかない。離農廃業する人が続々増えていく。作り手の高齢化と、離農者が増えることで、田んぼや畑は荒廃していくばかりなのである。
 問題は深刻なのだが、価格に転嫁できないのであれば、確かに壊滅を待つばかりになるだろう。今のところ燃料などに助成金を出して、延命させるより処置しようがないのだろう。これまでも日本の農業には問題が山積していたこともあったわけで、今回の状況によって、日本の農業は事実上壊滅する可能性もあるということかもしれない。
 結局は助成金頼みでしか解決の道が無いのだろうか。もちろんこれまで通りのやり方を続ける限り、もう道は少ないということだろう。
 ということもあり、逆に有機農業へシフトする動きもあるという。有機農業によって化学肥料を減らし農薬も減らせる。しかしながらこれまでも有機農業の取り組みはあったはずで、実際にチャレンジすると、大変な労力を必要とし、採算が合わないとも言われていた。ところが今度の有機農業のやり方はちょっと科学的な取り組みで、これまでとは違うものなのだという。
 まず土の成分を分析して、その土地に足りないものを最小限足すことはするのだという。一般的に窒素、リン酸、カリウムが農産品の育成には欠かせないとされていて、肥料というのはそのような成分を配合して作られている。その中の足りないものだけを補充するので、それだけでも経費を抑えられるわけだ。またその成分の生成においても、再利用で作られている安価な肥料があるといい、そうしたものを適宜上手に利用することが重要ななのだという。これにより収量を減らすこともなく、これまで通りかそれ以上生産を行っている農家も出てきているのだという。
 非常に合理的なのだが、このような動きが本当に広がるのかどうかである。有機農業というのは、農家仲間からも嫌われる傾向もある。農薬をあまり使わないというのは、虫や病気の発生を止められないこともあるからである。そのようなものを近所の田んぼや畑で呼び込むようなことになると、被害が広がってしまう恐怖もある。それだから農業というのは、一定の協力のもと、同じように農薬を使うというのが、暗黙の了解にもなっている。水の問題もあるが、一つの農家だけがチャレンジすることはハードルが高いのである。
 しかしながらこのような危機を迎えて、いわばそれ以外に選択の余地がなくなったために、協調して有機化が進んでいく可能性があるのかもしれない。そうであるならば、日本の農業の大改革起こるという事もあるのだろうか。
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一度全部壊れる必要がありそうだ

2023-09-12 | 時事

 いわゆる「#Me Too」運動のさなか日本でも枕営業は芸能界に普通にあるらしいことは言われていて、本人がそうでも問題はありそうだが、いわゆる強要して役をちらつかせるようなことをしている人は相当いるだろうと考えられた。実際にそれで干された映画監督なども何人も出た。キャンセル・カルチャーには行き過ぎたものも多くて、必ずしもすべて同調できるものではないが、人気稼業にはそもそも機会が無ければどうにもならないわけで、人間がそれらを選好する以上、そのようなことは繰り返される構図になりやすいと思われる。それでいいとは言えないが、だからこそ表面化した場合、それなりの社会的な制裁が科されるという事になったのだろう。
 しかしながら表面化するには、今回のように顔出しをした告発が必要そうで、非常にハードルが高い。いわゆるセカンドレイプといわれるような苦痛を伴う代償が必要になるという事だろう。被害者のそもそもの心の傷もあることであろうし、今の生活もある。被害にあったにもかかわらず、あの人とどういう事をしたという事が、まことしやかに広がることになるのである。多くの人が泣き寝入りする現実があるのは、ことが大きければ大きいほど、それらの苦痛の大きさにあるとも考えられる。首謀の本丸の死後にこのような騒ぎになったのは、いろいろと事情はあろうと思われるものの、基本的には被害者の苦痛の大きさと社会問題化するだろう影響力の大きさにあるという事になるだろう。
 結局そうやって本人は逃げ切った後に、それらをかばいながら隠し通してきた人たちに責任が転嫁されたことになる。僕はこのような世界に何の興味もないので、実際にはどうでもいい事なのだが、しかしながらタレント事務所とテレビ業界の癒着というような構造がこの度かなり明らかになって、はっきり言って腐りきっている日本の社会構造の縮図でもあることが、理解できたわけである。社畜として内部に抱え込んで奴隷化する構造は、タレント業界でも日本の会社でも、そんなに違いはないのではないか。
 しかしながらこれだけのハラスメントがまかり通っていた(さらに業界で公然と隠蔽していた)というスキャンダルが表面化したにもかかわらず、その構図が生き残ることには、かなりの問題があるのではないか。どのように保障していくのかというのもあるし、体質を改善したのちに、そうして再発防止のためにどのように監視するのかという問題は、今の対応を見る限り道のりがあまりにも程遠いように感じられる。他にも似たような芸能グループはたくさんあるようだし、それらも業界で抱え込んでいる構図が残っている訳で、今のプロダクションとテレビ業界の在り方まで変えない限り、再発防止は不可能だろう。クラブ活動みたいに見えている芸能社会には、今も少なからぬ被害が残っていないはずが無いのである。
 結局はタレントを守って闇を作らないためには、もっと大胆な再構築をやるよりないのは間違いない。もっともそんなことが出来る業界なのであれば、こんな問題にもならなかったのかもしれないが……。
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政治的な揺らぎ問題では無いのかもしれない

