masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

訴えたら、即、潰される

2011年08月11日 | ガソリンスタンド

「請負人 越後屋」を執筆(笑)しているときに探した資料の中に、何かあったなぁ・・・
昨夜、ベッドに入って思い出したので、探してみました。

保存しておいたPDFファイルから抜粋(コピペ)します。
長いのでその部分を赤文字にします。

赤い文字の部分だけでも読んで頂けたら、
我々販売店がどれだけ弱い存在か、ご理解頂けると思います。
お名前は私の判断で匿名にさせて頂きましたm(_ _)m

※青い文字の部分は昨年6月の記事で引用していました。
その時は「潰される」の部分には自分自身反応しなかったのですが、記憶には残っていたようです(^^;




団体訴訟制度に関する研究会(第3回-2)
平成19年6月6日(水


 16P~
【副会長・専務理事】 御紹介いただきました ○○でございます。お手元に資料が行っておりますでしょうか。「独占禁止法第24条に基づく差止請求に関する団体訴権の必要性について」というものと,それから青いものをお配りしましたけれども,これは直接関係ないのですけれども,私どもで長年にわたって勉強している課題について,後で若干触れるものですから,御説明をするチャンスがあればしたい。それから,新聞記事を中に入れておりまして,非常に政治的な問題になりまして,今日ここにおられる鵜瀞取引部長以下,皆さんが随分御苦労なさっておられるという話もあるということで後で御説明申し上げたいと思います。
それでは,ガソリンスタンドの概況につきまして1ページを見ていただきますと,おそらく皆様,ほとんど大学の先生でいらっしゃいますので,直接実態について御存知ないのではないかと思います。簡単に状況を御説明させていただきたいと思っております。
1ページが石油製品販売業者の実態ということであります。ガソリンの流通経路でございますが,石油元売,例えば新日石とか昭和シェルとかそういうところを元売会社と言っておりますけれども,原油は今8割以上中東から来ているのでございますけれども,大体8割が系列玉ということで,いわゆる普通のガソリンスタンドに行くわけです。これは特
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約店契約に基づいて行くわけですけれども,過剰分がどうしても時期によって出てくるわけでございます。ちょっと前までは定期点検,定期修理で非常に設備がタイトになっておりましたので系列以外に流れる業転玉というのは少なくなっておりましたけれども,また次第に価格が下がってきたということで,業転玉の問題がこれは大変私どもの業界にとって大きな問題になっているということでございます。実は,これ,品質が全く同じで値段が違うというほかの業界にはなかなか少ない例でございますけれども,これが商社,あるいは農協等を通じましていろいろなところへ行くと。これは品質が悪ければそれなりのことなのですけれども,品質が全く同じだというところに大変大きな問題を抱えておるということでございます。
それから2ページがガソリンスタンドの数でございます。10年前に規制緩和がなされまして,石油が自由に輸入できるような法律になりまして,とにかく今,全く自由になっております。一つだけ消費者のための品確法という法律がありました。それだけが現在も生きておるわけでございまして,基本的には製造・販売に関しては自由化されているわけでございます。したがいまして,過当競争のために毎年スタンド数でいえば1,000から2,000減ってきておりますし,事業者数も減っておるというところでございます。
ここで2ページを見ていただきますと,参考3になりますが,「元売会社(社有)」というのがあります。それから「商社系」,「特約店」,「販売店」,「農協」及び「その他」と,こうなっておりまして,これは昨年のものしか内訳がないものですから,いつも大体9月ごろにこの内訳が出ますので,昨年の4万7,000のトータルで出ておりますけれども,元売の社有の進出が著しくなっております。これが非常に大きな問題になっています。特約店,あるいは販売店というのが減少しているということでございます。
それから3ページが,経営状況はどうなんだということなのですけれども,今の私ども全石連の登録事業者数が2万ございますけれども,事業者数では大体9割が参加しております。それからスタンド数では75%,4分の3が加入しております。私どものところに加入しておりますのは非常に小さいところが多いわけでありますけれども,この参考5を見ていただきますと,資本金1000万円以下が全体の4分の3,それから経営者といいましても1つのスタンドを持っている人が全体の4分の3ということで,ほとんどの人が中小零細,あるいは生業的にやっておるわけでございます。
4ページにまいりますと,毎年平均すると600万円ぐらい赤字が続いております。調査をすると,私ども石油協会というのを別途持っていますけれども,ここでいつも調査をし
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ますが,大体半分ぐらいが赤字だと。実際はもう少し赤字が大きく,アンケートに答えてくる人は経営状態がよい方が多いと思われます。アンケートの対象になっていない業者を含めますと,実際は7割から8割が赤字だと。では,毎年600万円ずつ赤字でどうしているのだという話になるのですけれども,これは自分の自己資産を食い潰しておるというのが実態だということであります。
参考7に,今度は単位が違いまして,元売各社の営業利益ですけれども,大体6000億円ぐらい儲けておると。そこでいつもトラブルになっておると,こういうことでございます。
