象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

続・アスリートの金ピカ

2023年09月10日 15時10分18秒 | スポーツドキュメント

 こういうシーンを見てると、とても悲しくなるし、腹も立つ。
 「プロ野球選手の金ピカ」でも書いたが、あらゆるプロスポーツの中で、首にチンジャラしたド派手なアクセサリーをぶら下げてプレーする競技がどこにあろうか。
 事実、アメリカ4大スポーツ(NFL,MLB,NHL,NBA)の中で金ジャラネックレスを付けてプレーする選手が目立つ競技はメジャー(MLB)だけの様な気がする。一部例外はあろうが、金ピカがこれだけ頻繁に目立つ競技も珍しいし、低俗にも思える。
 バスケットW杯を見た後だからそう感じるのだろうが。野球と違い、世界中に蔓延する底辺の広いプロスポーツは、実に見ごたえがある。ラグビーはオリンピックの種目こそ外れてはいるが、獰猛とか格闘とか血腥いという点では、アメフトを凌駕してるように思える。

 それに比べ、昨今のメジャーリーグは私が思う以上に衰弱している。競技人口が限られるという事もあろうが、スタメンは中南米の選手で占められ、その殆どの選手が金ジャラをぶら下げる。彼らを悪く言うつもりもないが、これほどまでに金ジャラを見せつけられると、神様でなくとも癪に触る。
 春先と言えど、WBCではアメリカは本気だった。若い選手で占められ、勢いもあったが、日本に力負けを喫した。
 プロスポーツと言えど、興行であると同時に真剣勝負でもある。肉と肉が削り合う神聖な場で、大金を稼ぎ出すスーパーリーガーたちが、”カネ持ってんだべぇ〜”と縁日で買った様なド派手な金のネックレスをこれでもかと見せつける。
 これがプロレスの試合だったら、ボクシングの試合だったら、いやワールドカップ決勝のPKの場面であったなら・・・考えなくともどうなるかは想像がつく。


成金趣味か?ファッションか?

 いくら、億万長者を誇示するの成金趣味であっても、真剣勝負のプレー中に金ジャラを見せつけるこたないだろう。
 例えファッションだとしても、日常生活やプライベートで着飾ればいいものを、娼婦のミンクの毛皮の如く、仕事中に見せびらかす事はないだろう。いや娼婦ですら、仕事の時は毛皮を脱ぐのにである。
 こういうのを見るにつけ、メジャーも終わったなと思い知る。実際に昨今のMLBは高校野球化し、今のエンゼルスなら大阪桐蔭よりも確実に弱い(多分)。

 そういう私は、元々MLBの大ファンだった。
 今のように質の低い成金リーガーは殆ど存在せず、皆が皆真剣勝負で、ある意味命を賭けていた。勿論、金ピカは存在しなかったし、そんなチャラチャラしたのモノが介入する隙間すらなかった。
 170K近い豪速球は平気で打者の胸元を刳り、乱闘はブラウン管が壊れるかと思う程に真剣に殴り合っていた。今のようにボールも飛ばなかったから、打球も凄く重く鋭利に感じた。

 一方で、金(ゴールド)は成功の証や権力の鼓舞として使われるから”スーパーアスリートには必須のアイテム”という声もある。しかし私には、学と教養のない無能な脊椎動物にお似合いの、低俗な悪趣味にしか思えない。
 事実、現在メジャーで最高の選手は大谷である。それもダントツの存在だ。60億と噂される稼ぎからしても、MLB史上に名前が残る選手である事は間違いない。
 が、その大谷はネックレスをしない。いやネックレス如きで自分の権威や存在をアピールしたりはしない。
 もし彼が首に金ピカを巻きつける様な低俗の生き物だったら、二刀流なんて夢のまた夢であったろう。神様だって人間を見ている。

 それに、彼の半分のパフォーマンスも残せないで、スーパーと名のつくメジャーも恥ずかしながら存在するし、悲しいかな彼らの多くは金ピカを首にブラ下げている。 
 かつてイチローが金ピカリーガーだったら、200本安打すら成し得なかったろうし、シーズン最多安打の世界記録も夢に散ったはずだ。野茂が金のピアスを付けて、海を渡りドジャースのマウンドに上がってたら、僅か1ヶ月でクビであったろう。
 人が大きな仕事をやる時には、卓越した才能だけでなく覚悟と勇気が必要である。少なくとも、金ジャラや金ピアスは必要ない。

 スラム上がりで、まともな教育を受けていない中南米の選手らが金ピカを付けたがるのは100歩下がるとして、アメリカ白人までもが金ピカを付ける様になってきた。
 かつては黒人の金ピカにイチャモンを付け、金ピカリーガーを見下してた白人たちがである。
 黒人選手は自由と権利を誇示したつもりだろうが、悲しいかな貧困と無学をアピールしただけに映る。少なくとも、いくらアメリカという新大陸で成功したからとて、奴隷船が金の延べ棒になる筈もない。


野球以外でも金ピカ

 ”金ピカと言えば野球選手”とてっきり思ってたが、野球以外のスポーツでも金ピカアスリートが目立つ様だ。
 女性アスリートならアクセサリーやファッションとしての必須アイテムだろうが、男性アスリートとなると生理的にウンザリする。
 ダサいとかカッコ悪いとかじゃなく、金ジャラと真剣勝負とのコントラスト(対比)があまりにもかけ離れすぎて、生理的に受け付けないのだ。
 もっと言えば、皮を剥がれた蛇を見てるみたいで、吐き気がする。
 もし蛇やワニが金ジャラをしてたら、私達はそれをファッションと呼んで容認するのだろうか?もしドブネズミやゴキブリが金ピカをしてたら、それを権威や権力を誇示する象徴とみなすのだろうか?
 それと同じ様な事が、金ピカアスリートにも言えやしないだろうか?

