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中原中也 と 神明宮 と ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

 


 犀川大橋を渡って広小路に向かうと右手に「神明宮」があります。

 その昔、このお宮さんの境内で行われたサーカス興行を、幼き中原中也が見た思い出をもとに、「サーカス」という詩を書いたそうな。。
 
 「サーカス小屋は高い梁 そこに一つのブランコだ」と」言うからには、決して境内の「神明の大ケヤキ」の枝にブランコを括り付けていたわけじゃないと思います。はい。

 でも夜にこの大ケヤキを見上げると、いかにも枝に いくつものブランコが揺れているような 気がします

↓今もご健在の「神明の大ケヤキ」 



サーカス

中原中也

『山羊の歌』
より

幾時代かがありまして
茶色い戦争がありました

幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
今夜此処でのひと盛り
今夜此処でのひと盛り

サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒さかさに手を垂れて
汚れた木綿の屋根のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が
安値やすいリボンと息を吐き

観客様はみな鰯
咽喉のんどが鳴ります牡蠣殻かきがらと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん


屋外やがいは真ッ暗 暗くらの暗くら
夜は劫々こうこうと更けまする
落下傘奴らっかがさめのノスタルジアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
 
 
 
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