ずっと見たかった映画『オーケストラ!』を先週末ようやく見る。
30年前、ブレジネフ時代のユダヤ人排斥の煽りを受け、
ボリショイ劇場の掃除夫に転落した元・名指揮者が、
偽ボリショイを率いてパリにのりこむという破天荒なストーリー。
これ、2001年に偽ボリショイ・オーケストラが香港で公演した
という実話をもとにしているというのも愉快だが、
コメディのなかに政治的シリアスな要素もきっちり盛り込まれ、
さまざまに考えさせられる秀作である。
オツにすましたパリの人々と、アナーキーでハチャメチャなロシア人。
この笑える対比を嫌味なく描けるのは、ミヘイレアニュ監督が
フランスに移住したルーマニア人だからこそ。
元指揮者の奥さんが、デモからマフィアのパーティーまで
人材調達の裏ビジネスに精を出して菜園(ダーチャ)を手に入れたり、
いかにものニューリッチが偽楽団のスポンサーとなって
ロシア第一チャンネルを率いて優雅にパリ入りしたりと、
新生ロシアの胡散臭さもてんこもり!
ロシアの役者たちの、粗野なのに繊細な演技の愛すべき素晴らしさ。
そしてクライマックスのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の
普遍的な美と力、そこにかぶさる映像の雄弁さに、涙腺あえなく陥落。
未来を暗示する大団円のハッピーエンドも心地よく、
ロングラン上映もうなづける。
ところで、海外に行くのにわざわざ赤の広場で待ち合わせたり、
ましてやそこからシェレメチェヴォ空港まで歩いていくような
ロシア人はいません!(笑)。
これは西側受けを狙った確信犯的サービスショットといえましょう。
30年前、ブレジネフ時代のユダヤ人排斥の煽りを受け、
ボリショイ劇場の掃除夫に転落した元・名指揮者が、
偽ボリショイを率いてパリにのりこむという破天荒なストーリー。
これ、2001年に偽ボリショイ・オーケストラが香港で公演した
という実話をもとにしているというのも愉快だが、
コメディのなかに政治的シリアスな要素もきっちり盛り込まれ、
さまざまに考えさせられる秀作である。
オツにすましたパリの人々と、アナーキーでハチャメチャなロシア人。
この笑える対比を嫌味なく描けるのは、ミヘイレアニュ監督が
フランスに移住したルーマニア人だからこそ。
元指揮者の奥さんが、デモからマフィアのパーティーまで
人材調達の裏ビジネスに精を出して菜園(ダーチャ)を手に入れたり、
いかにものニューリッチが偽楽団のスポンサーとなって
ロシア第一チャンネルを率いて優雅にパリ入りしたりと、
新生ロシアの胡散臭さもてんこもり!
ロシアの役者たちの、粗野なのに繊細な演技の愛すべき素晴らしさ。
そしてクライマックスのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」の
普遍的な美と力、そこにかぶさる映像の雄弁さに、涙腺あえなく陥落。
未来を暗示する大団円のハッピーエンドも心地よく、
ロングラン上映もうなづける。
ところで、海外に行くのにわざわざ赤の広場で待ち合わせたり、
ましてやそこからシェレメチェヴォ空港まで歩いていくような
ロシア人はいません!(笑)。
これは西側受けを狙った確信犯的サービスショットといえましょう。