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サルでも解る?バーゼル問題”その9”〜オイラーの和公式について

2024年08月31日 04時24分19秒 | 数学のお話

 前回「その8」では、バーゼル問題の完璧な証明となる”オイラー・マクローリン法”の詳細を述べましたが、少し判りにくかったでしょうか。
 1734年の最初の証明は、非常に画期的なものでしたが幾つかの問題があった。が、その10年後にオイラーは、無限解析を用いて完璧な証明を与えます。
 この完全なる”バーゼル問題”の証明(1745、1748)では、オイラーはまず多項式aⁿ−zⁿの有限積表示から始め、超越関数(eˣ−e⁻ˣ)/2の無限積表示を求めます。


ここまでの流れ

 そこでオイラーは、aⁿ−zⁿ=eˣ−e⁻ˣより、nを無限大とした時のeˣ−e⁻ˣの無限級数を考え、n=∞とした時の超越関数:(eˣ−e⁻ˣ)/2の無限級数展開は、(eˣ−e⁻ˣ)/2=x∏ₖ[1,∞](1+x²/k²π²)=x(1+x²/π²)(1+x²/4π²)(1+x²/9π²)(1+x²/16π²)・・・ー①と展開できるとした。
 詳細は「その7」に譲るとして、オイラーはsinhx=(eˣ−e⁻ˣ)/2で表される双曲線(正弦)関数はsinh(πz)=sin(πz√(−1))/√(−1)=πz∏ₖ[1,∞](1+z²/k²)との無限積展開を与えますが、πz=xとすれば、①式に変形できる。

 問題は多項式aⁿ−zⁿの有限積表示ですが、√(―1)を含む虚因子の有限積表示から、a=(1+x/n)、z=(1−x/n)と置き換え、nを無限大として、双曲線関数であるsinhx=(eˣ−e⁻ˣ)/2の無限積表示に移行します。
 ここで、①式でx=z√(−1)とおき、両辺を√(−1)で割れば、sinz=z(1−z²/π²)(1−z²/4π²)(1−z²/9π²)(1−z²/16π²)・・・との無限積展開を得る。更に、sinzの無限級数展開(=z−z³/3!+z⁵/5!−z⁷/7!+・・・)との係数比較により、(1+1/4+1/9+1/16+・・・)/π²=1/3!を得て、バーゼル問題の完璧なる証明にこぎ着けた。

 つまり、有限積多項式のaⁿ−zⁿを無限積(n→∞)に拡張する事で、(eˣ−e⁻ˣ)/2の無限積表示が∏(1+x²/n²π²)の形をしてる事をオイラーは見抜いていた。更に、x=z√(―1)とおき、双曲線関数(sinhx)の無限積展開とsinzの無限級数展開を比較する辺りは実に心憎い。

 「その7」では、双曲線関数:sinh(πz)=πz∏ₖ[1,∞](1+z²/k²)の無限積展開の証明を省いたが、これは三角関数の無限積展開:sin(πx)=πx∏ₖ[1,∞](1−x²/k²)―②を示せばいい。
 オイラーは、sin(πx)の零点は±nπとなるので、sin(πx)=cx∏ₙ[1,∞](1−x/n)(1+x/n)=cx∏ₙ[1,∞](1−x²/n²)と出来るとした。確かに、この両辺をxで微分しx=0を代入すればc=πを得て、目出度く証明としたいが、x→∞とすればsin(πx)は発散する。故に、無限乗積展開が収束するかどうかを直接調べる事は困難である。

 そこで、ₙ[1,∞](x²/n²)は一様収束する⇒∏ₙ[1,∞](1−x²/n²)も一様収束する”という収束定理を使う。故に①を示すには、f(x)=πx∏ₖ[1,∞](1−x²/k²)/sin(πx)=1を言えばいい。
 まず、f(x)=πx∏ₙ[1,∞](1−x²/n²)/sin(πx)として両辺の対数をとり、logf(x)=logπx+Σlog(1−x²/n²)−logsin(πx)として、両辺をxで微分すると、d(logf(x))/dx=1/x+Σ(1/(n+x)―1/(n―x))―πcos(πx)/sin(πx)を得る。
 ここで、余接関数の部分分数展開公式”πcot(πx)=1/x+Σ2x/(x²−n²)”を使えば、d(logf(x))/dx=0となり、f(x)は定数となるので、f(x)=f(0)=1が導け、②が示せ、双曲線関数の無限積展開の証明となる。