2023-09-06 | 時事

 平和教育の教材でもあった漫画の「はだしのゲン」が削除されたとして、波紋が広がっているという事であった。平和教育の副教材として使われてきた歴史がある訳だが、効果的とする意見が半数以上を占める中にあって、検討する会議においては削除の方針が決定されたという。理由としては当時の子供が浪花節を歌うシーンがあるとか、池の鯉を盗むなど道徳的に不適切な部分などがあるためであるという。戦時中の特殊で貧しい時代背景にあって、説明の上で伝えることは可能であったという教員の意見もある中で、会議の上ではそのような諸々の理由での削除決定がなされたことへの疑問の声があるということなのだろう。
 「はだしのゲン」という漫画の平和教育においての有効性というよりも、これはおそらく政治的な配慮のうえでの判断があると匂わせてあった。はだしのゲンの内容の中には、天皇の戦争責任の言及など、左翼的な意見なども散見されるものである。歴史の事実に反するものも、内容の一部にはあるという指摘もある。そもそも左翼的な政党や団体などの支持もあって、平和教育の教材に使われるようになった背景もありそうだ。長らく教育現場においては、そのような勢力の方が強く、それらに対しての批判はずっと続いていたと考えられる。では、今度は右翼的な団体の勢力が強まったのだろうか? そういう懸念をもって問題視する声がある、というのだろうか。
 ところが事情は少し違って、そのような右翼的な圧力がまさったというよりも、そもそも平和教育に対する重要性が下がっている現実があるということらしい。教えている教育現場においては、むしろこの問題に冷めている教員の方が多数派なのである。そのようにして決められたのであれば、それはそれでいいとする許容派の方が多いのだ。むしろ日常の業務の忙しさの方に関心があるのであって、子供に教える内容には関心が薄れている。その為にこのような問題に言及して抵抗するような流れにはなっておらず、そうであれば事勿れ的な配慮によって、いわばなんとなく削除の方向性が決められてしまったということのようだ。
 政治論争に巻き込まれるような題材を使い続けるようなリスクよりも、別のものでも可能であるということの方へ、シフトしているということだろう。
 僕らの子供のころにはだしのゲンが教材として使われていたかはよく覚えていないのだが、子供時代にこの漫画を知らない人はあまりいなかったとは思う。平和教材として知っていた訳ではなく、いわゆる戦争ホラーとして、子供たちはこの漫画を回し読んだ。戦争描写の残酷さは際立っていて、多くの人たちが最大限に苦しんで死んでいく。この漫画がトラウマになったというような意見は、ふつうに聞かれることだった。原爆で火傷して皮がむけた腕を前に出してゾンビのように歩く人々とか、とにかく水を求めて苦しんで死んでいく人々というのは、おそらくこの漫画によって常識として僕らは知っているはずである。そういう意味では、本当の原爆の恐ろしさや、戦争の愚かさは「教育的」には学んだことかもしれない。かなり強烈ではあるが、作者の実体験をもとに描かれているだろうことは間違いなさそうで、それは漫画としてのデフォルメがあったとしても、戦争を伝える人間の真実があると考えていいのではなかろうか。本来はそこが教材としてふさわしいかどうか、ということのようには思う。
 しかしながらこのことは、政治的な対立の終わりの始まりなのかもしれない。そのような対立軸に使われてきた「はだしのゲン」という存在の役割が終わったのかもしれない。それが今の時代の政治的な「正しさ」としてどうなのか、ということを考えるべきなのかもしれない。
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風評が楽しいのは、いじめっ子だと思っているからか

2023-08-27 | 時事

 10年にもわたって勝手に保留していたものにもかかわらず、やってもよかったという何でもないことを先送りし続けて、しかしそんなことをやっても他にもっと深刻なことがあって逃げられない状態になってしまって、そうであるにもかかわらず理解はされない一部のものがいる限り、結局は問題になる。というか、風評被害だとわかりきっているにもかかわらず、騒いで風評被害を広げているという事実がある。それに対しては莫大な金がかかるし、その負担は、結局は受益者が払うように先々ではなるという事にもなるし、その損害は、風評批判を起こした側は一切負担はしないのである。要するにそれはいじめであるだけのことで、被害が起こりえないことが分かっている事象に対して、被害を作り出す構図をあえて作り続けているだけのことなのである。それが風評批判というもので、いまだに議論が足りないから、もしくは十分ではないなどと言って逃げている訳で、じゃあこの10年は何だったのだろうか。
 そうであるから騒いでいいという構図に乗って、圧力をかける国はある。自分たちのやっている事よりもはるかに小さいことに対して、それは今は日本のほうが騒ぐだろうという事を見越したうえで、困るだろうという一点に絞って圧力をかけている。卑怯極まりない愚劣な行為だけれど、それを批判する側が同調するに違いないからやっている。いじめている外側だから何の問題もないことが分かっている。いじめられている側が、何らかのことをしない限り石を投げ続けても何も言われない。だから投げ続けているだけのことである。一言やめろ、というか、何やってんの? と反撃する人もいない。ちょっとはいるが声は小さいし、聞こえないふりさえしていれば、何にも悪くないので悪ふざけをし続けるだけである。その上に、悪ふざけをやめるために、かえってお金をもらえるかもしれない。結局そういう論理に近いものであろう。
 問題ではないものだから、せめて一面で報道をやめるだけでいいかもしれない。そもそも問題にする意味さえいじめのため以外にない。日本という国は、困る人にはいじめていいという事を卑劣に続けることを実践する、卑怯者国家である。そういう心根の貧しい人々の集団が日本国民のようである。そうでないというのなら、即刻やめるのが筋であるだけだ。しかし、そんなことは卑怯者にはできはしない。だから10年も先送りし、さらに伸ばしていじめのお祭りを続けようとする。これを愚かと言わずなんというのだろう。
 もちろん実際には何も起こらないのだが、小さい不関連な出来事が、それらしくあるようなことを子細に確認し続ける人々が群がって何かを見つけ出そうとするわけで、そういう期間が、またしばらく続く。貧しい人々が行きつく先というのは、つまりそういう先送りの行く末なのだろう。その船に乗っている自分のことを、呪うより外にやり場が無いのである。なんでこんな国に生まれてきたのだろう。親ガチャだって? その前に日本だろう。
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やってはいけなかったことが発見された!

