秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ(ジャガ芋とあんドーナツと冬布団)

2013年11月22日 | Weblog
高知の従姉妹から、電話がかかった。
『母ちゃんの冬の布団、家にあるがを、すまんけんど、持ってきて~
母ちゃん、家にあった布団がよかったって、言うがで~
また今度来る時で、ええきにね~ほなね~』

…で
予定のなかった本日休日。
久しぶりの非日常~
山の上のヴヴヴ星人の空き家を目指す
お墓の掃除も兼ねて、あんドーナツ(※賞味期限印字なし)と、缶コーヒーを必須して
現地着
とりあえず、景色を見ながら、しばしボーとくつろぐ。
ワタシ…ヴヴヴのお家の庭から見える風景が、1番落ち着く
こんな場所で、毎日畑で遊び?ながら、のんびりと暮らしていけたら、なんて幸福なんだろう…
※病気にならなければの 話

…で
全ての用事を済ませ、次に向かった先は、ヴヴヴのお友達のおばあちゃん宅
お土産の軟らかいお菓子を持参して、お顔を見に行きました

『おばちゃん~おるで~~』
おばちゃんは、昼間の幽霊のように、納屋からスーッと 現れた

「まあ~菜菜子さんか~~なんぞ車の音みたいなのしたと、おもたんじゃわ~~
わたしゃ今、芋、よりよったんじゃわ~」

『おばちゃん、腰はましになったん?』

「まし・まし、ちぃと使いすぎたんじゃわ」
『あんまり、無理したらいかんよ~これ、お菓子食べなよ~』

「まあ~こんがにせんと、ただ来てくれたらええのにのうや~」

ココロ良く 受け取る おばちゃん
久しぶりのお菓子か?
『まこと、芋いるか?』
「え~~!芋いけるん~?」
※注※ここは 大きく声を張り上げる
思いっ切り口角を 伸ばすように、歓声をあげる

『きてみ~今納屋で、よりよったんじゃわ』
おばちゃんは、畑仕事を一人で全部、こなす。広い広~い畑。
おばちゃんは、野良仕事に於いては、プロフェッショナルだけど
それ以外のことになると、
『ダイジョウブ?????』
と ワタシは、めちゃくちゃ心配してみる

前に こんな事があった

東京で暮らす息子さんから、宅急便が届いて、中にケースに入った
〈コロコロローラー〉のハンディが入っていた。
あの 白いプラスチックケースに、入ったコロコロね。

…で
おばちゃんは ワタシに聞いてきた。
ずっと 解らないで、取り出せていないのだと 言う

『菜菜子さんよ~これの出し方が、解らんのじゃわ~中は見えるんじゃけど
なんぼにも、うまいこと、外せんのじゃわ~』

斯く斯く然々
早い話
プラスチックケースは、一本の輪ゴムで、固定されていた。
ケースの蓋は開けているのだけど、輪ゴムがかかっているから
本体のローラーが、取り出せない…

『お・おばちゃん…この輪ゴム、外したらいけるんよぉ…』
輪ゴムを外した ワタシ

「まあ~よかった、よかった、わたしゃ、どんがにしたら、使えるんかとおもうて
ず~とあずりよったんじゃわ~」

輪ゴムも 商品の一部だと、信じて疑がわなかった 老婆
標高800メートルの、非日常…

で 二人で
畑に 出て
大根を抜きながら
しばし…ヴヴヴ星人の 思い出話…に花が咲く

土佐で生きているのに
まるで、
仏様に なった人を
偲ぶような
二人の会話
ヴヴヴよ ゴメンナサイ~

皺くちゃな 小さな手で
祖谷の食文化の一端を担うおばあちゃん達
まさに
祖谷マジックッの
スペシャリスト達
みんな、死なないで
なるべく 死なないでっ!
と 天を仰ぐ
わたくしで 在りました。

草 々