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『社長って何だ!』 @ 丹羽宇一郎

 

 研修会に向かう電車の中で読んだ本です。小生、いわゆる「ビジネス本」は読みません。だって大抵は「昔の武勇伝」だったり、単なる「ハウツー本」だったりしませんか。でも20年くらい前、丹羽宇一郎の『人は仕事で磨かれる』を読んだことがあります。

 

 なんで読んだかと言うと、丹羽氏は大手商社の伊藤忠の社長ですが、名古屋大学の学生時代は、全学連委員長をしていたという経歴だからでした。まあ学生運動の闘士が、政治的立場をコロっと変えて、資本主義の世の中で出世してゆくというのは、よくあるパターンですが、この丹羽氏は、大企業のトップになっても、学生運動のマインドの臭いがする様に思ったからでした。

 

 その丹羽氏ですが、先日BOOK-OFFの「110円均一」の文庫・新書コーナーを見ていたら、久しぶりにその名を見つけ、この『社長って何だ!』を買った次第です。でもこれ110円だから買ったわけで、新刊の定価(880円)だったら決して手に取らなかったと思います。

 

 だってこの齢になると、無駄なお金は使いたくないですから。その点、本を買ってその内容が万一「不発」だったとしても、100円ならまだ許容範囲ですからね(笑)。

 

 さて本題です。この『社長って何だ!』は、予想通り「人々を幸せにしないビジネスなんて、ビジネスじゃない」ってスタンスで、伊藤忠丹羽社長らしさがあふれていました。そういう意味では、確かにビジネス書なんですが、同時に『ものの見方考え方』を伝える「哲学書」でもあるかなと思いました。つまり「不発」ではなかったんですね(笑)。

 

 今、敢えて「哲学」と言う言葉を使いましたが、世の中には、定年退職後は、会社の関連団体に「再就職」して、会社や仕事に責任は負わないけど、相応の “給与” をもらい続ける人がいます。

 

 小生にも退職時、そういう打診がありましたが、「いや~、お声掛けはありがたいんスが、会社を辞めた後も、会社からお金をもらおうなんて哲学は持ってません」と言って、丁重に辞退させていただきました。70年代の学生運動経験者としての、小さな小さな矜持です。

 

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