2023-07-31 | 時事

 連日ビッグモーター騒動。最初は何のことかと思っていたが、いろいろ解説してくれる人が多くて、というか、今の話題がこれ中心になっていて、どんな話もビッグ関連になっていく感じだ。皆さんなじみのある会社であるらしいことと、それなりに思うところの多い問題なのかもしれない。
 面白いと感じるのは、僕は新聞くらいしか情報源が無いが、メディアのほうは怒っているニュアンスが強いのであるが、一般の人というか、僕の周りで教えてくれる人の反応は、結構面白がっていることである。ずいぶんへんな会社があったもんだなあ、と僕が言いうと、たいていの人は「いやいや、これ、どこでもやってるでしょ!」というのである。さすがにここまでやってた会社は特殊な感じだとは思うものの、皆さん最初から織り込み済みで信用してなかったのか? そういう反応に二次的に驚いているのだが、そうするとこれは、やはり他にもあるある問題であると考えてもいいのかもしれない。
 僕は一度だけビッグモーターには行ったことがある。多良見店だったと思う。それは単純に車を見に行ったのである。広い敷地にたくさんの車が置いてあるんで、見本として見に行ったというのがある。現物を確認して、知り合いの業者に頼んでその車種をオークションで買ったのである。利用してすいませんでした。若い店員さんの感じも良くて、マニュアルで鍛えられてるなあ、と思った。たぶん歩合制なのではないか、と思った。
 しかしまあ、このような中古車販売店は、値段が高いことは情報としては知っていて、最初から買う気はなかった。いろいろオプションがついてきて、場合によっては新車より高いともいわれていた。しかし客は、ここで喜んで買うのだ。そういうのって面白いな、とは感じていて、人というのは、やはり対面情報に価値を見出しているのかもしれない、と考えていた。
 今回の騒動で、この会社は相当のダメージを受けているはずである。自業自得じゃないか、と言われればそうかもしれないが、この影響で大きく利益を得るところがあるはずである。必死でたたいているところは、そういうところを考えているのではないか。
 また、先に紹介した、「どこでもやってる」のではないか、という感じ方というのにも、おそらく根拠がある。せっかく修理をするのなら、ちゃんと保険を使いたいと考えている顧客がいるのではないか。そういう要望と、会社の利益は相関する。そこに普通は保険会社は立ちはだかるものだが、そこにも顧客獲得の誘導が働いたとすると、まあ、納得しやすい。ことは案外単純なのである。だからその分かりやすさとして、辞任した社長の発言は信用されないわけで、しかし認めると裁判でひどく負けるという将来のことを考えると、ああ言うよりない、というのも分かっているのだ。
 要するに茶番であるわけで、やっぱりそうだったんだな、という通りのことが、次々に明るみに出ている訳である。そうして街路樹が枯れていたりして、行政まで絡んだような問題になった。もっと叩いて懲らしめなければ、という事である。大衆の快感のために、ものすごく適当な存在が立ち現れている。やくざ国家日本の、見本のようなやっちゃった会社が、今崩れ落ちている過程にあるのであろう。
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ロシヤの動きに期待すると……

2023-07-14 | 時事

 ロシヤのプリゴジンという人の動きがよく分からないのだが、なんとなく手打ちに済んだということになっているという。それでベラルーシに行ったと言っていたが、しかしロシヤに留まっているともいう。贅沢な暮らしぶりだったという家の映像なども暴露されていて、おそらくロシヤ政府はプリゴジンの悪者としての世論操作をしているらしいともいう。それは裏返せば、それなりに国民的な人気のある人である可能性もある。そもそもプーチンとも仲が良かったから信頼もされていたフシがあって、仲間割れというか、内輪喧嘩だったのかもしれない。そういうものであったにせよ、ロシヤのプーチン体制が一枚岩ではない可能性が示唆されたわけで、これに西側が大きく反応しすぎているかもしれない可能性がある。できればロシヤが内部崩壊してくれたら助かるからである。少なくともプーチンは、かなり誤った行動を取ったということが確定したのであって、そのまま西側はプーチンと付き合い続ける道が絶たれてしまった。それはそれでいいと言えないところが地政学的な諸事情であるので、この戦争を止めることと相まって、その後の展開もある程度道筋をつけたいところである。今のところ、すべてがそれ以前の話になっており、たいへんに不安定だ。なんとか核戦争にはならないようにという制約付きでウクライナに頑張ってもらって、最終的には和平を結んで欲しい訳だが、ウクライナの国内だけでの戦闘に留めたうえで、なおかつある程度ロシヤが納得する和平案というのが本当にあるのか疑わしい。ロシヤとウクライナは、衝突する前線で均衡しながら、しかしロシヤは時々ミサイルを他のウクライナの都市部に定期的に打ち込んで不安をあおっているとしている。厭戦気分を醸成させて、政治的な転覆も図っているのである。ということは、長期化させる構えがあるということになる。なんともやりきれないが、ウクライナが勝ちすぎると核の脅威があり、西側はおびえるばかりなのかもしれない(それは我々も同じだが)。そうすると、ロシヤ内部の崩壊頼みということになって、今回のワグネルの動きに、それなりに大きな期待と可能性が無いのかを、考え出したということになる。
 さらに今回個人的に驚いたのだが、ロシヤには軍事的な民間会社がいくつもあるということだった。数十あるというし、90くらいあるともいう。少なくとも40くらいはロシヤと関係する様々な国へ派遣されてもいるし、この戦争でも駆り出されているという。プリゴジンという人は、その中でも特に大きめなワグネルだけでなく、数十社と関係があるという。プリゴジンは、ときどき刑務所に出向いてリクルートして傭兵を集めるとされているので、要するに民間の軍事会社に入ると恩赦のような制度があると考えられる。どのような刑の人が選ばれるのかはまではよく分からないが、軍人とはいえ外に出られるうえに、それなりの魅力が無ければ、要請に応じないだろう。ウクライナでは激しい拷問をしたり強姦を繰り返す兵隊が多いらしいことからも、そういう類の囚人が多いのかもしれない。まったく迷惑な話である。そうしてこういう会社には、ロシヤが雇うのでそちらからの資金頼みであることは間違いないが、さらに民間の会社、例えばガスや石油会社が資金を提供しているとされ、それは警備会社としてでなく、ということを考えると、いったいそれはどういうことなのか。もちろんそれらの会社はロシヤ政府とのつながりの中で資金を出しているということかもしれず、そうなると税金のようなものとも考えられるが、ロシヤという国の仕組みというのは、やはり日本のような国の予算の使い方とは、考えられないくらいの違いがありそうだ。いちおう選挙はやっているようだけれど、一人一票で多数決というものですら、おそらく違うのではあるまいか。
 プーチンは、我々からするとふつうに悪党だが、失脚すると、おそらく命の危険があることだろう。それはおそらく家族や仲間を含めてのことであろう。まるでヤクザの一族だが、そういう人でないと率いることができない国家が、ロシヤなのかもしれない。そうなると、次に出てくる人は、プーチンより強い人かもしれない。まったく頭の痛い事ばかりなのである。
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信用できないのは、人間の方だから