 一方で現代数学を使えば、バーゼル問題の完全証明はのsinの無限積展開の応用として簡単に示せる。まず、sinπzの無限級数展開により、|z|≤1にて、sinπz=πz−π³z³/3!+π⁵z⁵/5!−・・・と表され、特にz³の係数はπ³/6となる。一方で、πz∏ₙ[1,∞](1−z²/n²)=πz(1−z²)(1−z²/2²)(1−z²/3²)のz³の係数は、―π(1+1/2²+1/3²+⋯)となる。故に両者を比較すれば、1+1/2²+1/3²+⋯=π³/6を得る。
 つまり、オイラーは三角関数の無限積展開を起点にバーゼル問題を完全証明した事になる。

 以上より、円関数(三角関数)も双曲線関数も複素領域に拡張でき、無限級数や無限積展開が可能になる。故に、解析関数に昇華する事で対数微分が使え、更に、無限積はlog(対数)を取れば無限和になるから、バーゼル問題の証明の見通しは一気に明るくなる。
 一方で、sin(πx)=πx∏ₖ[1,∞](1−x²/k²)とのオイラーによる無限積による三角関数の表現は、後のアイゼンシュタインにより二重無限積による楕円関数の一般化に結びついた事も、大いに注目すべきである。


積分の起源

 そこで今回は、「オイラー・マクローリン法」について、優しく紹介し、”バーゼル問題”の最後にしたいと思います。
 以下、「驚異のオイラー・マクローリンの公式」より一部抜粋します。

 紀元前3世紀の数学者で哲学者でもあるアルキメデスは、放物線の曲線部分を小さい三角形で分割し徐々に埋め尽くしていき、最終的に三角形の面積の合計を無限級数の和として求め、曲線部の面積を求めました。
 このアルキメデスの求積法こそが、積分法の原風景でした。それから千年以上の時を経て、17世紀にゴットフリート・ライプニッツ(1646-1716、独)により、∫という積分がデザインされます。

 記号Σ(シグマ)と∫(インテグラル)の由来は共に合計SumのSで、積分記号の∫はSを上下に伸ばした形です。
 数の違いが記号の形に表れますが、Σの変数は自然数1,2,3,…で、1ずつ大きく変化する様子は階段をイメージさせ、それがΣの直角部分と重なる。
 一方で、∫の変数は実数で、自然数の様な離散的ではなく連続的(滑らか)に変化する。実数は”無限小変化量”との考え方で、それが∫の曲線に表れる。その∫を使って曲線に囲まれた面積を求めるのが積分法でした。
 このΣと∫に共通するのは、どちらも始まり(下端)と終わり(上端)で合計が算出される。
 そこでΣと∫が同時に現れる風景、”区分求積法””オイラー・マクローリンの公式”を2つ眺めていきます。

 では、どうすれば滑らかな曲線に囲まれた面積を求める事ができるのか?
 昔の数学者は、”囲まれた領域を細い短冊型の長方形に分割し、その分割数を無限にし、それらを足せばいいのではないか”と考えたが、これこそが区分求積法の基本的な考え方です。


区分求積法とオイラー・マクローリン法

 そこで、放物線y=x²とx軸、更に直線x=1で囲まれた部分の面積を求めてみる。
 まず、x軸上の区間をn分割すると、分割された1つ1つの帯の幅は1/n。すると、x=0を0番目のx座標x₀=0、次の1番目のx座標x₁は1/n、・・・、n番目のx座標xₙはn/n=1と表され、k番目のx座標xₖはk/nとなる。
 そこで、下方和S(放物線の下に接する面積)と上方和S*(放物線の上に接する面積)をそれぞれ計算すると
 S=1/n{(0/1)²+(1/n)²+・・・+(k/n)²+・・・+((n−1)/n)²}=1/n³・Σₖ[0,n-1]k²=1/n³・(n−1)n(2n−1)/6=(1−1/n)(2−1/n)/6となり、n→∞(無限大)の時はS→1/3と算出出来る。
 S*=1/n{(1/n)²+・・・+(n/n)²}=1/n³・Σₖ[1,n]k²=1/n³・(n)(n+1)(2n+1)/6=(1+1/n)(2+1/n)/6となり、n→∞の時はS*→1/3。
 以上より、極限で2つの面積を挟み撃ちすれば、放物線の面積=1/3が得られる。勿論、ライプニッツの∫(積分法)を使えば、極限を使わなくとも一発で答えが求まるのだが・・・

