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今どき 田宮虎彦を読んでて すいません・・・。

 



 今はもう 田宮虎彦の読者なんてまずいないと思う。だって ストーリが暗すぎますよねえ。まさに「昭和の作家」ですね。

 でも、僕は田宮虎彦、好きですよ。高校の時に『絵本』を読んで涙しました。あの「麻布霞町の崖下にあった・・」の名調子の書き出し、暗唱したくらいです。この麻布霞町って ジャコメッティの国立新美術館がある界隈ですよねえ。

 今回、久しぶりに 真っ茶色になった文庫を取り出し、『落城』を読み返してみました。短編で、ドラマで言えば、ほとんどナレーションばかりのような文体です。これ5倍くらいの長編小説にすればよかったのに。

 ストーリーは相変わらず、絶望的に暗いのですが。これ幕末を舞台にしていますが、田宮が言いたかったことは、無謀な戦争で多くの内外の人々を悲惨な死に追いやった 当時の日本そのものを投影していたんじゃないかな。

 なんかそう思う。

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