祖谷山の木々は寂しき冬枯れ、祖谷川の水は透き通る哀しさを秘めて流れる様
はらはらと舞ひ落ちてゆく紅葉の行く末は如何ばかりや
風の気ままに翻弄されて好みを得ずして散り散りと分かれて落ちてゆく落ち葉を
侘しきことなりと思ふはやはり初冬の寂しき風景の為せることであろうか
散紅葉行く末告ぐることならじ
冬晴や気ままに雲を置きにけり
水音や押し寄せ来たり落葉かな
寂となり紅葉散る音苔の上
風に聞け大空舞ひし落葉かな
祖谷川の水底潜り散りもみじうき世のあわれ色に染めにし
落ち葉敷く野べの小径に分け入りし残り紅葉に時雨れてあわれ
こがらしに木の葉の散りし祖谷山に入りて染めにし心の色を
初冬の祖谷川のこころに映せし風景などを詠みけり、奥祖谷の冬の厳しさを思ひやると
老ひの身はこころ重たし