それから,5ページでございますが,特に競争を加速させているものがセルフスタンドということで,現在6,000ぐらいのセルフのスタンドがございます。これが加速度的に増えてございます。それがセルフだからということで価格が安くなるわけでございまして,過当競争の要因になっているということで,ガソリンのルート別販売量の割合というのがありますが,「特約店直営」というのが一番左でございまして,だんだんシェアが小さくなっておりますが,右から2番目の「元売直営」というのがどんどん増えておる。その隣の商社系というのもどんどん増えておるということでございまして,この辺りが問題の本質のところかなと,こういうことでございます。
価格競争の特徴が6ページに出ておりますけれども,ホームセンターや大型ショッピングセンターというのは,そこで併設されている,よくアメリカなんかのショッピングセンターにもありますけれども,ガソリンを集客の目玉としているということから,それだけ売っている人たちの間で非常に問題が出てくると,こういうことでございます。
それから7ページで,不公正な取引方法の実態ということでございまして,規制緩和後,販売業者は頼るところは公正取引委員会しかないということで,その都度,不当廉売の申告をしてきたわけでございます。この数字を見ますと,参考10でございますけれども,一番上が「石油製品」でございますが,平成16年度まで申告件数が非常に少なくなってきた。これは幾らやってもせいぜい注意ぐらいまでだということで,法的措置というのは採られない。これはもうやる気なくしたということなのですけれども,それでもやはり頼るところは公正取引委員会しかないということから,最近ではまた少し件数が増えてきているわけでございます。
それから8ページに最近の警告事例ということで栃木県の新日本エネルギー,これは警告をいただいたのですけれども,あと,平成18年5月に初めてH口石油というところに対しまして排除措置命令を出していただいたということを伺っております。
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この(2)の差別対価なのですけれども,同一商圏内で自分たちがいつも困っておるのは,販売価格が自分たちの仕入れ価格を下回っているというケースがままあるわけでございます。そうすると,当然そこには差別対価というものが存在しているのだろうということでございまして,ガイドラインは作っていただいているのですけれども,それを訴えることによって業者は事実上自殺行為になってしまうということでございまして,元売の優越的地位といいますか,力の差というのは相当強いものがあるわけでございまして,訴えた瞬間,潰されるのを覚悟すると,こういうことのようでございます。
それから9ページでございますが,優越的地位の濫用というタイトルになっております。これは結局,冒頭申し上げましたように,系列玉じゃないもの,要するに余剰玉,これが商社経由で出ていくわけですけれども,今,大体マージンが5円とか7円,そのぐらいでやれと言われているようですけれども,安いときには10円ぐらいの安いものが出る。それをつい買ってしまう。途端に商標使用許諾契約に基づきまして,違反だということでマークを取り消されると,そういう契約になっております。この辺が非常に優位性を背景にいろいろな形で一方的な仕切価格を設定したりしながら,片務契約があちこちに出ておるということでございます。
(4)の不公正取引問題に対していろいろな検討をしていただいたわけでございますが,例えば,上から2行目,流通実態に関する調査報告書というのがあります。これは公正取引委員会で初めてやっていただいて,今まで業転というものを元売は認めなかったわけです。私どもは業転玉というものはありませんと。ここで初めて業転の存在を認めた。その他相当深く切り込んでいただいて,経済産業省が何もしなかったにもかかわらず,公正取引委員会はここによく踏み込んでいただいて,これが契機で私どももいろいろな形で活動ができるようになったわけでございます。その後,ガソリンスタンドを考える議員の会というのがございまして,今現在,自民党議員だけですけれども,111名おります。その人たちがいろいろ会合を重ねまして,その中の一つ,プロジェクトチームを3つ作りました。プロジェクトチーム1というのが独占禁止法改正についてのプロジェクトチームで,それが平成19年1月,ガソリンスタンドを考える議員の会とまとめたものが,この青い本でございます。
この中には業転玉の問題,あるいはそれを行使してやり過ぎのことをやる,例えばマークを取り消すというようなことはクリーンハンドの原則に反するのではないかというふうなことを書いております。自分たちは共同油槽所で,例えば玉が日石のもので名古屋の油
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槽所からコスモのところに運んでやってくれよと,分かりましたと,ローリーでコスモが日石のところに取りにくる。そのこと自体はいいじゃないかと,商標権ですからということなのですけれども,いったん買うと,商標権まで取り消してしまう。商標権は,今御存知のように,POSでつながっておりまして,簡単に転籍できない。転籍することが不可能な状況になっています。あらゆる顧客状況が全部元売に管理されていて,自分たちは見れないらしいですね。長い間にそういうふうに持っていってしまうということ。
これについて,政治家の先生方が今のような状況を憂いて,弁護士も入って,国会議員の弁護士も入ってまとめたのが,この青い本でございまして,これについて,もし説明しろということであれば,私ども説明させていただきますけれども,そういうことになっております。今年の1月の報告書でございます。
