象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

オリンピックをすぐに中止すべきだ〜税金を湯水の如く使いまくる世紀の祭典の行方

2021年04月02日 08時03分44秒 | 東京オリンピック

 元々私は、オリンピックというのには理解がない。
 そんな”オリンピックいらない派”の私も、一昔前のオリンピックには酔いしれたもんだ。
 アスリートたちは少なくとも選ばれし民であった。誰もが国を代表し、命を賭けて闘ってた様な錯覚を覚えた。メダルを確約された競技者がメダルを獲り損なえば、それは”間接的な死”を意味した。
 今とは異なり、金メダルと銅メダルでは天と地の差があったもんだ。
 それでも我ら大衆は、勝者を羨望と尊厳の眼差しで見つめ、敗者には憐れみと同情の複雑な感傷に浸った。

 そんな贅沢な余韻に酔いしれたのも、1976年のモントリオールまでだった。
 1980年のモスクワ大会では、ソ連のアフガン侵攻における米ソの政治的対立が激化し、アメリカを含む西側諸国がボイコットした。
 つまり、オリンピックという神聖なスポーツの祭典が、初めて”政治のオモチャ”に成り下がった実に悲しい大会でもあった。
 それでも、ソ連は水面下で手を尽くし、米国に従った国は思惑の半分にすぎなかった。
 因みに、西側諸国の英仏伊にオーストラリア、オランダ、ベルギー、ポルトガル、スペインなどは国旗を用いないという条件で参加した。


地に堕ち過ぎたオリンピック

 それでもまだ、オリンピックの中核をなすアマチュアの精神は損なわれてはいなかった様に思えた。
 しかし、4年後のロサンゼルス大会では、”カネ”が全ての商業五輪となった。まさに、”アメリカのアメリカによるアメリカの為だけ”の腐った祭典に成り下がったのだ。
 旧ソ連は崩壊し、世界はアメリカのポチになってしまう。そして、1896年にアテネで復活した近代オリンピックは、僅か100年足らずで、事実上の崩壊を迎えた様に思う。

 私には、それ以降のオリンピックは殆ど記憶にない。唯一私の心を踊らせたのは、100Mを9.86の驚異的な記録でルイスを打ち負かしたベン・ジョンソン(1988年ソウル)くらいだったろうか。
 しかしその彼も、ステロイド違反で金メダルと栄光と人生を剥奪された。以降、ステロイドが金メダルを獲得する為のインスタントなブームになるとは誰が予想したろうか。
 因みにルイスも後年、ステロイド使用を認めている。

 結局、モスクワ五輪(1980)で”政治”の、ロス五輪(1984)では”お金”の、そしてソウル五輪(1988)では”ステロイド”の奴隷と化した世紀の祭典に、どれだけの意味があるのだろうか?
 年表を見れば明白な様に、近代オリンピックはこの連続した3つの大会によって腐敗し、陥没してしまったのだ。
 そこで、1980年のモスクワ五輪以降を”近代”とは区別し、”現代オリンピック”と名付けたい。
 私達が”オリンピックで感動を”とバカの1つ覚えみたいに叫ぶのは、腐敗しその悪臭で肥大化しすぎた”現代オリンピック”の事である。
 勿論、ここ数大会のオリンピックにも”感動”は存在した。国を代表するアスリートはお祭り感覚で参加し、”楽しんできます”と平気で口にする様になった。
 競技のレベルも質も極端に低下し、お陰で”最低でも金メダル”とか”私を褒めてあげたい”とか、ウケを狙った言葉が口に出る様になった。
 一方で、メダルが獲れなくても”感動を有り難う”と賞賛され、勝者と敗者の境界は殆どなくなってしまった。


