小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

憂鬱のコロナ禍とばせ春疾風

2020年03月21日 | 日記

昨日は春分の日、世間は3連休だ。なので、往来はざわざわしている。そんな様子が、自室にいてもそれとなく判る。地元の桜はまだ三、四分咲きぐらいだ。

家に引きこもっていると憂鬱になる。新型コロナウィルスの感染者は、東アジアでは以前より少なくなった。いまはお彼岸だ。これ勿怪の幸いとばかり、外に出ようマスクして・・。街に繰りだそう、先祖の供養に行こう、ついでに花を愛でよう。誰しもそんな思いを持つ、それが人情というもの。

とはいえ、欧米ではウィルス禍は勢い止まず、イタリアでは中国を上回る犠牲者を数えたという不吉なニュース。トランプ大統領の号令の下、アメリカはほぼ鎖国政策で、内外ともに人の出入りをストップさせた。世界がこんな事態になると、誰が予測できたといえようか。

そんななか小生なぞは、これを奇貨とするのは不謹慎かも知らんが、流行り病の不安に慄く状況を俳句で詠みたい。少なくとも、厭う理由はないし、花鳥風月を詠むばかりが俳句ではない。

浮き沈み、ときに混とんとした世情や心情を映しだす詩歌があるように、俳句もまた現実や生活に密着した感慨や場面を切り取ってもいい。とまあ、大きく出たはいいが、まだ初心者レベルの域だから笑止千万の駄作は百も承知。ご笑覧くだされ。

まあ、移ろいゆく日々の記録として(目標は一日一句だったが・・)、今回のウィルス禍に触発されて詠んだ拙句を残しておくことにする。

遠来の未知の病や春揺れて

気を吐かん老爺が目立つ春のジム

山笑うウヰルスまみれ息殺せ

マスクして皆駅に入る春愁や

客もなき商店街や春の雨

たゆたうとマスクかけたる春の宵

ウヰルスが憑き世は狂う焼野かな

春暁や逃亡劇の寝覚めかな

ウヰルス禍種蒔く人は閉じこもり

憂鬱のコロナ禍とばせ春疾風

 


▲春分の日に撮影。毎年載せる長明寺の枝垂れ桜は四分咲きか。

▲谷中霊園

▲天王寺

▲この写真のみ3月上旬、了ごん寺のコブシ


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