それから,ついでにこの新聞記事ですが,先週金曜日,自民党の石油資源エネルギー調査会,深谷隆司さんというのは昔の通産大臣で,この先生が調査会長をしておられるのです。3回目で一応,集中議論が終わりまして,最初に販売業界をヒアリングし,次に元売をヒアリングし,最後に公正取引委員会と資源エネルギー庁から,こういう状況を踏まえて回答を求めるということでございました。国会議員がこの時も随分たくさん,ここにありますけれども50人の議員が出席して,お話を聞いていただきました。後で御説明しますような形で一応の決着を見て,これから問題があったらまた更にフォローアップしていくということになっているわけでございます。地方でスタンドをやっている人が多くて,国会の先生方との接触も多い関係でしょうか,いつもこういう会議がありますと,多くの国会議員の先生方がお見えいただいて,その辺をいつも御説明いただきながら,進めておるということでございます。
それから,10ページでございますけれども,10ページは団体訴権の必要性ということです。ここにいろいろと書いてありますけれども,公正取引委員会にはよく訴えもし,御相談もしているようなのでありますが,何せ税金と一緒で内容が,例えばこの真ん中,イにありますように,「違反する行為は認められず,措置は採りませんでした」「違反につながるおそれのある行為が見られませんでした」「関係人に注意しました」というだけでは隔靴掻痒の感があるということで,訴訟に持っていきたいなということなのでございますが,販売業者のことを今申しましたように,半分ずるいところもあるのですけれども,自分は表に出たくないと。石油組合が前面に出てほしいと,こういう話でございます。法律的にはなかなか難しいことなのかもしれませんけれども,気持ちはそういうことで,とも
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かく表には出たくない。よくいますよね,どこでも野次馬みたいなのが。それで「おまえら,やれやれ」なんて言って。そういうところがちょっとありまして,表に出たくないと,こういうことでございます。
11ページに団体訴権の必要性がもう少し法律的に書いてあるのですけれども,団体訴権の必要性は,アが公正取引委員会だけではなかなか大変で,一時,人が足りないと,私も見ていて本当にそう思いますけれども,経済産業省から併任かけてくれといって90人頼んだら9人しか来なくて,1けた違うのですけれども,それでも併任かかったのですけれども,今やもうなくなっちゃったということなのですけれども,公正取引委員会も大変数少ない人数で一生懸命やっておられる。だから,それだけじゃなくて裁判所にも行った方がいいのではないかということで,平成13年に差止訴訟制度ができたようですけれども,今まで36件しかないと。十分活用されているという状況ではないのではないかということでございますが,とにかく表に出たら潰される,これはどうも間違いないようでございます。
とにかく表に出たら潰される。そういうことだから,実際問題,名前は出せない。
それからもう一つは,弁護士費用等のコストの問題がある。お金の問題もあるんですけれども,とにかく表に出たら潰されるというのは,あっちこっちで聞く話でございます。ということなんでございます。これは一般的な中小企業なんですけれども,私どもは特にそういう気が強いということで,仕入先も選択が実際問題できない。今みたいに元売もどんどん合併,連携していかなければいけないという状況になるとそういうことになってくるということでございます。
12ページ,是非差止請求訴訟ができるようにしてもらいたいなと。本当は損害賠償もやらなければいけない。特許法のように順番にいろいろ書いていけばいいんでしょうけれども,とてもそこまで立法の提起も難しいというのは,どこかの先生も書いておられたようですけれども,私もどうもそう思うので,とりあえずは差止請求ということでお願いしたいなと思っております。
もう一つは,オの考え方なんですけれども,これは表に出たくないということではなくて,一種の公益的見地といいますか,大企業の不当な取引形態であって,所属団体固有の立場ないし権利としてということも訴えていける根拠というようなことも考えられるかなと。単なる代理ではなくて,陰に隠れたいということだけではなくて,その団体の固有の立場で,あるいは公益的見地から差止請求をするというようなことが考えられるのかなと
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いう感じも書いてあります。この辺は私どもよりも先生方の方が御専門だと思います。
あと,カのところで書いてございますけれども,文書提出命令,これも是非お願いをしたいと思っております。特許法の第105条に準拠して民訴法の特例法,これでやってもらいたい。自己使用文書では多分,仕入伝票,あるいは購入伝票,特に価格といったようなもの,こういったのを表にできないだろうなと。ちょっと古い判例しか知りませんけれども,確か銀行の稟議書なんかは自己使用文書だと思います。高校の入学の内申書も駄目だと,こういうことでございますので,もし民訴法を適用すれば,そういう類のものは駄目だろうと見られますので,特許法の第105条に準拠したような形の文書提出命令も,これも別途お願いしたいところでございます。
それから13ページが,X石油商業組合等の差止請求訴訟の経過でございますが,これは都内の環八沿いにある安売りガソリンスタンドを訴えたんですが,最終的には裁判官から団体訴権がないので提訴しても結果は見えていると言われて訴えを取り下げたということになっております。
それから14ページ以降は○○取引部長以下が随分頑張っていただいた結果でございます。直接,団体訴権とは関係ございませんけれども,私どもが抱えている問題点,それに対する回答ということで引き続きこの内容についても私どもは明らかにしていきたいなと考えているということであります。
15分で終わったのですけれども,もしこれでよいのなら。ちょっと早かったかもしれませんので,御質問を受けさせていただきたいと思います。
【座長】 どうもありがとうございました。
それでは,御自由に。じゃあ,まず  会員からですか。
【会員】 どうもありがとうございました。