2023-07-09 | 時事

 マイナンバーカードの騒動を見ていると、なんというのだろう、ほとほと疲れるというか、コロナもそうだったかもしれないけど、何か敵がみつかると一定の人というのは興奮するのが分かる。確かに問題あるよなあ、という感じなんだが、中身を見るとたいしたことは無い。ヒューマンエラーなので問題が無い、という説明の仕方に引っかかるものが無いでは無いが、確かに信用できないのは仕組みではなく人間であるらしい。ということで信用が傷ついたということは言えるにせよ、それは説明を理解できるならば、なんだそういう事か、ということに過ぎない。それくらいのエラーは当初から折り込み済みというか、起こりうることだったというのであれば、妙に絶対安全だとか言わなければよかった問題、ということなのだろうけど、そんなこと言うと最初から通らないので、結局まずい対応に追われているということなんだろう。日本は人口が多い国なので、一斉に何かやろうとすると、特に各人の同意を取ろうとすると、そもそも何もかも不可能になるというだけのことなのだろう。
 ということで、そういう経過を経ながらも、特に騒いでいる人にとっては、いったい何の意味があるのかさえ分からない。あなた個人の問題と何ら関係すらありゃしない。関心があるのなら、どうしてそういうことは気にしないのだろう。
 まあ、過去には反対した有力な政治家もいたわけで、それは脱税をしていた金丸さんのような人だったわけで、そういう人は確かに怖いよなあ、というのは分かる。そもそも(金を)持ってない人が、何を怖がる必要があるんだろうか。税金をちゃんととって公平にする基本の制度なので、準備には苦労はあろうけど、そういう悪を逃がさないためには、なんとかのりきって活かさなければならない苦難の路なのである。税の使い道には厳しくなる可能性はあるので、それを嫌うという心情というのであれば多少は分からないではない感情だが、政治家以外の人が、それも市井の人たちが、この制度を嫌う必要があるはずが無いのである。今の扇動に乗って不信感をあおられているのだというのは分かるが、それは単に自分の理解力が足りなくて、それらの悪い人たちのカモになっているに過ぎない問題だ。搾取される方が、搾取する側を援助するなんてことは、悪い冗談としか言いようがない。
 ということで、サクサク進んで次に行きましょう。
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台湾有事は起こりうることなのか

