象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

「幻覚の脳科学」〜なぜ人は幻覚を見るのか?

2022年02月23日 04時23分30秒 | 健康

 あるフォロワーの記事に、幻覚を見る様になって神を信じる様になった(らしい)とあった。
 確かに人は幻覚を見ると、”それが超常現象や霊みたいに思え、スピリチュアルに興味を覚える様になる”という話はよく耳にする。
 そういう私も幻覚や幻聴はしばし体験する。霊感が強く、金縛りや幽体離脱にも遭うし、よく夢を見る。しかし、そういうのも全てが脳の一時的な異常にあると、薄々は感じていた。
 事実、スピリチュアルな話をする人は、(イカれてはいないが)私も含めて頭がおかしい人が多い(多分)。
 私も(どちらかといえば)スピリチュアル系だが、どうもこの手の話はペテン臭く感じてしまう。神を信じれないのも、(神様こそが)脳が勝手に創り上げた(人類にとても都合良く出来た)産物だと思ってるからだ。

 よく自然現象は、科学や数学では割り切れない事が多いと言われるが、その不可解で神秘なる自然現象を解明してきたのも、科学であり数学である。
 そして今、幻覚をも科学の力で解明されようとしてるとしたら?
 「幻覚の脳科学」(オリヴァー・サックス著)では、”人は(目ではなく)脳でものを見る”と説く。が故に、視覚を掌る脳領域に何らかの異常が生じると、幻覚の原因となると。
 つまり幻覚が生じる原因は、脳の異常だけなく、(度重なる)強烈な臨死体験もその原因となるらしい。因みに、幽体離脱も幻覚の一種らしいです。
 以下、ヨコヤマさんのコラムから一部抜粋です。


人は脳で幻覚を見、幻聴を聞く

 人間の視覚や聴覚といった感覚器官はきわめてデリケートにできてるようだ。(普段より刺激の少ない状態)例えば大海原を航海してる時や、見渡す限りの青い空を飛行するパイロットは幻覚を見やすい。
 一方で、何らかの疾患で視覚や聴覚を失ってしまった人も幻覚や幻聴を経験するそうだ。
 こうした幻覚を見る患者たちの多くが、正常な精神状態にあり、彼らは幻覚と現実の区別を認識している。
 故に、正常な精神状態でも幻覚が起こる事はかなり前から知られていた。一方で(長い間、医学の世界では)幻聴は深刻な精神障害、とりわけ統合失調症を発症した証拠と見なされてきた。なぜなら統合失調症患者のほぼ全員が”声”を聞くからだ。

 しかし、現実は(数学の様に)逆は必ずしも真なりではない。ごく普通の人でも幻聴を体験する者が沢山いる事が近年になって判ってきた。彼ら彼女らが聞く幻聴は、自分の名を呼ぶ声や耳鳴りに近い騒音や何かの音楽など、あまり大きな意味を持つものではない。が、雪山で遭難した時など、生死を分ける極限状況で聞く”声”には、神のお告げの様に思えたりする事もある。
 ある高齢の患者は、聴力を失いつつある時に音楽の幻聴を聞いた。その音楽とは特定の曲だったりラジオのようであったり、断片的な音節であったりと様々だが、かなりしつこく聞こえる場合もあった。
 どうも音楽幻聴には脳の広い領域が関わってるらしく、どこかが刺激されると、まるでオーディオプレイヤーのスイッチを押した時の様に”聞こえ”るらしい。

 では、幻覚とはなにか?
 脳のどの様な作用で、それらが見えたり聞こえたりするのか?
 1950年代から60年代にかけ、幻覚を人工的につくりだす様々な実験が行なわれた。
 健康な男女を防音室に入れてゴーグルをかけ、手袋で触角を奪うといった感覚遮断を施した所、図形や光の模様の様に単純なものから、”ジャングルの中を歩き回る先史時代の動物”といった複雑なものまで、様々な幻覚の報告がなされた。
 更に、感覚遮断タンクなるものも考案され、タンクに入った被験者の多くは2日目くらいから幻覚を見はじめ、サイケデリックな幻覚を報告する者もいた。
 この様に感覚遮断が脳に及ぼす影響だが、ある研究によれば、視覚を封じられて異常に敏感になった視神経の興奮がボトムアップ(底上げ)され、脳に幻覚を見せているようだ。
 以上、flierincからでした。


