イーグルスの「ホテル•カリフォルニア」に、"Mirrors on the ceiling、The pink champagne on ice"というフレーズがある。訳せば、"鏡張りの天井に冷えたロゼのシヤンパンが写っていた"となる。
有名なフレーズなので、誰もが知ってるだろうか。
この歌は、ドラッグ(コリタス)状態を歌ったとされるが。精神病院に閉じ込められた孤独な子供を歌ったとも言われてる。
事実、ロゼのピンクは薬の色だし、注射器には冷たいイメージがありますね。
また、社会や自分の属するコミュニティから一度離れたら、もう二度と戻れないという、失意と絶望を歌ったとも言われる。
直訳すれば、長時間の運転に疲れ、休む為に立ち寄ったホテルで、堕落した滞在客たちに嫌気し、以前の生活に戻る為、ホテルを去ろうとするも離れられなくなったという、伝奇譚的なストーリーである。
故に、アメリカ社会とロックの荒廃を揶揄した歌とも言われてる。
確かに、今のアメリカとロックには魂(スピリッツ)が抜けてる様な気がしますかね。
でも誰もが経験あるだろうか。ふと立ち寄ったホテルや喫茶店で、異次元の快楽を覚え、そこから抜け出る事が出来なくなった記憶が。
鏡張りの部屋
もう20年程前の事だが、営業の研修で、東京のとあるシティホテルに泊まった。そこは何と全面鏡張りの部屋だったのだ。
厭な気もしなくはなかったが、他に空き部屋がなかったんだろうと、その時は思った。
明日の朝一番で行われるプレゼンのテストに備え、夜中の2時程まで練習をして、眠りについた。
"ねえ、遊ぼう。起きてよ、ねえったら"
私は、朧げに目を覚ました。
何だ、まだ夜中の2時半過ぎじゃないか。今さっき寝たばっかで、明日も早いというのに。
"遊ぼうよ、ねえ遊ぼう"
何だこの女?まだ女子高生くらいじゃないか、こんな時間に?全く東京の娘はマセてるもんだ。
しかし、夢でも金縛りでもなかった。目の前にははっきりと、制服を着たままの娘が自分の体の上に、大胆にも股を拡げ、デンと乗っかってるではないか。
ただ、不思議な事に重さを全く感じない。
"こんな時間に、親はなんとも言わんのか"
私は鏡を見た、天井も前面も横も。少女は映っちゃいない。直ぐにピンと来た。
"心配する訳ないよね"
"うん、全然心配しないよ"
"死んでンだもんな"
"ウン"
この時の、彼女の哀しそうな瞳は今でも焼き付いてる。
"自殺したん?"
"ウウン、表でクルマに撥ねられたの"
"遊びたい盛りだったのに"
"ウン、だから遊ぼ"
"どっから入って来た?"
"窓が少し開いてた"
(しまった。閉め忘れてた。私とした事が)
"俺もヤりたくてヤマヤマなんだが。あす早いし、今晩は勘弁してくれ"
"なーんだ、詰まんない"
"幾つ、歳は?"
"15"
"まだ、中学生か?一番遊びたい盛りだもんな"
"ウン、だから遊ぼう"
"しかし、今日は駄目です。隣の部屋で馬鹿騒ぎしてる学生連中がいるだろう?そこに行けば"
"あそこはつまんない"
"でも、今日は駄目です"
"ケチ!ケチ!"
そこで少女は消えた。いや、消えた筈だった。
少女は今夜も叫び続ける
まさに昨夜は、鏡張りの天井に”冷えたロゼのシャンパン”(The pink champagne on ice)ではなく、”冷えた女子中学生"(The girl on ice)が写っていたのだ。
ふと、”Welcome to the Hotel California”の有名なフレーズを思い出した。
翌日、私の顔は変わっていた。染めた経験のない筈の髪の毛が、茶髪になってたのだ。鏡で見た顔は、昨夜の彼女そのものだった。思わず、膝が震えた。
彼女は、"ケチ"と不貞腐れながらも、俺に乗り移ったのだ。霊は人に乗り移る事で移動すると言う。つまり、脚を持たないのはその為だ。
死んだ人間はどんなに若くとも、崇高な民でも、現実の生の世界に舞い戻る事は出来ない。永遠の迷宮の闇の世界を、ここホテル•カリフォルニアで生き延びるしかないのだ。
そして、少女は今夜も叫び続けるのだ。"ようこそホテル•カリフォルニアへ"と。
🎶Such a lovely place🎶 ”素敵な場所でしょ”
🎶Such a lovely face 🎶 ”素敵な人達でしょ”
だから私と遊びましょ!
そういう私は、霊感が強い方で、こんな類の体験は結構ある。
これそのまま歌に出来ますよ。ホテルカリフォルニアの曲に合わせましょうよ。
意味もピタリと合ってるし。
♪♪♪
孤立した少女の霊が丁度戸口に立っていた。
私の中で呼び鈴が鳴る。
私は考えてた。
ここは極楽か、それとも地獄か。
そして彼女は蝋燭を灯し、
部屋まで案内した。
私には彼女らの声が聞こえた。
ようこそ、ホテルカリフォルニアへ
素敵な場所でしょ
素敵な所でしょ
ここホテルカリフォルニアでは
沢山の部屋をそろえていますよ
いつだってどうぞ
満たされない少女の心は
ティファニーのダイヤで歪み
華奢な体の曲線はメルセデスの様だ♪♪♪
でも、私には、作詞の才はありませぬので、ootubohitmanさんに任せます(笑)。
コールガールを読んでた時、監禁病棟とイーグルスの歌の話が出てきて、この心霊体験を思い出しました。余りに歌詞と雰囲気が似てたので、少し寒気がしたんですが。
この監禁病棟とホテルカリフォルニアを結び付けると、いい歌が出来そうですね。
監禁病棟との繋がりも意味深ですね。あるいは死んだ女子中学生の霊が、このホテルカリフォルニアに住み着き、夜な夜なに客を引き寄せるという設定も面白いです。
素敵な場所よ、素敵な所でしょ。
だから一緒に遊びましょうよって、誘われたら。思わずチェックインしちゃいますね。
特に、"奴らは鋼のナイフを研いでるが、野獣を倒す訳でもない"(They stab it with their steely knives、
But they just can't kill the beast )。の訳し方が難しいですね。野獣が本人を指すのか。それが怖くて逃げ出そうとしたのか?解る人がいたら、教えて欲しいです。