2023-06-10 | 時事

 台湾有事が取りざたされて、日本は難しい立場にある。何しろ近いしお隣だし。関係も悪く無いので、とうぜん日本は台湾の側に立たされる。そうすると中国と対峙して戦わざるを得ないことになる。後方には米国がいて、事実上の中米戦争になるということになろう。
 そういう事が起こる理由として、そもそも中国は朝鮮戦争の勃発する二日後だかに、台湾に侵攻する予定にしていた過去があるとされる。実際朝鮮戦争に軸足を取られ、当時の同盟国であるソ連と足並みを揃えるしかなかった。多くの力を使ったために、台湾進攻は先延ばしされつづけたということだ。
 しかしながら時代は変わってきた。台湾は中国よりも先に大きな経済発展を遂げ、小さな存在ではなくなった。国土は小さいが、ヨーロッパの国と比肩しても小国とはいえない存在である。同盟関係の国々も数多く、中国が圧力をかけて国と認めさせないでいるだけのことで、存在感は十分に大きい。同じ漢民族がまじりあっているうえに言葉も通じる間柄だが、さらに経済的にも結びつきは強くなっているにもかかわらず、政治的には対立を強めている。
 もっと大きな問題になっているのは、ほかならぬ中国そのものが巨大国家になりすぎていることである。既にアメリカと実際にがっぷりと対峙する存在になった。もともと巨大国家であったのだが、近代はずっと寝ていたために取り残されていただけのことであって、再び世界的な覇権国家になってしまった。今であれば、アメリカと揉めても、十分に戦える力を備えたという自信もついているのではないか。またアメリカは警戒するあまり、露骨に中国をいびって揺さぶりをかけてくるようになった。面白くなくなっていることは間違いなくて、アメリカに泡を吹かせてやりたくて、しょうがなくなってきているのではないか。そこで、そもそも中国の一部である(と主張している)台湾を今取り込むことで、自分の力を証明することになるのではないか。実際のところアメリカが介入すると厄介だが、太平洋の反対側国家が、本当にまともに台湾を守る気になれるものなのだろうか。その為に米国人の血を流す犠牲を出すつもりが、本当にあるのだろうか。それは日本もしかりなのだが。
 多くの識者は、台湾有事はあり得る自体になった、と認識しだすようになっている。あんまりやる気の無いように見える日本が、実際に軍備などに着手しだしたことは、自分の意志であるというよりも、米国の圧力や、現実的な対応を迫られている証左であるとみて間違いないだろう。そのような抵抗無しに、有事を食い止める術は、すでに無くなっているのだろう。
 ところでそういう状況を理解する必要があるにせよ、ロシヤのウクライナ侵攻を中国がどのように捉えたかというのは、重要な試金石であると思う。当初中国は、西側に完全に同調したとはいえないにせよ、それなりに距離を取り続けていたように見えた。今や力の上では自分の方が上であるとはいえ、兄貴分のようなロシヤに完全に同調したわけでもなさそうだった。それは現在のロシヤの状況を冷静に見るならば、ウクライナ侵攻の判断は、失敗したものだと感じているのではないのか。もしそうであるのであれば、同じく台湾有事というものは、踏みとどまることになるのではないか。そもそも戦争を仕掛けたところで、核なき戦闘においては、かなり難しいものになっていることが見て取れる。いくら党の独裁的な政治体制であるとはいえ、そのような判断を下せる状況にあるのだろうか。
 つまるところそういうバランスにおいて、台湾有事が現在起こっていないというに過ぎないのかもしれない。それがいつまでも、ということは、わかり得ないことなのだが。
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闇の錬金術は人に教えない

2023-05-10 | 時事

 投資を騙る詐欺まがいの勧誘が、若者の社会で被害を広げているという。「闇の錬金術」と言われているらしい。僕は知らなかったが、そういう命名はそれなりに有名になっているようで、「闇の錬金術」という単語を聞くと、若者の多くは「ああ、その事か」という顔をする。「オレオレ詐欺」みたいなものなのに、それでも騙される人がいる、ということなのだろうか。
 投資詐欺というのは、もちろん比較的お金を持っている人の資金をだまし取るのが一般的で、おもなターゲットはこれまで家族の為であるとか老後資金などで貯めてあるお金を狙ったものが多かった。それはそれとして今でもあると思うのだが、特に若者がターゲットになっているというのは、どういうことだろうか。
 要するに若者の多くは、そのような投資に対するリスクのことをよく分からないままに、言葉巧みに言いくるめられるためであるようだ。若いうちにはそれほどため込んだ資金が無いので、借金を強要されてまで投資資金を工面するために、問題が大きくなるのだという。社会背景としては、将来に向けての投資は若いうちから、というセミナーだとか、給与などこれからの社会構造として簡単に上がらないだろう、という不安に付け込んでいるもののようだ。またそれらで集められた資金の多くは、暗号資産として行方そのものが分からなくなる方法があるようで、警察の捜査でも、実際に投資に使われている資金であるのならば違法性を問いにくいという面が、どうもあるようだ。実際に暗号資産として海外等で運営されているのであれば、リスクを伴った投資の一形態だ、という認識も可能になるということなのだろうか。そこのあたりは僕にはよく分からないところだったが、お金を集めた首謀者は逮捕されるものがいるものの、集めた金額の割には軽微な罰金刑であったり(それより多額の資金を集めて儲かっている犯人たちには、十分支払い可能だろう)するだけで、肝心の預けられた被害のお金が、被害者の元へ戻ることは難しいのだという。元本は戻らないまま、借りた先の返済は何年にもわたって被害者の若者の肩にのしかかってくるわけだ。既にその被害者の中には、失意のまま自殺した者まで居るのだという。
 一般的にこのような詐欺まがいの投資というのは、騙されたものにも落ち度があるように言われることがある。そんな儲け話に欲がくらんだツケのように思う人もあるかもしれない。しかしながら僕が若いころのことを考えてみても、そのような勧誘というのは、それなりにあったものである。投資詐欺というよりも、基本的にはねずみ講で商品を買わせるものがほとんどだったが。いわゆるネットワークビジネスと言われ始めた時代が僕らの若い頃で、いまだにそれで逃げ切った企業もそれなりに存在する。
 当然僕も何度となく勧誘を受けた。まずあるのは、久しぶりに会う友人からのものだ。会う約束をすると、そこにはもう一人知らない人が来ている。そうしてネットワークビジネスで一儲けしようという話を聞かされる。怪しいとはわかっているが、すでに友人はそのビジネスを始めており、実際に小金を手にしているともいう。今加わると、実に美味しいことになるという。しかしいくらから始めるのかという話になると、数十万ということらしくて、そもそもそんな金は工面できるはずもない。そう言うと、親に頼めとか、借金しても、すぐに取り戻せる、とか言うのである。そもそも僕はねずみ講のことはうっすらとは知っていたので、基本的にはこれは詐欺ではないか、と何度も確認するのだが、お前の古い知識では知らないだけのことで、まったく新しいビジネスなので、違法性はみじんもないのだという。
 さらに頭に来るのは、そういう勇気もない男なのか、とか、頭が悪いから理解できないだけ、だとか、みんなやっていることなんだよ、とか、まあまあいろいろ言われることである。おそらくそれなりに訓練を受けているらしいとは後で気づいたが、何を言っても言葉巧みに反論してきて、実際には納得いっていないのだが、いつまで話しても逃がそうとしないで食いついてくるのである。ああこれはまいったな、もう金でも払うから開放して欲しい、と思ったくらいだったが、実際に金など無いので助かっただけである。
 その後も別の友人から、集会のようなものに呼ばれたり、遊びに行ったグループに、勧誘員が混ざっていたりしたこともあった。これも後で考えてみると、サクラが混ざって集団で参加者を落とし込む手法が使われていたり、そもそもシナリオがあって、それに沿ってターゲットを落とし込もうとしたりするものであるようだった。当時はまだネット環境なども無く、自分でそれらの詐欺的手法を調べる手立ても無かった。しかしながら僕は、算数でねずみ講のことは面白く勉強したクチだったので、結局は必ず破綻するねずみ講に過ぎないことは、頭の片隅に知っていた。もっとも結局は貯金も無かったし、お金を貸してくれるような信用のある若者では無かったし、借金するのも怖かったので、結果的に騙されなかっただけのことであるように思う。
 そういう数々の経験を積んだおかげで、僕なりに考えるところがあって、このような勧誘のほぼすべてが詐欺的であることを学んだ訳だ。そもそも儲かる話を人に話してしまう時点で、基本的には詐欺である。考えてみると、単に資金を出させようとしているだけのことだからである。少ない資金で儲かるのなら、自分自身が隠れてでもやっているはずで、そんな美味しい話を人にしても儲けを減らすだけのことである。儲かる話を独占しない人間は、詐欺なのである。
 話を戻すと、若者がそのようなことを知らずに詐欺にかかりやすいことは、至極当然のことである。問題はそうして罠にはめる方にあることは明確なのである。法整備がどうだということもあるのかもしれないが、少なくとも資金集めのために借金を強要するなどの行為は、厳しく処罰する方策がとられるべきであろう。
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誤りは、誤った人には正せない