 この区分求積法は、∫の計算をΣで計算するが、オイラー・マクローリン法はこの逆で、Σの計算を∫で計算する所が”匠の技”である。 
 そこで、1/1+1/2+1/3+…+1/999998+1/999999+1/1000000という100万項のたし算を例に取る。
 自然数の和ならば高校数学のΣの公式で解けるが、分数の和だから高校数学のΣの公式では太刀打ち不可能だ。
 勿論、小学校で習う”通分”を使えば計算出来るが、100万項の分母の通分は困難を極める。が、この問題の答えは有限な数値である事だけは明白です。

 だったらどうやって計算すればいい?
 オイラーが調和級数:1/1+1/2+1/3+1/4+…を使い、ゼータ関数(級数)を発見したのは有名な話です。が、オイラーの師匠であるヨハン・ベルヌーイ(1667-1748)も調和級数が発散する事を証明したが、以下の無限級数:1/1²+1/2²+1/3²+1/4²+⋯が収束する事は証明はできても、収束値を得るという”バーゼル問題”を解く事は誰もできませんでした。

 そこで、オイラーがこの問題を解く為に動員した道具こそが”微分積分法”でした。そして、上の(ゆっくりと)発散する調和級数が有限項だったら?という問題に直面します。
 矛盾する様だが、無限項ある調和級数の方が簡単で、100万項という有限項の分数のたし算の答えを得る方がはるかに難しい。というのも、発散する値は計算する必要がない。
 オイラーがバーゼルの問題を解いたのが1735年で、その3年前の1732年の、バーゼルの問題に取り組んでいる最中に、オイラーは驚くべき道具を作り上げていた。それこそが”オイラー・マクローリンの公式”です。
 オイラーは、この驚異の公式をバーゼル問題解決後の1738年に発表し、一方で1742年に、マクローリン級数で有名なコリン・マクローリン(1698-1746、英)が独立に発表した事から、この名前がつけられている。


オイラーの和公式

 はたして、100万項の分数に有限な数値が見つかるのか?
 因みに、オイラーマクローリン公式(以下オイラーの和公式)は、Σₖ[m+1,n]f(k)=∫[n,m]f(x)dx+{f(n)−f(m)}/2+Σₖ[k≥1]Bₖ₊₁/(k+1)!・{f⁽ᵏ⁾(n)−f⁽ᵏ⁾(m)}で表され、ざっくり見れば”Σ=∫+α”の形をしている。
 左辺のΣは、第m+1項から第n項までの数列の和で、右辺の第1項の∫はm~nまでの定積分です。 
 注目すべきは両辺に現れるfだが、左辺のΣの中にあるのは、自然数kに対する数列f(k)で、右辺第1項の∫の中にあるのは実数xに対する関数f(x)である。
 これは、”数列の和Σを定積分∫で評価しよう”というオイラーの明確な意図が理解できる。
 つまり、数列f(k)の和Σは短冊状の“ガタガタした形の面積”で、それを関数f(x)で表される“滑らかな曲線で囲まれる面積”で評価する。

 もっと言えば、右辺第1項の定積分∫(曲線で囲まれる面積)で一気に“ガタガタした面積”を押さえる。更に、α(第2項+第3項)は誤差補正を表し、“ガタガタした面積”と“曲線で囲まれる面積”との誤差の事である。
 また、第3項に見えるf⁽ᵏ⁾は関数fのk回微分を表す。即ち、関数が0回微分、1回微分、2回微分⋯∞回微分までの和で表す事で、誤差補正を無限に細かくする。
 つまりオイラーは、マクローリン級数で関数を近似する風景を連想した。 
 以上より、オイラーの和公式は、Σ(ガタガタした形の面積)=∫(曲線で囲まれる面積)+α(微分を用いた誤差補正)と見る事が出来る。
 但し、右辺第3項には、”関=ベルヌーイ数”Bₖが登場する。関ベルヌーイ数については「ゼータ関数を支える日本人数学者・関孝和」で紹介してるから、詳細はそちらに譲るとする。

