
日産自動車は、取締役会で会長&代表取締役のカルロス・ゴーンと代表取締役のグレッグ・ケリーを解任した。
日産はゴーンを、①役職報酬の過少記載②投資資金の私的な支出③経費の不正支出の、3つを理由に解任した。東京地検は司法取引を適用し、①の金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で、ゴーンを逮捕拘留した。
しかし、金融商品取引法の違反容疑だけで、かつ未起訴の段階で日産が取締役会を開き、二人を欠席裁判のまま強引に解任した。
勿論、拘置所内でゴーンは容疑を否認し、ケリーも役員報酬については、”社内外に相談して問題ないとされたので問題ない”と述べた。
ゴーンの不正(背任行為)が明白でも、日産が未だ容疑の段階で二人を解任したのは、強引かつ乱暴過ぎると。
でもゴーンも”暴力的排除”で日産を再建しましたもの、お愛顧かもですかね。
今回、仏マクロン大統領の意向に従い、ゴーンが今年になって、ルノーと日産の経営統合(ルノーの100%子会社化)に、従来の態度を急変させたが故、追い詰められた日産の日本人幹部がゴーンを追い出したのではと。
故に3人の代表取締役が、今回の解任劇で西川社長(CEO)のみとなり、日産はルノーの経営支配から逃れ、日本人幹部による自主的な経営を行えるのですが。
しかしルノーは、2人の後任をルノー側の代表者を任命し、43.4%の大株主として、日産の経営支配の体制を再び取り戻す筈だから、ゴーンを追い出しただけでは、ルノー(43%)と日産(15%)の主従関係は何も変わらないと。
西川CEOとしては、今回の解任劇をきっかけに、ルノーと日産の提携関係を見直し、経営の自主性を取り戻す為、ルノーの日産株43.4%を買い戻すか、日産が保有するルノー株15%を買い増すかを考えてる筈だが。どう考えてもルノーが応じる筈もない。
むしろルノーは、今回の解任劇(クーデター)を二度と起こさせない為に、ルノーの日産株43.4%を50%に増やし、日産を完全支配した上で、更に日産保有株を100%にして経営統合するのではないかと。
もしそうなれば、今回の逮捕劇(陰謀=クーデター)は日産にとって裏目となり、最悪の結果になる。
”日産はルノーに潰される”と4年前の記事にあったが、このままだと何だか実現しそうな雰囲気ですな。
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先日のブログでも言った様に、いま日産が直面する最大の問題は、メディアが盛んに話題にする、カルロス・ゴーンの公私混同による不正といったちっぽけな事ではなく、日産がルノーの植民地として搾取される存在になるかも知れないのだ。
”ルノーに喰い尽くされる日産”にもあった様に、日産は配当金以外にも色々な方法でルノーに利益を掠め取られており、日産が”ルノーの奴隷”から脱するには、ルノーとの提携を解消する必要がある。が、ルノーの理解を得るのは困難であると。
というのも、日産だって再建には、ルノーから多額の資金援助を受けてるからだ。ゴーンの”コストカッター”だけでは、日産の再建は夢のまた夢だったろうか。
西川CEOは、今回の騒動でゴーンを追い出すだけでなく、日産とルノーの提携(資本関係)を見直す対応策を考えている筈だが。失敗すれば、彼は英雄ではなくドンキホーテにされてしまう。
しかし、独裁者として邪魔になったゴーンを追い出すには、今回日産が行った、司法取引を条件に内部から不正を検察に告発→検察が容疑者として逮捕・拘留→拘留中に欠席裁判のまま取締役会で解任、という手順は極めて効果的であるとの事。
詳しくは、”白象さんの気まぐれブログ”を参考にです。
つまり、今回のカルロス・ゴーン氏の逮捕劇で一件落着に収まった筈の事態が、一変する可能性が、最悪の事態になる可能性が出てきた訳ですね。
アメリカの独仏連携に対抗する介入や、仏政府と日本政府との対立とかが噂されてますが。このゴーン氏の逮捕劇をクーデターと見なす事で、新たな展開に発展しそうですね。
解析接続と同じで、一つ一つに固有の疑惑が噴出し、それらを収束させる過程において、様々な考察や憶測、それに洞察や駆け引きが飛び交うんですな。
