仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

星が見えるまで2

2009年10月19日 17時45分42秒 | Weblog
 表札を見れば名前など簡単にわかった。ヒロムは記憶からも表札からも目をそらした。中に入って、ヒロムはこの前座った椅子に女性を座らせた。
「ほんとにすみません。」
「横にならなくてだいじょうぶですか。寝室は二階ですよね。」
「そんな・・・・。」
「何か飲物を持ってきましょうか。」
「でも・・・。」
「キッチンの場所はわかります。」
ケビンが玄関で鳴いていた。ヒロムは玄関戻り、ドアを開けた。ケビンは心配そうに主人のもとに走った。
「ケビン、ハウス。」
女性がそういうとケビンは階段を駆け上がった。ヒロムは目で追うだけだった。ハッとして、キッチンに向かった。キッチンは広かった。
といってもヒロムの新居と変わらないのだが、ヒロムの新居は常任と常連が入れ替わりで二人の世話をした。ヒロムがキッチンに入るのは深夜、飲物を取りに行く時だけだった。