ピューピューとこがらしの音に身体が冷え冷えと悴んでくる、薄っすらと雪が
あり、草木も白くなって、まさに、冬本番となってきた
寒冷期に向かっているとのことであるが、今年は事のほか寒さが厳しくなりそうな
ドカ雪や深雪に悩まされるのであろうか、冬の暮らしはお年寄りには苦労が多い
白雪の薄らと木々に咲きにけり暮らしの老の苦労偲びて
枯れ果つる芒に宿る白雪に透かして仰ぐ祖谷の山々
枯れ果つる柴の庵に降る雪は寒々とせし木枯らし吹きて
雪降れば野べの小径も埋もれて病ひし老は冬ごもりかな
久保の里ひとり住みける老婦をば深雪来ぬ間に訪ふ思ひかな
雪分けて山の小径を登りをり花の咲きける心地こそすれ
思へただ深雪となりし祖谷のさと暮らしの老の嘆きこそ知れ
柿落葉未だ掻く人なかりけり
快晴に風なかりけり木の葉散り
空青し旅出づるなり夕時雨
木枯らしや吹き疲れなり月出づる
刈りあとや竿を叩きて蕎麦実出づ