2023-04-21 | 時事

 未遂に終わったとはいえ、またテロ事件が起きたことのショックは計り知れない。安全だと思われている国日本で、白昼堂々と選挙戦の真っただ中にこのようなことが起こる。まさに信じられない思いだ。その信じられない異常さこそ、日本でのテロの影響の大きさにつながっている。テレビの報道画面を見ていて、僕の周りの人々の反応はさまざまではあったが、驚きとともに一番多く聞かれたのは、日本の警備はお粗末だ、ということだった。僕自身はまったくそんなことは感じていなかったので、まずはその反応や怒りのようなものに、かなり違和感を持った。その後ネットから爆弾が放り込まれた瞬間の映像を見た。すぐに爆発しなかったのが幸いしているとは感じられるものの、いわゆる警備の人が必死で素早く行動している様子が分かる。もちろん爆弾の精度が悪いのか(手作りだし、実際のところは分からないが、おそらくすぐに爆発するはずのものだったが、失敗したのではなかろうか)、結果的にはそのような状況にあって、大きなけが人は出なかった様子だ。皆が気づく反応の遅さはあるように感じるが、あのような状況であれば、それは致し方ないようにも思う。いったいなんだ、と状況が分からない人々にとっては、そのように分からないものへの確認の方が先にあって、思うように逃げることすらできないのではなかろうか。爆弾が持ち込まれないような警備でない限り、対処としてはあれ以上のことが本当にできたのかは疑わしい。爆弾を投げた犯人の周りの人々も、実に素早く行動している。何か妙な行動をした人間に対して、その反応が素早いもののように思える。すべてが警備の人では無かったらしいことも驚きだが、結局は犯人のたいして緻密でなかった行動もあって、最悪の事態は未然に防ぐことができた。ある意味でそれは、過去の経験に学んだこともあるだろうとは考えられそうだ。
 結局は、それにしても不可解で不思議な人間が、まだまだくすぶっているのではないか、という不穏な気分ではなかろうか。安倍さんを殺した犯人は、最大限のテロを成功させただけでなく、多くの世論を味方に付けてしまった。結果的に今回のテロを呼び込んだと言っても過言では無いだろう。統一教会という闇があったのは、いわゆるずいぶん昔から公然と知られていたことにもかかわらず、タイミング悪くオウム事件が起こり、勝手に人々はそれを長期にわたって忘れていただけのことである。その後も統一教会の家族が過激に対応する応酬の出来事は、ときどき漏れ伝わっていたが、人々はそれらは一部の人々の不幸だとくらいにしか受け止めていなかった。おそらくだが多くの人は、いまだにそんな人たちがいるなんてことは確かに忘れていたけれど、それに似たことが他でも行われていることくらい、ふつうは気づいていたはずだ。宗教の自由は保障されるべきだと思うが、病気や貧困にはびこるこれらの闇は、いまだに大きく根を張り広がっているのである。
 残念ながらこのようなテロは、政治とは無関係な個人的な屈折した思いが原因であるようだ。さらにそうであるならば、未然に防ぐのは不可能である。よって前回の山上のような人間を擁護するような政治的な気分というものこそ、しっかりした認識で紐解いていくことが肝心だと思われる。明らかに誤解したままで政治の悪を追求する愚かさを、改める必要がある。それは政治家を守るためというよりも、自分たちの社会を健全に保つための賢さに他ならない。間違っている人間に、その間違いの愚かさを理解させる必要がある。間違った認識を持った人が、その誤りを正すことなど不可能に近いのである。それがこのような事件を呼び込んでしまった日本社会の責任でもあるだろう。
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パンダは静かに暮らせない

