象が転んだ

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「サイコパス•インサイド」に見るサイコの脳と遺伝と環境”その2”〜殺戮の遺伝子と負の環境と犯罪行為

2018年01月31日 06時05分28秒 | サイコパス

 その1では、情緒の脳(熱い脳)サイコの脳(冷めた脳)について述べました。
 そして、これら脳の領野や幼児期の環境以外に、"殺戮の遺伝子"と呼ばれるMAOA(モノアミン酸化酵素)というモノアミンを破壊する悪玉が、特に厄介です。
 人間の脳の神経経路って複雑すぎますね。人類社会と同じで複雑な都会ほど多種多様な犯罪も多発する。


殺戮の遺伝子

 これこそが"攻撃的遺伝子"又は"戦士の遺伝子"とも言われ、精神を安定させる脳内物質のセロトニンや快楽物質のドーパミンを酸化させ、機能を失わせ、犯罪行動を促す。
 "犯罪の遺伝子"または"悪の遺伝子"と言われる所以です。銃乱射事件の犯罪者なんか、この"殺戮の遺伝子"を持つんでしょうか。
 また、元々セロトニンの運び屋が少ない、不安性遺伝子を持つ日本人が戦争で追い込まれ、人間魚雷や万歳攻撃を行ったのも、こういった悪の遺伝子が生み出す犯罪傾向とピタリと重なりますね。

 普段大人しい人がある瞬間、ブチ切れ怒り狂うってケースも、負のストレスが悪の遺伝子を呼び覚ますのか。
 勿論、この殺戮の遺伝子を持ってない人でも所詮、生身の人間だから、怒る事はあるのでしょうが、直に我に返り、謝ったり、冷静になるのが普通なんです。
 こういうケースは以前では、甘っちょろい”精神鑑定”で判断され、"普段は優しくてトテモいい子なのに"で、無罪放免になるケースも多かったでしょう。
 やはり、犯罪も悪の遺伝子が大きく関与してんですな。 


ストレスとサイコパシー

 因みに、脳内物質(神経伝達物質)の総称をモノアミンというのですが。代表的なものにアドレナリン(興奮ホルモン)、ドーパミン(快楽ホルモン)、それにセロトニン(幸福ホルモン)があります。特にアドレナリンとドーパミンは、興奮剤や幻覚剤などの薬物作用があり、強いストレスに晒されるとセロトニン誘導体(受け手)が減少し、体の免疫が落ちた時には大量に放出されます。
 因みに、今では通常のアドレナリンをノルアドレナリンといい、それから派生したものをアドレナリンと言います。

 故に、ストレスが慢性化&習慣化すると、天然のシャブ中状態になり、躁鬱や精神障害を患い、サイコパシーを助長すると。

 一方で、”熱い脳領野”である前頭前皮質及び扁桃体を活性化させ、進化させる事で、悍ましい犯罪や醜い争いのない、より人間らしい脳システムを構築出来るというのですが。
 しかし、どんな優秀な前頭前皮質及び扁桃体を持つ人も、戦争や虐待という狂気じみた環境の中に置かれれば、地獄の黙示録のカーツ大佐みたいに、前頭前皮質は空っぽになり、反応しなくなる。最悪、サイコパシーに変質してしまうのでしょうか。 


負の環境とサイコパシー

 逆に、感情や情緒を持たないサイコパスは、負のストレスに強いとされます。多くの帰還兵が苦しむPTSD(心的外傷後ストレス)にも、全然平気だと言われる。
 しかし、サイコ系兵士は仲間を平気で殺すし、規律なんて全く守らんらしい。それに、殺戮の遺伝子を持つ兵士は最悪、戦場でブチ切れ、味方を大量虐殺する。
 全く、戦争が悪いのやら、サイコ脳や殺戮の遺伝子が悪いのやら。まともな人ほどPSTDに罹り、皮肉にも異常なサイコパスほど、PSTDとは無縁なのだ。

 つまり、サイコの脳や悪の遺伝子を排除するだけでなく、こういった劣悪な環境因子を排除する事も人が豊かな生活を送るには、とても重要となるのです。
 しかし、それには莫大な資金が必要となり、一筋縄ではいかないでしょうが。

 ”その1”で述べた、世界の金持ち8人もだが。まともな情緒や感情や理性、倫理観や道徳心など、"暖かい脳"があったら、莫大な富を稼ごうとか、独り占めしようという気は起こらんでしょうに。
 それでも彼らは、地球を経済を支配してると本気で思ってんだか。

 欲が深すぎるのか?脳みそがイカれてるのか?精神構造が冷酷で残酷だけなのか?脊椎反射系動物の凶暴さ故なのか?
 ま、そういうのも厳しい競争社会では、経営者にとって必須の才能だろうが。 


ブラック企業とサイコ系経営者

 ファロン氏は、まともな大企業の経営者達には、知る限りサイコパスはいないだろうと言ってますが、本当の事は言える筈もないですね。もし訴えられたら、この本の出版はないし、著者の人生は終わっちまう。
 そのファロンに言わせると、ブラック系企業にはサイコ系経営者が多い傾向にあるとか。アタリメーだろ!