最後に〜シャルルボネ症候群

 聴力を失った人だけでなく、視力を失った人も幻覚を見る。
 視力を失ったおばあさんが、突然”東洋風の衣装を着た人たち”が見える、と言いだす。これは”シャルルボネ症候群”と呼ばれ、失った視力の代りに脳が紡ぎだした光景(幻覚)なのだ。
 そういう私も眠り始めによく幻覚を見る。
 ”模様や形が万華鏡の様にたえず変化し続ける”幻覚など、事実(本書で紹介されてる)多くの証言と一致する。確かに寝不足の時に限って、オーケストラが奏でる様な大げさな音楽が聞こえるという私の体験も、幻聴の事例として報告されている。
 経験談として語られる幻覚は多種多様ではあるが、脳の不可思議さや人間の認識が如何に曖昧なものであるかが納得できる一冊でもある。
 また、(本書に書かれてる様に)宗教の起源や神秘的体験にも、この幻覚や幻聴は深く関わってるのは、これまた納得にも思える。

 もし、アナタが信じていた神様やそのお告げが、脳が勝手にランダムに作り上げた幻覚であり幻聴だとしたら?
 逆を言えば、脳とは人類が作り出した(未だに不可解な)神様という幻覚なのかもしれない。
 そうでないと、神様という尊い職種は存在しない(多分)。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アメリカの50~60年代 (平成エンタメ研究所)
2022-02-23 09:23:12
>1950年代から60年代にかけ、幻覚を人工的につくりだす様々な実験が行なわれた。

1950年~1960年代のアメリカでは軍事目的で、さまざまな脳の研究がおこなわれたようですね。
・麻薬と幻覚の研究
・マインドコントロールのMKウルトラ
・超能力研究
これらの研究は今どこへ行ってしまったのか?

一方で、民間ではヒッピー文化があったりして、この時代のアメリカはエンタテインメント的に面白いですね。
返信する
Unknown (びこ)
2022-02-23 09:56:12
天皇の行う祭祀には大麻が関わっていると聞きますから、大麻でなんらかの幻覚、幻聴を体験して、それを衆生に伝えていたのかもしれません。歌人としても有名な額田王は巫女であったと聞きますから、彼女が船の出港を命じた歌を詠んだりしたのも、大麻が絡んでいるのかもしれません。精神薬には麻薬に匹敵するものが入っているとも言われていますから、精神科にかかった患者は、薬でおかしくなっていくのかもしれません。精神科医はそれをしばしば病気が重くなったと言ってますます強い薬を処方する。それで元に戻れなくなるくらい薬に毒される。こうなったら、神様が見えるなどというどころか、悪魔の思いのままに操られる。そして地獄に落とされる。幻覚、幻聴の段階で踏みとどまれたらいいのですが…。

なんかこの記事の趣旨からは離れたコメントに?
返信する
エンタメさん (象が転んだ)
2022-02-23 23:19:21
そういえば、念写ってのもありました。
神は信じないんですが、エクソシストは今でも印象に強いです。
アメリカは超常現象やスピリチュアルを盲信する国でもありますから、研究も大げさですね。
特に戦後のアメリカは何でもありの大国だったんでしょう。研究者も本気だったんですかね。
返信する
ビコさん (象が転んだ)
2022-02-23 23:21:57
薬物が脳を腐らす事はよく知られてる事ですが、その薬物に汚染された脳は極端な幻覚を生むんでしょうか。
その幻覚こそが神だとしたら?
これこそ悪夢ですよね。
返信する

コメントを投稿