 仮にこれ以上、金ピカアスリートが地下の排水口に棲み付くドブネズミみたいに繁殖したら?そしてそれが当たり前の様になったら、私達は彼らと価値観と金ピカを共有できるのだろうか?
 勿論それができれば、我ら人類はドブネズミとも共存できる筈だが、現実には毒餌やトラップを仕掛けて彼らを駆除し、金ピカを窃取するだけである。
 しかし今、プロスポーツにとって駆除&窃取すべきは、人に害を与えるネズミではなく、金ピカアスリートなのかもしれない。
 金ピカアスリートらにトラップを仕掛け、駆除する様な事が実際に起こったとしたら?冗談としても笑えない話だが、ネズミが見たらどう思うだろうか。

 一方で、バレーボールの日本代表選手にも金ピカを付けてるのがいるし、世界陸上でもド派手な金ピカアスリートが目立つ。それでも私は”アスリートに金ピカは似合わない”と言えても、”ネズミに金ピカは似合わない”と明言できる人が何人いるだろうか?

 金のネックレス如きに目くじら立てるなと指摘されそうだが、腐った排水口に繁殖するネズミの様に、金ピカアスリートが巨大な群れをなせば、生理的にかつ反動的に彼ら彼女らを駆除しようとする力が湧く筈だ。
 やがて、その力はプロスポーツ全体にまで及び、プロスポーツは金ピカと共に死滅するのだろうか。
 勿論、金ピカが腐ったアスリートたちを駆除してくれるのなら嬉しい限りだが、人は腐っても金は腐らない。だから金にはアスリート以上の価値がある。
 仮に、金がネックレスの形をしてアスリートに近づき、宿主にし、やがては食い潰してしまう。そう思えば、金ピカが繁茂するのも当然の結末とも言える。


最後に

 一方で、アスリートらが金ピカを肌身につけたがる気持ちも解らなくはないではない。
 しかし、競技中に金ピカを誇示されても、アスリートらが誇示すべきは、自らの肉体の躍動というパフォーマンスであり、金ピカの資産価値ではない。
 つまり、金ピカは単なる資産であり、ファッションでもアクセサリーであったとしても、成功や権力を誇示する象徴ではない。
 少なくとも、”ブラックパワー・サリュート”事件のように、黒人である事の誇りと(差別と困難から立ち上がる)意志と勇気を訴える為の行為ではない。

 1968年のメキシコオリンピックでのスミスとカーロスの2人は表層台の上で、金ピカではなく、黒いスカーフを巻いた拳を天に向かって突き上げた。
 2人は、(横行する差別に目を背け)メダル獲得の為だけに黒人選手を送り込むアメリカ社会に抗議の意志を示したのだ。そこには金ピカの様に薄っぺらな権威ではなく、人生を賭けた覚悟が明確に存在していた。
 しかし、2人には想像を絶する苦難が待ち構えていた。2人とも勤務先から解雇され、貧困に苦しむ生活を送った。家族への脅迫も相次ぎ、カーロスの妻が自殺するという悲劇まで起こった。

 今では2人は”人種差別と闘った英雄”として尊敬され、多くの人たちの共感と勇気を生んでいるが、彼らが今の金ピカアスリートを見たら何と思うだろうか?
 その1人、トミー・スミス氏も今は79歳になる。彼は大学時代は社会学を専攻し、オリンピック後は、大学に残り、陸上コーチの傍ら社会学を教えた。
 因みに、ブラックパワー・サリュートとは、拳を高く掲げる”ブラックパワー”を誇示するパフォーマンスだが、誇示と言うより社会学の視座から眺めた黒人差別に対する必死の訴えのようにも思えた。

 ブラックパワー・サリュートから金ピカへ
 時代とは全くの気まぐれで、よく変わるもんだ。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (hitman)
2023-09-11 10:24:06
金ピカは害を与えるネズミ

ここまで云いますか(@_@)

腐った排水口に繁殖する金ピカアスリート

ここまで云うか(+_+)

でも
アスリートは腐っても金ピカは腐らない

ウンウン、言えてる。 
返信する
hitmanさん (象が転んだ)
2023-09-12 01:42:16
少し言い過ぎかもしれませんが
ここまで言っても、金ピカアスリートはなくならないでしょうね。
勿論、金ピカアスリートはそう思われてるのは覚悟の上で金ジャラしてる訳で・・

でも、バスケットやラグビーなんか見てると、そんなのが入る余地は全くなくて、金ピカの駆除は健全なスポーツ存続の為の有効な対策なのかなとも思います。
返信する
サッカーにラグビーに (tomas)
2023-09-13 15:03:46
それにバスケット
世界中に競技人口を持つスポーツって
華がありますよ。
野球と違って運動量もスピートも雲泥の差だし
見てて体中が興奮する。
少なくとも、金ネクしてプレーする選手なんか1人もいない。それなのに皆カッコいいし女にもよくモテる。

一方で野球選手は金ジャラで成金をアピールし、それで駄目なら力技で女を口説き落とす。
それでも駄目ならレイプする。
金ジャラと暴力とレイプ
何だかアメリカの行く末みたいですが
日本のプロ野球だけはメジャーみたいにはなってほしくはないですね。
返信する
tomasさん (象が転んだ)
2023-09-14 01:37:46
サッカーは
トルコ戦を見ました。
進化した日本の姿に感激しました。
バスケットもラグビーも夢のあるスポーツですよね。
その点、野球はというと・・・
これも時代の流れなんでしょうか。
見てて辛いものがあります。
返信する

コメントを投稿