一平､全てを白状しろ！〜違法賭博と豪遊とマネーロンダリング

　水原容疑者の逮捕劇では､日米でその見解がくっきりと分かれてしまった。
　つまり､日本では”大谷クンは何の責任もない！全て一平チャンのせい！”となるが､アメリカの論調では”Mrオータニは金に無頓着すぎるし､今回の悲劇は無責任志向による自業自得だ”となる。
　因みに､無頓着とか無責任とかは､欧米では特に､子供(Mr.Child)に対し､多く使われる言葉である。　故に､キツい言い方をすれば､”大谷が(無邪気という意味で)バカだからこんな結末になった”となる。

　子供の頃から野球一本で育ち､野球だけが生き甲斐で大きくなった輩に､常識や教養云々を求める事自体に無理があるが､黒板の字すら読めない？野球選手でも､大金が入金されてる口座の数字を読む事くらいは出来るだろうに・・・
　仮に､自身で口座を管理できなければ､カネに飢えた赤の他人の通訳や管理人に頼るではなく､血の繋がった両親に頼るとか､口座を分散するとかの方法もあった筈だ。
　これに関しては､過去に何度か書いてきたが､大谷選手が月に1度でも口座を確認すれば､何事もなかった筈だ。水原容疑者は転落人生を歩む事なく､スクーリングと自己反省だけで将来を約束された筈の人生を取り戻していたろう。
　一方で､1度穴の空いた(違法賭博を牛耳る)闇組織は､徹底した捜査を受け､上手く行けば壊滅させられたかも知れない。が､大谷選手が2年近くも放ったらかしたが為に､闇組織も地下深くに分散してしまった。故に､捜査のしようもない。

　確かに､大谷は無実であり被害者でもある。だが､彼のカネに対する無頓着とか無責任が､今回の惨劇を生んだのもまた事実である。

賭け屋は所詮､賭け屋

　水原容疑者が違法賭博側に送金した1600万ドル(約26億円)の一部が明らかになった。
　米ESPNによれば､まず50万ドル(約7800万円)が､ボウヤー氏が所収するカリフォルニアとラスベガスのカジノ口座に預金され､チップ交換後に勝った場合のみ現金化され､事実上のマネーロンダリングに利用された。
　因みに､胴元のボウヤーだが､カジノで790万ドル(約12億4000万円)を散財したという。
　26億の約半分を賭博で失うとは､全く”賭け屋は賭け屋”という笑えない現実だが､そのボウヤーは､常連のカジノで790万ドル(約7億4000万円)を失っていた。FBIは家宅捜査に踏み込み､彼を全米のカジノで出入り禁止にした。更に､ボウヤーには顧客が600人以上いて､水原容疑者はトータルで､差引き4070万ドル(約63億8000万円)もの負債を抱えていたという。
　そんなボウヤーだがラスベガスでは”クジラ(大金を使う客)”として知られ､カジノで数百万ドルを失う事をも恐れない。妻や友人らとの豪遊も､こうして落とされた大金で賄われていた。
　水原容疑者が､大谷や銀行を騙し､不正に送金した大金が､これらの悪事や豪遊に使われてた事が今回の事件の実態である(RONSPOより)。

　無教養で無邪気なスポーツ選手が身体一貫で稼いだお金だが､米国の“闇社会”に次々と消えていく。つまり､弱肉強食の世界の如く､賢い生き物は捕食者になり､無知な生き物は被食者になる。
　大谷も過去の往年のスーパースターたちと同じく､野球をやめる頃には文無しになってるのだろうか。自業自得と言えばそれまでだが､それでは､あまりにも悲しすぎる。
　26億円の損失を尻目に､ウン十億の豪邸を建て続ける大谷だが､こうしたド派手な不動産投資も転売屋にいい様に騙されてる可能性もなくはない。因みに､ネットでロス郊外に建てた12億の私邸を見たが､”アンナンで？”と思ってしまった。

　
一平は､本当の事を言うべきだ

　アメリカの記者の中には､FBIが大谷を”100％被害者である”と断言したにも拘らず､未だに疑惑の目を持つ記者もいる。
　実は､私もその1人である。それに､ここまで書けば”アンタは非国民だ”と言われそうだが､腑に落ちない点が幾つかある。

　FBIは､水原容疑者と大谷選手の携帯電話において､2020~24年に渡って交わされた9700件に及ぶ膨大なメッセージのやりとりを調べたという。
　その疑問の1つが､韓国遠征中の3/20に､水原容疑者とボウヤー氏とが行った以下のやりとりである。
　水原はボウヤーに”記事を見たか？”とメッセージを送った。ボウヤーは”見たよ。だが全てがデタラメだ。言うまでもなくお前は大谷から盗んでいない。(大谷が)肩代わり(CoverJob)した事は分かっている”と返信。
　水原は”厳密に言えば(Technically)彼から盗んだ。もう俺は終りだ”と返した。

