瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2018年、クリスマスには歌を歌おう♪その8

2018年12月28日 23時28分26秒 | クリスマス
はぁい♪ミス・メリーよ♪
今年も、もう直終わり…振り返れば色んな事が有ったわねー。
地震に台風に大雨にと、国内のみに限っても、災いだらけの一年だったわ。
毎年恒例「今年の世相を表す漢字一文字」が発表されたけど、全体の10%を超える得票率で「災」が選ばれたそうよ。
「日本の少女漫画に登場するクリスマスエピソード」、第八夜目の今回…今年の災いを来年に持ち越さない為に、「災」には「厄」漫画でもって対抗よ!
秋田書店が発行する少女漫画雑誌「月刊プリンセス」にて、1976年4月~1977年11月迄連載された、吾妻ひでお氏著作「おしゃべりラブ」より、単行本2巻に収録されてる――「メタモルフォシス伝の巻」!

12月24日はクリスマス・イブ!
オンボロアパート「猿すべり荘」で、一人暮らしをしている女子中学生、「白詰草ラブ」ちゃんは、何時も以上に御機嫌だった。
普段と変わり無く昼間から惰眠を貪ってた隣人、「ねむの木」君の部屋に押し掛けたラブちゃんは、彼を叩き起こしハイテンションで捲したてたの。
「クリスマスよ!クリスマス!!」
「ハハァ、キリスト様のお生まれになった日ですね」
「そーよ!キリストちゃんがおウマに乗って、お金をバラ撒きに来る日よ!!」
「また始まった、ラブちゃんの珍説!」
…何だか激しくクリスマスを誤解してるラブちゃんね。
もっとも彼女としては正しいか間違ってるかは問題じゃなく、景気良く騒げる理由付けになれば良いって感じ。
ラブちゃんは「今夜、アタシの部屋でクリスマス・パーティーを開くから、参加したいならアタシへのクリスマス・プレゼントを絶対に忘れないように!」って釘を刺したの。
疾うに用意してあるクリスマスツリーから、ラブちゃんの今夜に懸ける意気込みが伝わって来て怖いわ。
盗んだ電柱をツリーに仕立てて、キラキラモールをグルグル巻いた上に、願いを書いた短冊がズラズラ吊り下げられてるの。
「オトコ~!」、「恋人ください」、「ゼニ~!」……ラブちゃん、願いを書いた短冊を吊り下げるイベントは七夕よ、あと電柱盗んだら駄目、絶対。

『パーティーでタダ飯食べられるのは有り難いけど、その為にプレゼントを用意しなきゃいけないのは悩ましい…』
困ったねむの木君は、自分と同じラブちゃんを狙うライバルにして、彼女のクラスメイトである不良中学生「吾妻」君に相談しに行ったの。
ラブちゃんの側に居て、彼女の人となりを良く知る吾妻君は、「何か持ってかにゃタタリが有るな」と言って、適当なプレゼントを見繕う事にしたわ。
と言って吾妻君も、ねむの木君も、その日暮らしの貧乏人だから、碌な物持ってないし…。
ねむの木君は自分が着古した継ぎ接ぎ入りサルマタパンツ、彼のペット犬「ポコ」は蛙、吾妻君は近所のポリバケツ漁って手に入れた残飯をプレゼントに――ってまともな物ゼロ!!適当にも程が有るわ!!(汗)
このまま行けばクリスマス・イブに血の雨が降る事必至、けれどラブちゃんの爆弾発言が、事態を予期せぬ方向へと向かわせたの。

「ステキなプレゼントをくれた人には、アタシのキスをあげちゃうv」

ラブちゃんにぞっこんの吾妻君、ねむの木君、そしてポコは、これを聞いて発奮、レッツ本気モード!!
各自、ビッグなクリスマスプレゼントを用意して、彼女からキスを戴く為の戦略を練ったの。