現代オリンピックの理念

 勿論、オリンピックに感動を求める事は間違ってはいない。
 しかしよく考えれば、オリンピックとはアスリートの為にあるべきではないのか。
 つまり、”アスリートによるアスリートの為のオリンピック”こそが、現代オリンピックに求められる基本憲章ではないだろうか。
 クーベルタン男爵が唱えた”参加する事に意義がある”は、裏を返せば”アスリートによる祭典”と同義なのだろうか。
 政治の餌になり、汚職と不正とステロイドで腐りきった祭典になるくらいなら、規模は小さくなるかもだが、アスリートがスポンサーをバックにつけ、アスリート主導で開催すればいい。
 少なくとも、IOCも政治家も役員も、そして多額の税金も必要ない筈だ。

 事実、旧ソ連が崩壊する前までのオリンピックは、勝負が前提として明確に存在し、競技としての勝負としての体を成してはいた。
 ソ連が勝つかアメリカが勝つか。西ヨーロッパが勝つか東ヨーロッパが勝つか。そこに、日本がどう食い込んでいくのか。
 まるで第三次世界大戦の代理戦争みたいな殺伐感が確実に存在した。
 感動を遥かに超えた緊迫感に、私は魂が震えたもんだ。勿論、クーベルタンが唱えた”参加する事に意義が”というきれい事が殆ど体をなす事はなかったが。
 つまり、”勝つ事こそが全て”の名誉ある祭典だったのだ。

 しかし、昨今のお金や政治力で膨張しすぎた現代オリンピックに、真剣勝負を求める余地はどこにもない。
 だったら、アスリートが十全に楽しめ、感動できるオリンピックをアスリートたちの手で開催したらどうだろうか。
 それしか、オリンピックを存続させる選択肢はないようにも思える。今のままではブルジョアと、税金を湯水の様に吸い上げる政治屋のオモチャになるだけである。
 誰だって、ミンクの毛皮を来た高給娼婦の様に成り下がったオリンピックの哀れな姿を見たくはないだろう。


やっぱりオリンピックは中止すべきだ

 ここに来ても、未だに8割近くの日本人がオリンピック開催に反対である。逆に、開催すべきという声は僅かに10%だけ。
 これはコロナ渦による悪影響が強く出た結果だが、コロナ感染が仮になかったとしても、”オリンピックは廃止すべき”な理由がそこにはある。

 内閣府と五輪の関連組織は、東京オリンピック”錦の御旗”にし予算を確保してきた。
 つまり東京五輪を隠れ蓑にし財政規律を緩めてきたのだ。”平和とスポーツの祭典”という誰も反対できないスローガンを利用し、税金を湯水の如く使い続ける。
 例えば、外務省は東京オリパラの海外要人(VIP)接遇経費として今年度予算に43.6億円を計上した。コロナ禍の中、40億円以上の接待費が必要なほどに、海外からVIPが来るのか?
 今やオリンピックというだけで税金が湯水の如く無駄に使われる時代。東京五輪の総経費は、夏季大会史上最高額の3兆円以上に達してるという(某ジャーナリストのコラムより抜粋)。
 これを聞いただけでも、如何にオリンピックが税金をたっぷりと含み、腐敗し膨張した化け物に成り下がったかを窺い知る事が出来る。

 一方で、毎日新聞が入手した内部資料では、企業委託費の人件費は1日当たり最高30万円とされる。
 東京五輪は計33競技339種目で、これを9都道県の42会場で実施する。各会場で観客誘導や報道対応などの業務が必要で、組織委がこの運営を企業に委託する。
 ある企業への委託費は計5億3000万円で、人件費単価は運営統括で30万円/日、チーフやディレクターで20万円/日という。
 全く、ボランティアには一銭もやらず、五輪に関わる政治屋や関係企業には税金を湯水の如く使いまくる。
 これじゃコロナじゃなくとも経費が肥大化し過ぎたオリンピックは今すぐ廃止し、税金から掠めとった経費をコロナ対策や自然災害地域の支援に使うべきだ。

 国民をバカにするのも限界があるが、何も叫ばない・何も調べない・何も勉強しない国民もそれ以上に愚かだろうか?
 今からでも遅くはない。すぐオリンピックを廃止しよう。そうしないと、本当に日本国民は政治家に殺されてしまう。
 少なくとも、聖火リレーに群がり、喜んでる場合じゃない。