 この様にオイラーの和公式は、数列の和Σを精密に計算する為に、”積分∫+微分+関ベルヌーイ数”を用いる計算技法とも言える。
 そこで、実際に前出の100万項の分数のたし算”1/1+1/2+1/3+…+1/999998+1/999999+1/1000000”に、この公式を適用するが、公式を適用する下準備として、f(x)=1/xとし、f(x)を7回微分まで計算し、関ベルヌーイ数を用いて、オイラーマクローリン公式の右辺第3項部分を第7項まで展開した式を準備する(上図参照)。


足し算の呪縛と数値計算の謎解き

 問題の最初の10項部分1/1++1/10にオイラーマクローリン公式を適用すると誤差が大きくなる為に、続く1/11++1/1000000部分の計算に公式を適用する。
 まず、左辺Σの下端と上端をそれぞれm=10、n=1000000(=10⁶)として、右辺のmとnにその数値を代入。右辺第1項は1/xの積分logxが登場し、右辺の残りの項は分数になる。
 次に、10⁻²⁰程度より小さい項を省略し、小数点以下20位まで計算する(下図1)。99万9990項の分数のたし算が、僅か9項の計算に集約されてることが判りますね。
 この数値に、最初の10項分の和を足せば、以下で示す様に、100万項の和が得られる(下図2)。
 1/1+1/2+1/3+…+1/999999+1/1000000=14.39272672286…

 現在の電子計算機を使えば、100万項の分数の計算は僅か1行のプログラミングで出来るが、その結果と比べても、オイラーの和公式による結果が小数第11位まで一致してる事に驚く。
 今から285年前、自動計算機が存在しなかった時代に、オイラーは調和級数に続くバーゼルの問題を解く際、有限数列の和の計算に迫られた。そこで作り出されたのが、この驚異の公式である。
 オイラーが動員した数学は、積分法∫、微分法f'(x)、関ベルヌーイ数Bₖ、指数、対数logで、これらを使い、100万項もある分数のたし算の答えを手計算で求めたのだ。

 数値計算の魅力に取り憑かれたオイラーは、その謎解きの中で、三角関数、対数、微分積分法、マクローリン級数たちと出会う。
 なぜ、かくも沢山の数学が数値計算の謎解きに現れるのか?
 つまり、オイラーがゼータ級数の数値計算の為に、数学を総動員して作ったのがオイラーの驚異の和公式だった。
 過去を遡ると、多くの偉大な数学者たちが数値計算と共に新しい数学を切り開いてきた。そして、現代に生み出されたのが電子計算機である。
 以上、桜井進氏(JBPress)のコラムから長々とでした。


最後に

 長い間、数学者を悩ませ続けてきた”Σの呪縛”を解き明かしたオイラーマクローリン公式だが、Σの計算が様々な数学と共に解き放たれてく様は、美しく鮮やかでもある。
 この和公式が驚異だと言えるのは、そのせいかもしれない。 
 桜井氏は”Σの呪縛を解く”シリーズとして、「無限にたし算する風景」「パターンからルールを見つけよう」「1から10万や奇数と偶数を簡単にたし算する方法」「平均寿命の計算法を編み出したバベッジの夢」と(有料だが)4つのコラムを紹介している。
 それぞれが非常に分かり易く紹介されているし、数学に馴染みがない人でも”足し算の魔術”を十分に堪能できる筈である。

 計算の旅をすれば、数学の風景に出くわす。ただ我々と異なるのは、(オイラーも含め)過去の偉大な数学者たちは、ただ馬鹿正直に計算するではなく、様々なアイデアや工夫やツールを創出し、計算という旅の中に組み込んでいく。
 かつてプラトンが”算術と計算は異なる”と語った様に、計算の中に公式や公理という魔術を仕組ませる事で算術に仕立て上げ、算術(数論)以外のあらゆる数学の分野に転用していった。

 冒頭でも述べた様に、オイラーは1/1+1/2+1/3+1/4+…という単純な調和級数を計算し、ゼータ関数(級数)という保型関数を発見した。
 今までもこれからも、数学の旅は延々と続くのであろう。そして、数学がもたらす風景は様々な驚異の発見を我ら人類に提供する。
 今日紹介した、オイラーマクローリンの和公式には、過去の数学者達が積み上げてきた驚異と創造が、文明を築き上げるが如く凝縮してる様に思えてならない。