2023-03-21 | 時事

 ちょっと前まで連日上野のパンダが中国に帰るというニュースを、ひっきりなしにやっていた。日本で生まれたのがいると聞くが、そういうのも帰っちゃうんですね。ちょっと不可解な感じもしないでは無いが、そういう決まり事なら仕方がない。嫁とか婿とかがこちらでいっとき住むことになって後に子が生まれたからと言って、やっぱり里帰りするといいだして子も一緒に帰るのは、道理かもしれない(そういう話かどうかもよく知らないが)。
 パンダは可愛いので好かれる訳だが、そうして好かれているのがいなくなると、やっぱり寂しくはなるものだ。変わらず中国で元気でいることだろうが、離れてしまうといつでも会えるわけでもなくなるわけで、情が移って悲しむ人が大勢いるのだろう。難儀なことである。
 パンダは何億というレンタル料が支払われてこれまで居たもので、その期間が過ぎたら返還するシステムなんだろう。レンタル料は延長できなかったのか。パンダがいることでの経済効果はそれよりはるかに多いという試算もあるらしく、それならまた借りたらいいのにな、と思うが、これもいわゆるパンダ外交というものが影響を受けているのかもしれない。国がどんな話し合いをしてパンダのレンタルを決めているのかはよく分からないのだが、その分仲よくしようということなら仲良くしていいのだけど、仲良くできない理由はパンダ以外の事情がありそうで、なかなかに難しい問題なのである。国との付き合いは、基本的には人間関係と似ていなくも無いが、内容的にはもっと複雑なので、分裂症気味なのである。
 ところで、パンダ外交があるのなら、どうしてゾウ外交とか孔雀外交とかは無いのだろうか。いやそれに似たようなことは無いではなさそうだが、パンダほど露骨に外交に利用するようなことが無いのではないか。何かの友好のしるしとして動物やら記念品などを相手国に送るようなことはあるはずなのだが、それはその時の関係者にはよく知られたことかもしれないが、やはりパンダほどのインパクトを持たないのかもしれない。それほどパンダというのは特殊かもしれないし、さらに中国は特殊なのかもしれない。パンダというのはその姿形が可愛すぎる上に、なおかつ希少なために、結局は人間に利用される。せっかく氷河期から生き残ったにもかかわらず、ひっそりと暮らすことの許されない存在なのかもしれない。
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地球環境を考えるための逃げ道

2023-02-17 | 時事

 「クロ現」見てたら、航空機燃料に廃油(使用済み食用油など)の再利用をしたSAF(※持続可能な航空燃料、という意味らしい)というものを混ぜて使うことにより、二酸化炭素を削減する取り組みが過熱していることを特集していた。航空機というのは、自動車などの運送用機械の全体としては排出量が必ずしも大きくは無いが、一機が飛ぶ排出量としては、二酸化炭素の排出量が突出しており、取り組み方によっては削減量を減らす余地のあるものであるらしい。そこで化石燃料でないSAFを使うことで、SAF自体が植物などの経由した由来から作られることから、80%の二酸化炭素削減になるとされ、燃料としては最低でも3倍以上の価格がありながら欧州の航空機はこれをほんの数パーセント燃料に混ぜて使うことで、二酸化炭素削減に貢献しているとのことである(日本ももちろん少しだけやっている)。
 ところがそのような取り組みがあるために、日本の廃油の引き取り値段が高騰し、海外からの買い付けに回されている実態が明らかになる。既に業者取引は仕組みとして品薄で、家庭用の回収に力が入れられるまでになっている。それでも完全にいきわたったとしても足りないのだが。その為にこれまでリサイクルとして成り立っていた家畜の飼糧としての再利用が、困難になっているという。そもそもそれだけでは燃料として不足しているので、他の原料の開発が急がれている現状があるようだ。卵などの価格が高騰している後押しに直接つながっている訳で、既に私たちの生活に影響が出ているのである。
 ヨーロッパの航空会社が経費を過分に掛けてもこれをやっている背景は、表向きは将来の二酸化炭素削減に向けてと言っているだけだ。何故なら根本的に二酸化炭素の排出を止めて旅客機を飛ばすエネルギー源を確保する技術が、現代には無いのだから。実際の話は、顧客が長距離鉄道などに取られている危機感があるからである。二酸化炭素をたくさん使う航空機を使うことは、一般的な感覚として「恥ずかしい」とことされるまでに人々の意識が変化しているためだ。社会のために個人が取れる「良い行い」として、不便やコストや時間をかけても、飛行機に乗らない「善行」を人々は嬉々として行っている。さらにヨーロッパは陸続きということもあり、陸路で国境を超えることもできる。一二時間の航空機の移動距離であれば、陸路で一晩で済む、というのもある。国内線は航空便を禁止にする動きさえあるという。また、日本で言うと、このような取り組みをしない国として、航空便を停止するかもしれないという脅し付きである。
 SAFの成り立ちで二酸化炭素を削減できるという理屈は、単純なので理解できる。しかし燃料として使う以上、二酸化炭素を排出することに何の変りもない。要するに、前提が詭弁なのである。その上でコストを過分に掛けるので、厳密な排出量がどれくらいかは計算する能力が僕には無いが、複雑であればあるほど、二酸化炭素の排出量は増えるのは当然である。さらに高価なので金持ちににしかできない上に、いわゆる途上国へのハードルを上げていることだろう。植物経由の燃料として問題とされている上に、東南アジアに負担を強いているパーム油の問題も無視している。パーム油に限らず、再利用のコストは安価な労働力の方が有利なのは明らかなので、そのような負担は階級的な別の国への負担に変わっている仕組みが透けて見える。その為にヨーロッパ以外の国での森林伐採も、加速度的に進むことだろう。
 馬鹿げているが、それがヨーロッパを支配しているメディア思想なのである。もちろん日本もそれに追従しているわけだ。これらの発端となる理想主義が、ある意味その純粋さゆえに暴走してしまう。現実との乖離を埋めるために、結局は欺瞞的な手法を生んでしまうのである。それはおそらく時間の経過とともに、大きなほころびを作り出すことになる。それに気づくには、それなりの破壊を伴う代償が必要だろう。僕たちは、もう取り返しがつかない流れだということを、傍観しているに過ぎないのかもしれない。
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マスク問題はつづく