9 コメント

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聖火リレーだけおこなって (HooRoo)
2021-04-02 12:56:16
オリンピック中止ってことが現実となったら?
今の日本政府の怠慢な態度ならすれば
そうなってもおかしくないような気もする

オリンピックの肥大化なんだけど
1972年のミュンヘン大会でテロが起きたおかげで開催都市の負担が大きくなったみたいね
でもモスクワ大会はソ連がほとんど自前でやったのよね
国威発揚がスローガンとなった最後の大会かもね
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Unknown (瓊花)
2021-04-02 14:22:22
オリンピック、バルセロナまでの記憶しかありません、自分でもびっくりしました。
もう十種競技だけでいいと思います、オリンピック。
いや、なくてもいいです、オリンピック。
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Hooさん (象が転んだ)
2021-04-02 15:25:52
現実となりそうな予感がします。
無学で無能な政府や五輪関係者も意地だけはありますから、強引に開催しようと企んでんでしょうか。
ワクチン接種がかなり遅れてるので、第4波と重なった時は中止でしょうか。
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瓊花さんへ (象が転んだ)
2021-04-02 15:29:43
ミュンヘン大会でテロ事件が起きた時、オリンピックの限界を見たような気がしました。
反乱分子が騒ぎ立てるに格好の祭典です。

なくてもいいオリンピックこそが最高のオリンピックですね。
でもこのままで行けば、中止のような気がします。聖火リレーも野次馬だけで殆ど盛り上がってないし・・・
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平和の祭典 (tomas)
2021-04-03 13:19:09
というよりも、税金ムダ使いの祭典って感じで
政治屋と土建屋が大喜びする4年に1度のお祭りだったんです。
土木事業が景気回復につながったのは一昔前のことで、今では数理系の超ハイテク産業じゃないと世界にはまず勝てないね。
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tokoさんへ (象が転んだ)
2021-04-04 03:34:16
平和どころか腐った祭典です。
アスリートは陳腐な自己満足に浸り、大衆は幼稚な感動を共有する。
どこから見てもペテンは見え見えなんですがね。

昔から”オリンピックは税金の無駄”って怒ってた、1964年の東京五輪を知ってる人達が少ななからず高齢者がいたんですよ。でもその時は、今のように肥大化してなかったから”まあいいや”って思ってたけど。
群衆心理に小数の貴重で適格な意見は潰されるんですよ。悲しい限りです。
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逆境とコロナ (tokotokoto)
2021-04-12 05:14:40
五輪強硬派は池江の復活という最後のカードを切ってきた。
変異株の猛威により五輪開催に赤信号が灯り始めてましたから、絶好のタイミングです。
しかし肝心の感染防止対策を講じないで、一アスリートの復活劇を利用する政府や組織委員会の腹黒さも半端ない。

事実、組織委は池江を利用した。
東京五輪の延期が決定した昨年7月、彼女は動画で<逆境を乗り越えるには希望の力が必要だ>と強いメッセージを配信します。
でもこのメッセージを聞いた時、コロナと彼女の逆境が重なりました。<コロナに打ち勝つためのオリンピック>という政府の言い分と全くダブったんです。
アスリートの奇跡の復活に浮かれ、国民の命を危険に晒すのが如何に危険かということを政府や組織委が理解してるとは思えないんですが・・・
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tomasさんへ (象が転んだ)
2021-04-12 09:21:02
前回の”平和の祭典”に関する返信コメント(4/4)はtokoさんじゃなくてtomasさんでした。修正です。失礼しました。
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tokoさんへ (象が転んだ)
2021-04-12 09:33:12
元首相の安倍も池江復活にはしっかりと便乗してましたね。”感動と勇気をありがとう。オリンピックでのご活躍を祈念しています”と五輪開催が当然の様な事をホザイてますね。
それに、池江の動画コメントは(渡辺直美をブタに見立てた演出案が問題となり辞任に追い込まれた)佐々木宏氏が演出したそうです。

こう見ると、明らかに五輪強硬派の陰謀にも思えますね。
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