今回の”クーデター”も、日産がルノーの支配から逃れる為の苦し紛れの、解説接続の一つかも知れません。
“Gone with the wind(風と共に去りぬ)”ではなく、”Ghosn was gone”でもなく、”Ghosn isnt with Renault”(ゴーンはルノーと共にあらず)といった所でしょうか。
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とここまでは、単にウエブで調べた情報に過ぎませんが。ここからは、私めの主観を。
そうです。表題の”Ghosn is not Gone”の意味です。直訳すれば、ゴーンは立ち去るべきではないと。この答えは最後でです。
ミシュランで成功を収めたゴーンは、ルノーでもコストカッターにより、何とか再建を果たす。その後、日産の再建に加わり、これまた強引なコストカッターで難局を乗り切った。レバノン系コストキラーの誕生ですかな(笑)。
あれだけの”暴力行使”が許されるなら誰でも出来るとの声も多い。あの山口組でさえ、これ程の”暴力的削減”を行った事はないとの声も。私がゴーン氏をマフィアに喩えるのはそこなんですよ。
彼の複雑な生い立ちが、暴力的成功の哲学を生み出したんですかね。”人は多様性から学び、そして共通性に安らぎを感じる”とは、ゴーンもよく言うな。
しかしその後、ヨーロッパ金融不安の波をルノーもモロに受け、赤字に転落。今度は再建を果たした日産から、多額の資金を赤字のルノーに横流ししたんです。
勿論、転覆寸前の日産を救ったのは、実質ルノーからの多額の資金援助でしたから、”打って擦れば元通り”という理屈でしょうが。
前回のブログで書いた様に、そうなれば自然と流れは見えてきますね。赤字続きで明日のないルノーにしては、日産を完全に取り込み、日産を骨抜きにすると。しかし、ルノーの筆頭株主である仏政府が黙っちゃいない。
仏政府からすれば、今度は腐りきったルノーを見捨て、今や上昇気流の日産にシフトすると。私だってルノーより日産に傾きますね。ブランドよりも技術を優先ですか。
勿論、ゴーンもこの仏政府の出方は知ってたろうか。日産の資産や儲けがルノーを通じ、仏政府に横流しされてる?という事も。今やゴーンは、仏政府につくか、ルノーにつくか、日産につくかの瀬戸際だろうね。
しかし、日産はいち早くゴーンを締め出した。ルノーの業績も不振であったが故、そろそろ用済みと噂されていたゴーン氏は、ルノーではなく日産から追い出された形となったのだ。
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あくまで表向きではあるが、日産を再建したのは言うまでもなく、ゴーン親分の”暴力的排除”のお陰である。かつて、1998年には約2兆円あった有利子負債を、2003年6月には、社債の発行によるが全額返済した。2003年度には12%前後まで落ちた国内シェアを20%近くまで回復させた。
かつてルノーを再建させたのとは、桁が違う。ゴーンに日産に対する愛着がない筈がない。内心は、”俺が作り上げた日産だ、ルノーに奪われてたまるか”って思ってるだろう。ゴーンがルノーと共にあらずというのはここだ。
故にゴーンは、ルノーによる日産の私物化にはずっと背を向けてた。
ブログでも書いた様に、彼はレバノン系ブラジル人で、フランスでは決して優遇されてるとはいえない。それがいい例に、冷たいルノーに背を向け、仏大統領の意向に傾いた途端に、しっぺ返しを食らった。
結局、ゴーンがいようがいまいが、ルノーと日産の主従関係は変わらない。
仏政府にとってゴーンは、単なる使い捨ての”裸の王様”だったのか。
ルノーにとってゴーンは、日産を支配下に収める為に送った、”レバノンの刺客”に過ぎなかったのか。
しかし、日産にとっては頼りになる他所様の親分(マフィア)だった筈だ。
そう考えると、ゴーンが仏政府にルノーに近づく可能性は低いか。あくまで素人の主観です。
結局、仏政府とルノーとの間でタライ回しにされたゴーンの逆襲はあるのか?そして、日産の巻き返しは?