　事実､”大谷にバラすぞ！”と脅す相手に”実は盗んでいた”などの弱みは絶対に見せない筈だ。そう考えるとボウヤーが”(大谷が)肩代わり(CoverJob)した事は判っている”と発言するのは納得がいく。それに､水原が”盗んだ”事を初めて胴元に明かす際に”厳密に言えば(Technically)”と念を押したとも考えられる。
　NBCスポーツは”もし､水原容疑者が大谷の口座から盗むに十分近い存在でありながら､賭博行為自体を秘密にできる以上の人間だったならば､彼はハッキリと真実を言う必要がある。さもなくば彼は大谷から多額の盗難を働いた事で､厳密にかつ実際に罪を負う事になる”と記事をまとめた(RONSPOより)。
　これは4/16の記事で少し古いが､同メディアの予想通り､水原容疑者は6/4に出廷し､全ての罪を認めた。　

　FBI当局は､水原容疑者と大谷の携帯電話を調べた結果､”両者の間で賭博に関するやりとりがなかった事が分かった”とした上で､”彼らが対面でその状況について何かを話していたか､もしくはプリペイド式電話を使ってたのかもしれない。だが捜査当局は､それについて考慮した結果､大谷が何かを知ってたと見なす理由が見当たらなかった”と付け加えた。
　つまり､理由が見つからなかっただけで､全ての真実が明確になった訳ではない。
　同メディアは､”全ての事について奇妙な部分が残る。水原容疑者は数百万ドルを盗むには十分近い所にいたが､大谷は水原が行っていた事､そのお金で何をしていたかを知らなかった”と指摘。水原容疑者とボウヤー氏とのやりとりの疑問点を指摘した。
　つまり､プリペイドなどの携帯以外ので電話やボウヤーと実際に遭って何を話したのかは､明らかにされてはいない。

　更に､大谷の口座にアクセスした経緯と手口は明らかにされているが､所詮は通訳に過ぎない水原が大谷になりすまし､どうやってアクセスロックを解除できたのか？口座のパスワードを何故知り得たのか？大谷の資産を管理する会計士や金融専門家をどうしてブロックできたか？は､やはり明確になされてはいない。
　一方で､違法賭博側が彼らに絡んでた可能性も否定できないし､更に言えば､最初から大谷マネーが目的で､水原被告は単なる囮に過ぎなかったのかも知れない。

　ただ言えるのは､水原容疑者を訴追した連邦当局が公開した37ページに及ぶ訴状だけでは､明確な答えは存在しなかったという事である。つまり水原氏は､”Technically”で言えば､盗んだか？盗んでいないか？のどちらかという事になる。
　”潔白の証明”とは､日本人が思う程に､そこまで単純じゃないのだろう。

最後に

　結局は､銀行詐欺罪などの罪を認めた水原被告だが､500万を超えるテスラに乗ってる事でも話題になっている。日本では”余裕のある生活して､反省の色なしだな”との声も出てる。
　最終判決は10/25に言い渡されるが､今後水原被告が支払う事になるであろうお金は約30億円。内訳の1つは､口座から不正入手した約26億円で､大谷に返済する額だ。他に追徴課税と罰金で､約3.8億円を米財務省に支払う必要がある。
　現実問題として､水原被告が30億を返すのは不可能だ。一方で､大谷に支払うべき26億は(大谷本人が申し出れば)免除される可能性はあるかもだが､3.8億は米国に支払うべき税金で､免除になる可能性は低いとされる。　

　仮に､大谷選手が”返せないのなら､一生ブタ箱に入ってろ”と言えば､それで被告の人生は終わる。
　一方で､”厳密(Technically)には盗んではいない”と答えれば､裁判は拗れるかもだが､被告が息を吹き返すチャンスはないとも言えない。勿論､全てを白状し､26億の責任を胴元のボウヤーを含めた違法賭博側に背負わせる事もできなくはない筈だ。
　つまり､どっち転んでも1度は終わった人生である。そこまでしないと､闇組織は地下に潜り､温々と繁栄と豪遊を謳歌する。

　少なくとも(明確に罪を認めた)水原被告は､高級車に乗り､デリバリーのバイトをしてる場合じゃない。
　次の出廷は7/4だが､水原被告がどう出るのか？サプライズはあるのか？一発逆転のシナリオは存在するのか？
　因みにライオンズゲートは､今回の違法賭博スキャンダルを題材にしたTVドラマの制作を開始したという。
　仮に､ドラマが大ヒットすればだが､水原被告にも運が向く事にはなる。
　その為にも､彼は全てを白状すべきだ。