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今年も異常気象!深層崩壊・ゲリラ豪雨 原因は偏西風蛇行

2010年07月09日 | 気象
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 鹿児島の「深層崩壊」
 今年もこの夏、異常気象が起きている。鹿児島県の大隅地方では、7月3日から4日にかけて激しい雨を観測。4日は24時間の雨量が80・5ミリに達した。また、7月8日夜遅くから9日の昼すぎにかけて局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降った。鹿児島地方気象台では、先月からの大雨で地盤が緩んでいることから、土砂災害などに警戒するよう呼びかけていた。

 鹿児島県南大隅町では、7日までの4日間に土石流が5回断続的に発生し、流域の住宅や倉庫計3棟に岩や泥流が流入、国道269号を寸断した。上流にある台地の頂上部分が5日午後5時ごろ、大規模に崩落。幅200メートル、高さ約130-140メートルにわたり崩れた土砂が2基の砂防ダム(容量計4万3千立方メートル)を埋め、頂上から約600メートル先の海岸まで押し寄せた。けが人はなかったが、今後も再発が懸念されている。

 県は7月7日、下川悦郎・鹿児島大学教授(砂防工学)や国土交通省の小山内信智砂防研究室長を招いて現地を調査。下川教授は記者会見し「地下の深い部分に水がたまって行き場を失い、大規模な“深層崩壊”が起きた。台地に数カ所の亀裂があり、再発の可能性もある。当面は監視が必要」と述べた。

 崩れたがけの上の部分は、火山灰などが冷え固まってできた岩で、下の軟らかい岩盤との境目から大量の水が流れ出していたという。しみ込んだ雨水で下の軟らかい岩盤の層がしだいに削り取られ、上の岩の層が支えを失って一気に崩れ落ちたとみている。(2010/07/08 西日本新聞)

 東京都心で「ゲリラ豪雨」
 7月5日夜、東京都北、板橋、練馬区などを襲った「ゲリラ豪雨」のため、床上浸水49棟、床下浸水46棟の被害が確認されている。

 同川は1時間50ミリの降水量に対応できる護岸整備が進められているが、5日は水があふれ出した約1時間前から上流の板橋区内で1時間に107ミリの雨を観測。現場から約2キロ上流にある加賀橋の水位は、5日午後7時20分からの1時間で7メートル近くも上昇した。

 都によると、これまでに護岸の破損は確認されていない。都では水があふれ出した原因の調査を進めているが、ある幹部は「能力以上の降水が原因の可能性がある」としている。(2010年7月6日12時57分  読売新聞)

 気象庁によると、6日も全国的に大気の状態が不安定で、東日本から北日本を中心に局地的に大雨が降るおそれがあり、注意を呼びかけた。

 渡瀬 さえ子気象予報士は「東京都板橋区付近で、107mmという、猛烈な雨が降りました。地表付近に暖かく湿った空気が流れ込みまして、上空には冷たい空気が流れ込みます。そうすると、大気の状態が非常に不安定になりまして、雷雲が発達しやすくなるんです。冷たい空気が入ってきますので、ひやっとした空気、肌で感じることができると思います。こうなると、雷雲がすぐそばまで近づいているサインですね。6日も関東各地、どこで夕方以降、激しい雷雨が起こってもおかしくないといった状況です」と話した。(FNN 2010/07/06)

 世界各地も「大雨」「熱波」
 7月に入り、世界各地でも「異常」ともいえるような天候が続いている。「大洪水」に、気温40度を超える「熱波」。その原因はどこにあるのだろうか?

 南米・コロンビア。激しい雨が数日にわたって降り続き、街は一面、大海原と化しました。その中で女性が助けを求めたが、濁流に押し流されまう。しかし、幸運にもこの女性は近くにいた男性に助けられ、無事だった。

 メキシコ北部に上陸したハリケーン。ダムの決壊を防ぐため水門を開いたところ、洪水になってしまった。12人が死亡、1万8000人以上が避難生活を強いられている。

 一方、中国・福建省。7月7日、増水した川の水の威力に橋が崩れ落ちました。青海省では10日以上、雨が降り続いている。5人死亡、8人が行方不明。道路の寸断や停電、断水など市民生活にも大きな影響が出ている。

 同じ中国でも北京では、人々が暑さにあえいでいる。「今年の北京は特別に暑いですね」「夕べは、よく眠れなくて、眠いです。今まで経験したことがないくらい暑いので、外に出たくないです」(北京市民)

 ヨーロッパ各地も猛暑に見舞われている。「水をいっぱい飲んで、アイスをいっぱい食べて涼しくしてるの」(マドリード市民)スペインでは気温が44度まで上昇。イタリアでは、名物のイタリアンジェラードが飛ぶように売れている。(FNN 2010/07/07)

 アメリカ東部にも今週に入り、熱波が発生。7月はじめから熱波に見舞われているアメリカ東海岸では6日、ニューヨークで39.4度、ワシントンでは38.9度を記録した。一部の都市では、電気の使用量が過去最高となり、ニューヨーク近郊では、一時1万5,000世帯が停電となった。ほかにも、道路がゆがんだり、水道管が破裂するなどの被害が出ている。この暑さは、まだ数日間続く見込みだ。

 原因は「偏西風蛇行」
  「偏西風の通る進路によって、各地の気候、天気に大きな影響を及ぼす。現在、偏西風は蛇行している。特にニューヨークや北京では、南からの暖かい風が入りやすい状況が続いていて、熱波が起きている。」

 「そして、日本付近は北から寒気が入りやすい流れになっている。これによって各地で豪雨、落雷などが発生しやすい状況になっている。この先もしばらくは偏西風の形は持続しそう。今年の夏は豪雨や落雷が発生しやすい状況が続くと思います」(気象予報士 佐藤大介さん)(毎日放送 2010年07月08日) 

参考HP NHKスペシャル「深層崩壊が日本を襲う」 

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