業界団体に関しての団体訴訟が必要だという意見は,これは今回が初めてお聞きすることなのですが,もしも必要があるとして,その前提として要するにどんな団体に適格性を認めるべきだというお考えをお持ちでしょうか。というのは,消費者団体に関してもありますが,消費者団体はかなり厳格に適格性を規定したわけですよね。しかし,これは消費者団体の場合に本当にその利益を代表できるかどうかに関して丁寧に見るということであれば,これは業界団体だったらなおさら言えるかもしれません。業界団体は利害関係は業
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界内部でも一枚岩ではないわけだと思います。それに関してどんな形で,もしも業界団体において団体訴訟を認める場合,適格性を認める要件をどのような形にするかということでお考えがお有りでしたらお教え願いたいんですけれども。
【会長・専務理事】 そこは難しいんですけどね。私ども,おっしゃるように,全国の石油組合ですよね。中で,やはり意見が割れるんですよ。どうしてもね。利害関係が絡んで。地区組合の中でもいろいろ意見が分かれたりしているので,大体出ていくまでに時間もかかるのではないかという感じもいたします。
私ども,位置付けはどうなっているのかと,来る途中見てみたのですけれども,中小企業団体の組織に関する法律というのがございまして,この第6条とか第7条に,「組合はこの法律に特別の定めがある場合のほか,次の要件を定めなければならない」というのが第7条に書いてありました。1番目は「営利を目的としないこと」,2番目は「組合員又は会員が任意に加入し,又は脱退することができること」,3番目が「組合員の議決権及び選挙権は平等であること」。第2項で「組合は特定の組合員の利益のみを目的として事業を行ってはならない」,第3項で「組合は特定の政党のために利用してはならない」というのがあるんですね。これなんかがひょっとしてメルクマールになるのか,あるいはもう少し限定しなければいけないのか。
議事録がオープンになるというからあまり言いませんけれども,ある人が業界団体というのは業界のエゴの集団だから,主張するところだから,適格性ないのではないかと言われたんですけれども,まあ,確かにエゴのことを言いますからね。そこらも難しいところで,消費者団体もいろいろな考え方をお持ちの方がいるので。何でもオープンになるわけですか,これは。議事録は個別に。全部○○がこう言ったっていうのが。
【座長】 そうです。
【副会長・専務理事】 じゃあ,もう言えませんが,まあ,消費者団体でもいろいろな考え方の人がおりますしね,私も昔,消費者行政などにちょっと携わったことがありますけれども,中でいろいろ派閥とかあるようだし,そういうことからいうと難しいと思いますけれども。この組合のこういう法律に基づいて,この法律は,しかも確か主務大臣の認可が要るんじゃないですかね。そういうことは考えられるのかなと思いますけれども,
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法律的要件は,正直言うとそこまで考えておりませんでした。つまり,陰に隠れて,出たら潰されるんで何とかしてほしいという要望があるので,あとは内閣法制局とか法律の専門家に考えてもらうしかないかなと思っておりましたけれども。
【座長】 あと,いかがでしょうか。
【会員】 消費者団体の場合もたくさんあるわけですから,その消費者団体,一般に認められるわけではなく,多分,可能なのは,せいぜい日本全国でも10前後ではないかという話になって。
【副会長・専務理事】 10ぐらいですか。
【会員】 10しかないのではないかという話を,先ほど経団連の方もおっしゃっていたわけです。これは要するにそれだけ,単なる消費者団体というだけでは認められるわけではなく,全体の利益を代表できるような一定の適格性を持ったものとなると。となったら,やはり業界団体に仮に設けようとしても,同じように個別の利益ではなく,競争上の利益を主張するにふさわしい団体ということになって,絞られることになろうかと思うんですけれども,これを今までどんなものがそれに該当するかに関する議論もなかったので,もしも御意見をお持ちでしたらということで伺ったのですけれども。
【副会長・専務理事】 今のお話を伺っていると,12ページのオのような考え方ですね。要するに,団体固有の立場ないし権利として,もう少し公益的な見地から言いなさいという場合はいいんじゃないかという議論はあるかもしれませんね。ただ隠れたいというだけではなくて。あまり擁護性が強いといいますか,公益性があるといいますか,そういうときだけという話があるかもしれません。そこがちょっとまだよく分かりませんけれども,立法論として。何しろ私どもはあまり頭のいい集団じゃないものですから,立法論まで踏み込んで検討したわけではなくて,単なる要望といいますか,気持ちがそういうところにあるので,何とかしてもらえたらなという,そういうところだけなものですから。ちょっとそこは,オのような考え方かなと。今おっしゃったような考えでいけばですね。そういう気もしましたのでコメントさせていただきました。
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【座長】 あといかがですか。  ○○会員。
【会員】 これは石油の業界の話に限っての御質問ですが,必ずしも実態をちゃんと今の御説明で理解できたかどうか自信がありませんので伺うのですが,仮に,この組合ないし組合連合会が訴権を与えられた場合に,典型的に想定されているのは,団体が組合に属している内部の企業を訴えるのか,それとも組合に属していない企業を訴えるのか,どっちのケースを想定されているのでしょうか。