 そう言えば、マクドの創設者レイクロックがやってた事なんて、この本を呼んだ後に振り返ると、サイコに思えなくもない。
 勿論、成功までの道のりは長く険しく、同情に値するが、頂点に登りつめた以降の彼は、確かにサイコパスそのものだ。
 多様な才気や苦労や卓越した洞察は認めざるを得ないが。その異常なまでの動物的執念こそがサイコの大きな特徴でもあるのか。

 孫なんかサイコパスの鏡?ソフバンのファンには怒られそうだが、見た目も中身も心も(笑)。サイコスペクトラムの精密検査をしたら、満点に近いだろう。それに比べたら、ユニクロの柳井氏なんて紳士そのものだが、中身はどうなんだろ?
 全くサイコという独裁者が支配する資本主義なんですね。

 そんな極々一部のサイコ系に支配されてる私達に、本当の未来はあるのかです。あのジョブスだって駆け出しの頃は、闇社会の連中相手に銃を突き付け、ゲーム機を売り歩いてたというから、サイコそのものだったんですかね。
 見方によれば、闘争心とか雑草魂とかハングリー精神とか言えますが、懐かしい響きですね。


尊敬するヒーローがサイコパス?

 金メダル取って、ギャーギャー泣き喚くアスリートも、”最低でも金メダル”とほざく国民的英雄も、サイコと密接に繋がってるのだろうか。
 ひょっとして、貴方が尊敬して止まない偉人やヒーローが、歴史を変えた革命戦士が、サイコパスだったとしたら?

 その内、"サイコ的経営術のススメ"とか、"サイコ的生き方の美学"とか、"サイコが世界を支配する"とか。色んなサイコに纏わるタイトルの本が出て来そうだ。

 確かに、他人の痛みを一々感じてたら、競争社会では勝ち抜けない。情緒や倫理で生活できる程、現実は甘くはない。サイコが人類を支配するというのも、冗漫には聞こえない。
 脳と遺伝子と環境と、この3つがセットになり、人類の理想像は実現すると思いたいが。故に、この3つを整備しない限り、ゾラが描いた理想のユートピアは生まれないんだろうか。

 ひょっとして、貴方が憧れるヒーローがサイコパスだったら?



4 コメント

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悪の遺伝子かサイコか (ootubohitman)
2018-02-01 10:42:10
そういえば、思いつく事があるのですが。昔の私の上司です。カッとなると訳判らなくなり、本当に困った事がしょっちゅうでした。今から思うと、悪の遺伝子かサイコ系だったんですかね。普段はとってもいい人で、情にも厚い人でしたが。でも、そういう人って結構多いですよね。
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Re:悪の遺伝子かサイコか (lemonwater2017)
2018-02-01 16:06:21
 悪の遺伝子と隠れサイコも含めると、相当な数のサイコ系ブチ切れ族は存在するのですかね。経営者や上司って、結構、怒りっぽな人が多いですもんね。
 こうなったら、サイコ検査とか攻撃性遺伝子検査とか、徹底する時期が来てるのかもです。
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脳と遺伝と環境 (tokotokoto)
2018-02-03 05:33:47
昔、アメリカンサイコっていう映画を見たんですが。あのイメージと少し違いますね。クリスチャンベールの演技が卓越してて、カッコいいサイコもいるんだなと。

でも、快楽殺人てシャレにならないすね。表向きはエリートビジネスマンで高学歴&高収入。ハンサムで気さくで友人も多く信頼も高い。が、もう一つの顔は冷酷な殺人鬼。

でも、こういうのが現実にある一定の確率で存在したら、それこそ戦争よりも恐ろしいです。ひょっとしたら、人類が滅亡するのはサイコに支配される時かなとも思いますが。象が転んださんどう思います?
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Re:脳と遺伝と環境 (lemonwater2017)
2018-02-03 09:31:20
 高度に進化したサイコパスが人類を支配するというのはあり得るかもです。特に内性サイコパスの場合、大きく進化を遂げる可能性はありますね。ダーウィンの進化論に従えばですが。
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