恋のバトルが予想されるクリスマス・イブ、ラブちゃんの部屋では二人と一匹の到着を待たずに、クリスマス・パーティーが始められてた。
ところが他に呼んだ友人達四人はカップルな為、自分のパートナーとプレゼントを交換してお終い、ラブちゃんには誰もプレゼントを渡さないの。
て言うか何故カップルな友人呼んじゃったのよラブちゃん?
「アタシもプレゼント欲しい!!」と喚くラブちゃん、そこへ待ちに待ってた二人と一匹のナイトが到着。
吾妻君は、天井に着きそうなくらい巨大な、手作りクリスマスケーキを持参して来たわ。
やるじゃない吾妻君!それにしても貧乏な彼が、一体どうやって材料を調達出来たのかしら?
メチャクチャ喜んだラブちゃんが、ケーキにかぶりつこうとした瞬間、中から便器やら何やら不衛生な物が、たっくさん飛び出して来たの――オエエッ…!!!こんな異物混入ケーキ食べられるわけないわ!!
勿論、吾妻君はラブちゃんに雷落とされ、ハイ失格!――次、ねむの木君どうぞ~!
アパートの隣人だけあって、ねむの木君はラブちゃんが何を欲しがってるか理解してるようね。
彼は、縄でグルグル巻きに縛って猿轡噛ませたイケメンを、ラブちゃんに献上したの。
…どう見ても、どっかから拉致って来たように見えるけど、渡しちゃって大丈夫なのかしら?(汗)
でもイケメン貰ったラブちゃんは大満足みたい。
嬉々としてイケメンの拘束を解き、煮るなり焼くなり好きにしようとしたところが、何とイケメンの正体は町内パトロール中の警官だったらしく、激怒した彼は所持する拳銃を連続発砲!!
パーティー会場に血の雨が降ったの。

「二人とも、ろくなものくれないんだから…!」、ガッカリするラブちゃんの前に、しんがりのポコがクリスマス・プレゼントを差し出した。
それは、とっても可愛い仔猫――「こういうプレゼントが欲しかったのよ~~!」と感激したラブちゃんは、ポコの頬に熱烈キスをしたの。
どうやら恋のプレゼント勝負の優勝者はポコのようね!
ところがポコからのプレゼントの仔猫は、元々ポコに懐いて追って来た捨て猫だったの。
お腹を空かせてた仔猫は、パーティーの御馳走に手を出すわ、人に噛み付くわの、やりたい放題。
それに怒ったラブちゃんが参加客に八つ当たりして、もうシッチャカメッチャカ!!
この罰当たりな騒ぎを見て、キリスト様がお怒りになられたのか、クリスマスツリー(電柱)が倒れてラブちゃんの頭に激突!!
白眼を剥いて動かなくなるラブちゃん………まさか…死んだの?
固唾を飲んで見詰める周囲の中――不死鳥の如く甦るラブちゃん!!

「私こそ神の遣い、イエス・キリストである」

――と思ったらラブちゃんでなく違う人が甦ったァァァ!!?

神の奇跡か悪戯か、キリストの魂が憑依した(らしい)ラブちゃんは、クリスマス・イブに浮かれる町内を夜回り、粛清と称してイチャつくカップルを退治してった。
違う…イエス・キリストはこんな事しない!(多分)

普段以上に頭がイッてしまったラブちゃんは、教会の鐘に惹かれてミサに乱入、居並ぶ信徒達の前で「キリストは私だ!!」と宣言したの。
これを聞いた神父は、神への冒涜であると怒り、彼女の頭を聖書で殴った――聖書で殴るのも充分神への冒涜に感じるけど――殴られた衝撃でラブちゃん二度目の覚醒、次に憑依したのは闘魂レスラー、アントニオ猪木の魂!!
襲いかかる信徒の群れに正義(?)の卍固めが炸裂!
聖なる教会で繰り広げられる聖戦!最早何だか解らない!!

その頃ポコは、ラブちゃんにプレゼントを気に入って貰えなかった事にガッカリして、仔猫を元の捨てられてた場所へ戻してた。
その際、骨を置いてったのは、せめてもの優しさからの、クリスマス・プレゼントだったのかしら…?