【副会長・専務理事】 これは両方だと思います。普通,一般の人は,うちの中では元売を訴えるという感じになっているんですね。だけど,元売を訴えた段階で潰されると。だから名前出せないんだと。不当廉売とかそういう取引は自分の内輪の中でも現実に起こるわけですから,そこは両サイドあると思います。必ずしも元売だけではないと思います。差別対価になると元売かもしれませんし,不当廉売になるとどうでしょう。仲間内,あるいはアウトサイダーになるかもしれませんし,そこはいろいろなことが考えられると思います。だから,うちは外だけというわけではないと思いますね。
【会員】 今の御質問とも関係するのですが,団体訴権を付与してほしいという御意見の理由は,今伺ったところによると,個別の企業が訴えたのでは表に存在が出てしまうので,元売なりに潰されてしまうとか,あるいは取引を遮断されてしまうとかいうようなことで,団体の名前でやりたいと。つまり,個別の被害企業に匿名性を付与したいということだと思うんですね。ただ,団体が訴えても,不公正な取引なりを立証しなければいけないわけですね。立証するためには証人尋問として被害企業の関係者が出ていくなり,あるいは文書でも,その文書の中には具体的にどの企業がどういう被害を受けたというようなことが出てくることが多いと思うんですよね。あるいはそうでないと,なかなか立証ができないことも多いと思うんですね。さっき団体の外の企業を訴える場合も,中の企業を訴える場合もあり得るというお話でしたけれども,それぞれによって違うのかもしれませんが,そういうことの立証の中で個別の企業が出てきて潰されないように立証ができるということが,何かそういうやり方があるのでしょうか。
【副会長・専務理事】 それは御指摘のとおりで,最後まで陰に隠れて被害を立証
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できるということは難しいかもしれませんですね。おっしゃるとおりだと思いますよ。そうなってくると,今のように名前は出ても公益的,固有の権利でみたいな話でいく場合はいいんですけれども,具体的にこのケースについてこういうことがあるから,なんていう話になってきたときには,「だれがそんなことを言っているんです?」という話にだんだんなってきて,直接裁判官が聞いてみたいなんて言ったら,よっぽど非公開の裁判で,何か民事訴訟あたりで命令できるんでしょう。よっぽどそういう例外的なことでもない限り,おっしゃるようになかなか難しいかもしれない。秘密保持命令みたいなのか何か忘れましたけど,そういうのがね。難しいと思いますよ。だから,よほど配慮していただいて,裁判の陳述のときは非公開とかね。その程度で非公開を裁判官が認めてくれるかどうか分かりませんね。
【会員】 ちょっと続けると,非公開は実際難しいんですけれども,非公開にしたとしても,相手方には伝わってしまうわけですよね。傍聴人は外してもですね。あまり意味はないんですが,可能性としては被害企業が多ければ,特定の被害じゃなくて,これもやられた,これもやられたといえば,結局すべてを潰すわけにいかないから,そういうことで危険を拡散するということはあり得るのですが,そういったような形での訴えというのが起こせるようなことが多いのか少ないのかということですね。
【副会長・専務理事】 政治家を入れてやっているような内容,わりかし総論的なことが結構あるんですよね。そういった問題について訴訟までするということになって,そこでまた訴えの利益が出てくるのかな。差止請求してもいいような気もしますけどね。
【会員】 要するに訴える団体を起こすにしても,内部で1社が被害の手を挙げれば,ほかの小さいところがくっついてきてくれるのかどうか,そういう話ですね。
【副会長・専務理事】 例えば,今,発券店値付けカード。これは車のリース会社が例えば,ある大きな事務所に車をリースします。ついでにこの車のガソリン,これを全国どこへ行っても同じ値段でいいですよと,こういうカードを発券するんです。これ,発券店値付けっていうんです。ところが,八丈島はガソリンスタンドがあるかどうか分かりませんけれども,船で行くから,仮に180円としますね。だけど,この辺で全部平均して
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130円で入れています。全国。何とか計算システムが。そうすると,180円で月間平均が100リットルぐらいしか入れないのに,八丈島じゃ30リットルしか売れないんだと。そこへ180円の販売価格でやっていたら,まあ,何とか子供を小学校へ行かせるだけの収入を得ているのに120円,130円で来られたらたまったもんじゃないですよというような問題があるんですよ。発券店値付けカードっていうのがこの中にありますけど。そういうふうな問題はやめてくれと。あるいは,自粛してくれというのか。自粛じゃ訴訟にならないですね。なるのかどうか知りませんが,そういった場合には団体訴訟というのは理論的にはできるかもしれませんけどね。オートリース会社全体を訴えるというようなことは今のような話でできるかもしれませんね。それは多分,相当な数の人が,そういうことができるようになりますよと言ったら来るかもしれません。だけど,今の制度で,訴権がなくて,複数で集まって100人ぐらいで訴えたらいいじゃないかと言われたらそれきりですよね。だから,まあ,難しいところですよ。
【座長】 はい,いかがでしょうか。  ○○会員。
【会員】 今日はありがとうございました。
今のに関連するんですが,公正取引委員会の申告件数が18年度は259件あって,公正取引委員会に法的措置を是非とっていただきたいと。そして,判例も欲しいというふうに不当廉売,それから差別対価ですかね,考えられているわけですよね。とすると,独占禁止法24条訴訟をなぜしないんだろう,24条訴訟を起こして判決をもらわれたらいいんじゃないかというのが素朴な従来からの疑問であったんですよね。これにつきましては,実はLPガス業界,まあ,もちろん業界の市場が全然違うので簡単に比較はできないと思うのですが,LPガス業界については実際に複数の訴訟を起こされて,まあ,負けられたんですけれども,判決を得られて,少なくともそれで裁判所が一定の解釈基準を示されたという意味では,望まれているようなことがなされているんだと思うんですね。