この縮図を整理すると、ルノーの支配から逃れようとする日産を、仏政府は私物化したがってるし、日産はルノーと仏政府を敵に回してるようなものか。
一方、仏政府とルノーに駒扱いされたゴーンは、何処に居場所を求めるのか。このまま不正と共に去りぬ”Gone with Wrong”か。
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しかし、”ゴーンは立ち去るべきではない”。ルノーの奴隷化の防波堤として日産の盾になるべきか。ひょっとして日産は、そのゴーンを支えるべきなのか。
ゴーン・イズ・ノット・ゴーン(Ghosn is not Gone)とは、そんな期待を含めての言葉なんです。スペルの違いと掛けてますが(笑)。
でも、この先どうなるのか。じっくりと堪能させてもらいましょうか。
コストカッターが<暴力的排除>とは言い得て妙ですね。ゴーンのやり方は、今回の逮捕劇と同じように強引過ぎますか。
ゴーンは最初はルノーによる日産の統合には反対してたんですね。それがフランス政府に促されたのか、態度を急変させたんですか。それで日産が内部告発による逮捕に踏み切った。
何か出来のいい推理小説みたいです。
フランス政府とルノーの駆け引きも実に興味深いです。ゴーンと日産のこれからも同様に注目されてますね。
転んだサンの予想だと、ゴーンは日産に戻る方がお互いにいい結果が出ると。
そう言えば、ウォールストリートジャーナルは、ゴーンを逮捕した日産を批判してましたね。
いずれにせよ。日本は食い物にされるだけ?
そういえば、ゴーン氏は肉食系の顔をしていますね。
日産の突然のゴーンの逮捕がどう出るかが楽しみですね。
やはり、日産としてはゴーンを、ルノーやフランス政府に引き渡したくなかったんですかね。
これからが天王山ですか。
全く嫌な親戚付き合いと同じですかね。
利権や金が絡むと、ゴタゴタになる。
ゴーンさんは、肉食系というより、多様性肉食獣かな(笑)。
ゴーンは追い出すべきじゃない?
えええ、ゴーンは日産の敵じゃないんですか。
コストカッターといっても、強引な盗みみたいなもんでしょ。
転んだサンもいってるように、あのやり方は単純に暴力でしょ。ゴーンは逮捕され、日産を追い出され、益々フランス政府に近付くのでは。
縮図としては、フランス政府とルノーと日産の三つ巴なんでしょうが。一番立場が微妙なんは日産ですよね。この3つのうち、ゴーンが何処につくかだと思うんだけど。
日産は先に仕掛けました。でも、ルノーもフランス政府も強力なカードは持ち得てない様に思えます。
ルノーもフランスも暇を持て余してると、ゴーンと日産の和解という手もあるので、再建を果たし勢いに乗る日産がやや有利かなと思うんですが。こればかりは様子を見ないとね。
ゴーンって、やっぱり悪いひと。絶対そう思う。
リストラされた人や、切り捨てられた業者の人たち可哀想。だから今になってゴーンは切り捨てられたよ。
天罰が下ったの、そうでしょ?
でも転んだサン、少しゴーンに同情してる。どうして?
タテ社会で単葉な日本企業に多様性をもたらしたという点では評価してもいいかな。
それに、折角のゴーンの悪どさを利用しない手はない。それに、ルノーとの関係も何だか怪しいし。
それと、フランスの暴動も。これを見たら、ゴーンはフランスには戻りませんね。
という事で、ゴーンは去るべき(Ghosn is not Gone)ではないと。
お解りかな?
では、バイバイね。そうでもないか。
フランスはとうとう暴動が起きましたね。ゴーンを逮捕して直ぐのタイミングです。
フランス政府やルノーがどのタイミングでカードを切ってくるか。様子を見てたんですが。日産にもゴーンにも追い風ですかね。
勿論、まだ油断はならないんですが。ゴーンて強運の持ち主でもあるんですよ。
でも、ルノーは仏最大手ですから、どんな策を講じてくるか、見ものです。
最悪EU解体とならねばいいんですが。