6 コメント

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猿にはワカランだろう (UNICORN)
2024-08-31 12:46:44
有限積展開の多項式aⁿ−zⁿを無限積に拡張する事で、双曲線関数sinhx=(eˣ−e⁻ˣ)/2が(1+x²/n²π²)の無限積の形をしている事をオイラーは見抜いていた。
これからsinxの無限積展開式を導き、sinxの級数展開と係数比較してバーゼル問題の完全証明を得たけど、偶然の産物ではない事を我らは思い知る。
オイラーは神憑りな計算だけでなく、その洞察と直感は驚愕に値する。

ご指摘のように
オイラーによる無限積による三角関数の一般化が、後のアイゼンシュタインにより二重無限積による楕円関数の一般化に結びついた事も数学史上に残る金字塔と言えるかもしれない。 
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UNICORNさん (象が転んだ)
2024-08-31 14:05:16
言われる通り
当り前の事ですが、サルでは分からんですよね。
最後は、もっとシンプルに簡単に行きたかったんですが、sinの無限積展開に至るまでの過程が何度見ても驚きで厄介でした。
勿論、オイラーの数学脳が異次元の領域にあるのは百も承知ですが
双曲線sin関数の無限積展開の考察から、sin関数の無限積展開に結びつける辺り、ガウスの口癖である”特殊から一般へ”をそのまま実践しています。
つまり、”数学は帰納的であるべきだ”というガウスの主張をガウス以前に実践したオイラーの驚異の思考術とも言えますね。
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一般から特殊へ (paulkuroneko)
2024-08-31 16:34:17
アルキメデスからライプニッツへと旅した積分は、オイラーに受け継がれます。
∫の変数(実数)xは連続的かつ滑らかに変化する。従って、無限小変化量=Δxは∫の曲線上に表れ、その∫を使って曲線f(x)に囲まれた面積Sを求めるのが、S=∫f(x)Δxで記述されるライプニッツの積分法です。

それに対し、古代の積分(区分求積)法では、囲まれた領域を短冊型の長方形に分割し、その分割数を無限にして足し合わせ、正確な面積を求めようとしました。
区分求積法は∫をΣで計算しますが、オイラーの和公式では逆に、Σを∫で計算し、Σ=∫+αの形で表します。

まさに”一般から特殊へ”となるのですが、”数列の和Σを定積分∫で評価しよう”というオイラーの逆理とも言えますね。
勿論、精度を高める為に、誤差補正αにはn階微分とベルヌイ数が準備されますが、∫=Σ−αとすれば”特殊から一般へ”となります。
こうしてみると、単純な無限に続く分数の計算ですが、オイラーに掛かると鮮やかな等式に昇華します。
従って、オイラーが描く数学の景色とは、常に美しくあるべきものでしょうね。 
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paulさん (象が転んだ)
2024-08-31 22:35:10
オイラーの和公式を、例えで言えば
数列の和∑で出来たギザギザを積分と誤差補正で滑らかにする。
その際に使われるツールが、n階微分とベルヌイ数という事になる。
言われる通り、オイラーはΣを∫で計算し、Σ=∫+αの形で表しますが
積分を誤差補正で一般化する事で、数列の和を特殊化します。
結果として、積分はn階微分とベルヌイ数で再構築される訳ですが
オイラーが描く数学の景色はこうして美しく大きな花を咲かせ続けてきたんでしょうか。

いつもコメント勉強になります。
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オイラーの驚異の和公式 (腹打て)
2024-09-02 16:42:32
オイラーの和公式とは、数列の和を積分と微分と関ベルヌーイ数を用いて特殊化した計算方法とも言える。
今のように計算機が存在しなかった時代
バーゼル問題を解き明かす過程で、オイラーは有限数列の計算に追われ、そこで作り出された驚異の公式。
これこそがバーゼル問題の奇跡の落とし物とも言えるけど、そのオイラーが令和のAI(電子計算機)をみたら、何と嘆くだろうか? 
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腹打てサン (象が転んだ)
2024-09-02 18:56:25
天才らが数学を様々に彩った中世ヨーロッパの時代ですが
昨今の中途な子供騙しのAIならば、逆に足手まといでしょうね。
それでも、複雑な計算の精度が上がるに連れ、計算機の需要は高まりますが、そこで生まれたのが高度にアルゴリズムされた計算機、つまりコンピューターでした。
そのコンピュータ全盛の時代でも、オイラーらの天才達が生んだ驚異の公式は未だに光を放っています。
それこそが、AIにとっては脅威なんでしょうか。
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