先ほどの参考11,X石油商業組合の差止請求訴訟というのは,これは元売じゃなくて小売業者の廉売行為について訴訟を起こされている。これはだから,元売にどうこうやられるというタイプものじゃなくて,競争相手が不当廉売しているというのは,もちろんそれで元売から何か制裁を受けるということがあるのかもしれませんが,一般には競争相手を訴えているだけだから,訴えることによって特に困ることはないだろうと素朴に思うんで
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すけれども,この種の訴訟は不当廉売あるいは大規模の地域で展開しているものであれば差別対価という形で小売業者を訴えるという形で第24条による差止請求をする。それも一業者だけだったらするのは大変でしょうが,困っておられる方がたくさんおられるのだから,団体が一種の後ろ盾になりながら訴訟を支援されるという形で第24条が使えるのかなという気もするのですが,そういうケースがどうもないようなので,となると,事情は何かございますでしょうか。
【副会長・専務理事】 公正取引委員会に訴えた場合は名前が出るんでしたっけ。
【取引部長】 いえいえ,申告者の名前は出ません。
【副会長・専務理事】 出ないでしょう。だから,公正取引委員会に訴えた場合は裁判と違って名前出ないんですよね,まず。そこがちょっとね。
【会員】 つまり,他の業者が安売りをしていると。それは困るという場合でもやはり名前が出たら困るんでしょうか。元売業者に対して訴えるというのは,もちろん,そんなことしたら継続契約が解消されかねないので訴えるのは難しいでしょうが。
【副会長・専務理事】 差別対価は元売ですよね。
【会員】 ただ,小売業者が,例えば和歌山の石油販売業者の事件のように,○○石油が廉売行為をしているという,それに対して訴えて,それによって顧客をたくさん取られているというようなケースがあるはずですので,そういうような場合には名前を出して訴訟をするということが第24条を使ってできるのかなという気はしなくはないですし,現にLPガスの事件はそういうケースだったものですから。ちょっと業界の事情が違うのかなというような,その辺り,LPガスでされたようなことはできないのかなという疑問なんです。
【副会長・専務理事】 LPと業界の体質,私もたまたま昔ちょっと縁がありましたけれども,ちょっと違う感じがしますね。どうも販売業界と違うみたいで,元売,要す
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るに元売との関係が違うんじゃないでしょうかね。たくさんのLP業者がいて,それも似たようなやつがたくさんいて,どこか潰していくというような感じじゃなくて,何か,ものすごく小さい人がたくさんいる感じでしょう。何かね,ちょっと私も説明できませんけど,石油の販売業界とは少し違う感じがしますね。
【会員】 あの被告の側は直接自分で原料を購入して生産されていたという事情が効いたんですかね。あるいは,原告側が非常にたくさんいたという事情が。
【副会長・専務理事】 原告いっぱいいたでしょう,確か。
【会員】 いっぱいいたから,叩いてもモグラ叩きになるから,結局は訴えた者に対して事実上制裁はできないだろう。そのあたり,石油業界の場合には,そういう意味での多数の被害は受けていないんでしょうかね,石油業界では影響を受けている方は比較的少数だと。
【副会長・専務理事】 何となくそんな感じがしますよ。被害を受けている方がもう少し少数のような感じがします。
【座長】 じゃあ関連して,  ○○会員から発言がございます。
【会員】 今の競争業者の不当廉売を訴えるときに,自分の名が出ることはそんなに恐れる必要がないんじゃないかという泉水先生の御指摘だったと思うんですけれども,その場合になぜ団体訴訟が必要なのかという御質問かなと思っているんですけれども,それでしたら,ドイツでも当然,競争法上,競争業者の不当廉売を事業者団体が訴えるというのがあるわけですよね。そういう場合には,11ページのイのところにもちょっと関係していることが書いてありますけれども,これは大企業相手の話かもしれないのですが,被害を受けた額に対して訴訟にかかる手間だとか費用がいっぱいかかっちゃうから,中小の企業は訴えたくないんだと。だから公正取引委員会に申告するなり団体訴訟としてやってほしいんだという,そこがあると思うんです。強調なされたのは,自分の名前が出ると潰されるというところでしたけれども,やはり少ししか被害を受けていないので,自分で訴
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えるのは費用がかかって嫌なんだという,そういうところなのかなという。
【副会長・専務理事】 それは違いますね。被害はものすごく大きいと思います。私,たまたま住んでいるところが近いんですけどね。環八の。けた違いに違って,おそらく東京の世田谷区近辺で訴えた人は,私も後で聞いたんですけれども,これ,勉強しなければならないから聞いてみたんですけど,もうほとんど残っていないですね。独立系のガソリンスタンドは。みんな大手の企業のスタンドだけらしいですよ,環八沿いは。
【会員】 訴えた企業というのは,自分で訴えた企業ですかね。
【副会長・専務理事】 自分で訴えた人はね,残っている人はほとんどいなくて,被害はものすごく大きいようですよ。
【会員】 これは自分で訴えた事例ですよね。
【副会長・専務理事】 X石油商業組合の例でしょう。
【会員】 ですよね。そうじゃなくて,自分で訴えない人たちもいるんじゃないかというお話をしているわけですよ。
【副会長・専務理事】 あ,被害が少ないから?