2023-02-09 | 時事
 本日は趣向を変えて。


 ちょっと気になったのは日浦市郎という将士さん。再三注意を受けたにもかかわらず改めなかったので、反則負けになったという。それもこれで三回目。勝負しないで三回も負けてしまった訳である。まあ、何か考えを持っている確信犯であろう。さらに、完全にマスクをしていなかったわけではなく、鼻を出した状態で着用していたというから、それも何かのサインではないか。実際の話、そんな人よく見かけますが、まあ、何か事情があるのかな、とは思ってました。マスクは一応しているけど、今俺は鼻息が荒いんだからね、とか。外から来たばかりだから、鼻出さないとめがねが曇っちゃうんだよね、とか。またはそれ以外かもしれないが。
 そういえば日浦八段以外にも、確かマスクで反則負けになった人がいたな、と思ってたら、過去に昨年10月にも佐藤天彦9段が対局中マスクを外した行為が問題となり反則負けになっている(休憩中に外した行為が問題になったともされる)。これも当時少し話題になったが、なんとなく立ち消えになっていた。
 聞くところによるとこの事件に関しても、日浦さんは怒っておられた、という情報もある。確かにまじめに将棋を指し、マスクに関するもやもやしたルールに対して異議のある考えを強く持っておられる人にとって、耐え難い蛮行に思えたのではあるまいか。やりすぎだけど、業界としては外向けにそんな態度取ってしまったんだもんね、という問題だろう。まあ、空気を読んだというか。
 しかしまあそのために、自分の通らない信念をこのようにまた通そうとされているわけである。人間にはつらい生き方というものがあるのだ。

 さてそうして、こういうのもあった。

 よく読むと昨年の事件らしいが、虐待というかいじめ問題というか。指摘した保護者がいそうなので、さらなるいじめ構図もある可能性もある。
 マスク問題は事実上各自にゆだねられているようなことになったけれど、独自ルールはその世界で生き続けることにはなるだろう。自分の方針を通したところで、法的にどうということができるのか、明確でないままに恣意的なルールはいたるところで様々なレベルで展開されることになろう。人間社会の軋轢を生みだす問題として、対立の国日本で、どのような分断の出来事が噴出していくことになるのだろうか。
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終わらなくなった戦争

2023-01-08 | 時事

 まったく目にしなくなったわけでは無いが、比較的大きなニュースであるにもかかわらず日常的には気にしてない風になってしまったものが、ロシヤとウクライナ戦争かもしれない。「紛争」という表現も聞かれるし「侵攻」も使われている。相変わらずひどい状況に変わりなく、ならず者国家であるプーチン・ロシヤを嫌悪する言動は増えたものの、だからと言って膠着を解くカギは提示されていない。どちらがどう止めるかという理由さえ分からなくなってしまった(それでも、どちらかの勝利しかないと考えている人がいるのだろうか)。どちらも戦闘を止める理由が無く、ともに勝利という言葉しか使わなくなった。どちらがどういう状態になれば勝利なのか。例えばウクライナがロシヤが一方的に併合した地域を奪回した場合、それは領土の再侵攻とロシヤが捉え核を使う理由になるとされ、それは西側でさえ望まない勝利になっているのではあるまいか。
 ウクライナは西側の代理戦争として戦う図式を得ているが、要するに戦費は米国などの民主的な支援国が賄っているということになる。米国などの国家予算にこの戦争のものが含まれている訳で(もちろん日本もだが)、そういう意味では我々も間接的に既に戦火にある。その先にある核の脅威を含め、起こりうる危機の度合いは可能性として高まっているはずである。痛みを伴いながら様々な圧力をかけてロシヤの戦意を削ごうということになっているが、中国やトルコやインドは、今後もロシヤから天然ガス・石油などを輸入し続けるだろう。予想されていた(期待されていた)ロシヤの国家破産というのが無いのであれば、プーチン政権の転覆もなさそうだし、ポスト・プーチン・ロシヤが、さらに強権国家になる恐れさえ出てきた。冷戦時代よりさらに、世界は恐怖と不安定の波の中に漂うことになったのかもしれない。このことで、夢物語だったはずの人類滅亡のシナリオさえ、ふつうに描けるようになった。少なくとも合理的ではないことが行われ続けた結果、数時間で数千万人という命が失われるリアリティが、今そこにあるのである。
 長い冷戦の後にレーガンとゴルバチョフは、核兵器削減にサインするに至った。ある意味で既に大国を維持できなくなるほどソ連は衰退し、米国との経済格差が広がったためだと、ざっくり考えることはできる。今は状況がまったく異なり、経済的にはまだまだにせよ、資源国である上に軍事力の脅威はそのままにいる。しかしウクライナには勝てないロシヤであることもまた事実だ。人々は、戦争は短期間で終わると思うからこそ支持できる。過去にはそれで何年も戦争をしつづけた国が腐るほどある。今考えられることというのは、いつまでも戦争が続いて疲れて懲りてどうにもならなくなるまでくらい膠着しなければ、次が見えないかもしれない可能性かもしれない。考える前からうんざりしてくるが、本当に核が使えない非合理だと分かっている(はずの)プーチンに期待するよりないのかもしれない。
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