話が破綻して終わるのは、70~80年代のギャグ漫画によく見られた特徴ね。
作者の吾妻ひでお先生は、ロリコン漫画界の立役者としても有名。
美少女と変態が繰り広げる狂った世界は、現代のアリス・イン・ワンダーランドと称しても過言でないわ。(?)
少女漫画雑誌に、こんな狂気渦巻く作品を掲載した編集部は、良い意味で頭がイッちゃってたと思うわ。
流石はアンタッチャブル少年誌「少年チャンピオン」を出してる秋田書店さんね!

ここで第8曲目のクリスマス・ソングを紹介、日本では賛美歌第二編172番「世界に告げよ」と言う題で知られる――「Go tell it on the mountain」!
元は19世紀頃から歌われてるゴスペルで、キリスト誕生を歌う内容から
、クリスマス・ソングとしても人気を伸ばしてったの。
どんな歌か知りたい人は、こちらを参考にして!
今夜はここまで、また明日、一緒に楽しくクリスマス・ソングを歌いましょう♪



【Go Tell It On The Mountain(世界に告げよ)】




Go tell it on the mountain♪
Over the hills and everywhere♪
Go tell it on the mountain♪
That Jesus Christ is born♪

Go tell it on the mountain♪
Over the hills and everywhere♪
Go tell it on the mountain♪
That Jesus Christ is born♪

Shepherds kept their watch♪
O'er silent flocks by night♪
Behold throughout the heavens♪
There shown a holy light♪


Go tell it on the mountain♪
Over the hills and everywhere♪
Go tell it on the mountain♪
That Jesus Christ is born♪

Down the lonely manger♪
The humble Christ was born♪
God sent salvation♪
That blessed Christmas morn♪


Go tell it on the mountain♪
Over the hills and everywhere♪
Go tell it on the mountain♪
That Jesus Christ is born♪

Go tell it on the mountain♪
Over the hills and everywhere♪
Go tell it on the mountain♪
That Jesus Christ is born♪

That Jesus Christ is born♪



【訳】

山の頂にて告げよ
丘の上でも、何処でも
山の頂にて告げよ
救い主キリストが誕生した

山の頂にて告げよ
丘の上でも、何処でも
山の頂にて告げよ
救い主キリストが誕生した

夜、群れを静める羊飼いは
あまねく天を見よ
そこに聖なる光が示される

山の頂にて告げよ
丘の上でも、何処でも
山の頂にて告げよ
救い主キリストが誕生した

謙虚なキリストが、飼い葉桶に独り生まれた
クリスマスの朝を祝福し、神は救いを贈られたのだ

山の頂にて告げよ
丘の上でも、何処でも
山の頂にて告げよ
救い主キリストが誕生した

山の頂にて告げよ
丘の上でも、何処でも
山の頂にて告げよ
救い主キリストが誕生した

救い主キリストが誕生した



…こんばんは、びょりです。
高校生の頃、学校の近くにレトロな喫茶店が有って、友人との待ち合わせに使ってたんすが、その店の本棚に吾妻先生の単行本が、ズラーッと並んでた事が印象に残ってます。
「浮浪雲」とか「美味しんぼ」とかなら一般的でまあ解る。
だけど吾妻ひでおって……なんてマニアックなセレクト。
あの頃は特に何も思わず読んでたけど、当時に戻れるならマスターと話がしてみたい…。

ちなみに高橋留美子先生や竹本泉先生らも、吾妻先生のファンで影響受けたとか。
留美子先生の「めぞん一刻」で、アパートの壁に隣室を覗く大きな穴が開いてるっていうネタが登場するけど、あれはもしかしたら吾妻先生の「おしゃべりラブ」からインスパイアされたものだったりして。(ラブちゃんとねむの木君の部屋は、大きな覗き穴によって繋がっており、辛うじて紙で塞がれている)

写真は今年の我が家のクリスマス・ケーキ。
今年もSuicaペンギンケーキを注文しました。

  
コメント
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