【会員】 はい。
【副会長・専務理事】 被害が少ないとはとても思えないな。だって,毎年1,000なり2,000減っていますからね。
【会員】 私が言っているのは,自分の受けた被害がこれだけあると。それで,訴訟だとか,何年もかかるということを考えて比較して,訴訟と費用と比較してですよ。
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【副会長・専務理事】 いや,だから,損害賠償は今言ったように難しいと。独占禁止法違反で談合みたいにはっきり計算できるものじゃなくて。だから差止請求だけかなというか,本当はそっちまでいきたいところなんでしょうけれども,どうも特許法を見ても,あれと同じようなものを独占禁止法に作るのはとても難しそうだなという感じがするものですからね。だから,とりあえず差止請求だけということなんですが。損害の額についての推定規定とか,そういうことをやると,もうとてもじゃないけど大変なのではないかなと思って。
【会員】 そうですか。まあ,ちょっと話がそれてしまったようですけれども,ひとまず競争法上の団体訴訟の趣旨というのは,一つは少額の被害を受けた人たちが自分で訴えるのは嫌なので,だから団体が訴えるという,これが1つ目の趣旨で,2つ目の趣旨が,先ほどから強調されていた点に関係しますけれども,自分が訴えると潰されるので,代わりにやってくださいというのが競争法上の2つ目の趣旨で,この2点目が消費者契約法などの消費者団体とは異なる点なんですけれども,この2つがあるということですけれども。
【副会長・専務理事】 環八沿いの話でもそうなのですけど,大体,皆さん,車持っておられる。大体,甲州街道と環八のあの辺の人は,やはりあの辺でしかどうしても動かないですよね。我々もそうですけれども,そうすると商圏というのは限られてくるわけで,広く薄くというのは現実にドライバーがどういう行動をするかというところにつながってきますが,だから,大体,ダメージが大きいですよ。商圏は限られてきます。例えば,三鷹に住んでいる人が足立区に安いからって行かないですね。
【会員】 そうですね。例えばドイツでも,ある地域のCDの販売店で,ある大型のCDの小売店が廉売をしたというので,そのほかの販売店が迷惑を受けているというので不当廉売だといって事業者団体が訴えるというのもあるわけです。すなわち,必ずしも全国規模に広がっていなくても,一定の商圏でも構わないわけですよね。その範囲で要するに集団的利益が害されているというところをとらえて団体訴訟ができるわけですよね。そういうので有効に機能すると思います。
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【副会長・専務理事】 なるほど。是非,そういうのがあれば。基本的に私思うのですけれども,議事録出ちゃうからどうかとは思うのですが,見ていると,今までは元売と販売業者との関係が随分こういうことになって,変わってきていると思います。昔は非常に,表現が難しいですけれども,かなり上下関係というのですか,優越的地位がはっきりしていても,それは受諾していたところがありますね。最近,少し権利意識に目覚めてきましたので,どうせこのまま行ったら潰されてしまうから,少し頑張ってみようかという気持ちが出てきているような感じがします。そうあるから,全国から何十人,100人ぐらい出てきているのですよね,場合によっては。50人,100人という政治家が出てこられましてね,いろいろ。その主張も極めてポイントを突いた主張で,これは1人や2人が説得しながら回っていてもできるようなものじゃないようなことを発言しておられる人が多いのです。公正取引委員会も多分聞いていてそう思っておられると思いますけれども。そういう意味でいうと,少し流れが変わってきたのかなと。別に,だからうまくいくかどうかは分かりませんけれども,そういう,訴えるとか,どこどこに何かしてみようという,そういう考え方が少し強くなってきたというか,前向きになってきたという感じはいたしますね。私も長くいるものですから変化を感じ取ることができます。それがいいのかどうかは分かりませんけれども,今までのようにとにかくやられっぱなしでは困るなということを感じているのではないかなと思いますので,できるだけ法的ツールはたくさんある方が我々としてはありがたいという気持ちなのですが,  ○○先生がおっしゃるように,どうせ最後は裸になってしまうのではないかと,隠れたって限度あるよと。頭隠して尻隠さずになってしまうのではないのと言われているところはあるんだよね。そこは確かにそういうところもあるのかもしれませんが,しかしいろいろなケースが考えられますので,そこのところは少しでもツールが多い方がありがたいというのは,私どもの率直な希望でございまして,立法論的にはどうしても私どもはあまり学がないものですから,皆さんに考えていただければなと,こういうふうに思います。
【座長】 あと,  ○○会員,いかがでしょうか。
【会員】 特にありません。
【座長】   ○○会員は。
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【会員】 お話を伺っていて,合点の行かない点が1点あって,公正取引委員会で十分ではない理由を1つ挙げるとしたら何でしょうか。というふうに申し上げますのは,10ページにやはり差止訴訟だと判決に至るまでの経緯を原告が十分確認できる可能性があると。公正取引委員会ではその前のイに書いてあるような説明を求めても開示されない部分が多いということで,今後の参考にならないことも多い。だけど,公正取引委員会にかなり申告してということを一方ではやられているわけですね。ちょっとその辺の,公正取引委員会だけでは駄目だと。補足的に今回お示しされたようなことを希望されているという,そのすみ分けというか,どういうふうに違えていくというお考えでしょうか。
【本副会長・専務理事】 公正取引委員会の不当廉売については大体,同業者が結構多いみたいですね。見ていると。元売を訴えるというのは,大体,差別対価とか優越的地位の濫用とかいうようなことなのでしょうが,それについては今のところないですよ。この不当廉売であれだけ安いのに何で公正取引委員会はこれをせいぜい注意,たまに警告があるのですけど,あれは白だと,業者の人はそう言うのですよ。だけど,公正取引委員会にすれば,それは見せてあげたいのは,やまやまだけど,これこそ見せてあげられないものなのだというところで,うちの方のフラストレーションが随分たまっているのですよ。公正取引委員会が駄目だとは言っていないのだけれども,もうちょっと,それこそ今度,文書提出命令あたりと絡んでくるんですね。だから,そういうところができればありがたいなというところなのですよ。
だから,公正取引委員会が駄目だというのではなくて,現実問題,公正取引委員会に訴えることによって,まあ,訴えられた方はやはり事務処理が随分かかるようなのですよ。要するに,公正取引委員会の相手をしなければいけませんからね。このこと自体は非常に相手方にとってはダメージになるわけですよね。だから効果はないとは言えないのですが,やはりもう少し突っ込んで,文書提出命令なんかと絡んでくるのですけれども,何でこれが白なのだ,何でこれが注意なのだというのをもう少し深く知りたいという希望もあるのですけれども。希望があっても,「じゃあ,おまえ出てきな」と言われたら,こつんとやられてしまう。こういう矛盾を抱えているのが今の実態なのですね。
【座長】 ちょっと私からお伺いしたいのですけれども,今,例えば不当廉売なんかだと,事業者自身が判断なさって訴訟を起こすということになっていますけれども,事
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業者団体,仮に団体訴訟の権利があるといたしますと,例えば,これが差別対価だというふうに判断するかどうかについて,安売りしている企業は販売店を場合によっては自分は工夫して業転ものを手に入れてきて,安く仕入れしてそれを売っているのだと。あなた方は安定供給というので高い値段で買っているのだから,それはこっちはリスクを負ってやっているのだから工夫次第ですよと,こういう判断なさる企業もあると思うのですね。それで,御団体の中にもそういう事業者の方がいらっしゃると思いますから,団体としては判断しなければいけませんよね。これ,不当廉売なのか,それとも正当な価格引下げなのか。こういうことは実際おやりになれると思っていらっしゃるのでしょうか。それとも,団体で判断しなければいけませんよね。持ち方次第では組合の方が不満を持たれるはずです。その辺はできそうですか。
【副会長・専務理事】 おっしゃったように,中でかえって人間関係が悪くなって,いろいろな形で困るということもあるようです。それでも,こんな二百何十も申告されていますよね。
【 ○○】 それは事業者の方がそれぞれ自分の判断でやっているから,それは押さえようがないけど,団体だと,何で私の意見を聞かずにこっちの意見だけで勝手にやるのだということになりますよね。
【副会長・専務理事】 だけどね,これ,公正取引委員会も必ずしも個人だけじゃなくて,石油協同組合という名前で公正取引委員会に出しているケースも結構あるでしょう。あるのではないですか。
【取引調査室長】 あります。
【副会長・専務理事】 したがって,その中ではいつも葛藤があって,その葛藤の中で結局やろうということになっているケースもあるものですから,それはおっしゃるように,中でのディスカッションはあるでしょうけれども,それは皆無だとか,あるいはほとんど働かないということはないですね。もう既に受忍限度を超えているようなケースがあって,それはそれ以外の利益はもう無視してもいいようなレベルまで達しているときに
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そういうことが起きているようですから。十分あり得ます。
【座長】 そうなったら,団体内で調整して,何を提訴して,何は正当な価格引下げをさせるかという,一応判断基準を作ってやっていくという,こういうことですね。
【副会長・専務理事】 基準というよりも,やはり合意していくのではないでしょうかね。
【座長】 ケース・バイ・ケースですか。
【副会長・専務理事】 はい,ケース・バイ・ケース。
【座長】 はい,どうもありがとうございました。
ほか,いかがでしょうか。
それでは,大体御質問も出尽くしたようなので,これでヒアリングを終えたいと思います。どうも今日はありがとうございました。
【副会長・専務理事】 ありがとうございました。
【古城座長】 それでは,次回の第4回会合は研究会報告書案について御議論いただきたいと思います。次回会合は6月19日,火曜日の午前10時からを予定しております。なお,次回会合での議論のたたき台として,事務局より研究会報告書案を作成し,次回会合の1週間前までには各会員に送付することとしたいと思います。
最後に事務局の方から何か御連絡ございますか。
【取引調査室長】 特にございません。
【座長】 それでは,これにて本日の研究会を終わらせていただきたいと思います。本日は会員の方々には長時間にわたり御議論いただき,誠にありがとうございました。
── 了 ──
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