2/9 燃料油脂新聞 「記者の眼」より
過疎地のSS存続は意思の統一が不可欠
◎・・・改正消防法による老朽化地下タンクの改修義務化(施行)を受けて「過疎地のSS対策」が急務になっている(既報)。
都市部とくらべて過疎地では「少ない需要を少ないSS」でまかなってきた経緯がある。
近年の人口減少や高齢化SS間価格競争の激化による経営悪化にも「地域のエネルギー拠点」としての自負のもと、地域貢献を信条にSSを存続させてきた。
◎・・・ところが先の消防法改正によってこうした「ギリギリ」の経営状態で商売を続けてきたSSの撤退が現実味を帯びつつある。
なかには補助金を使えば地下タンクの改修そのものは可能という業者もいるが、こうしたところに限ってSS全体の老朽化が進んでおり地下タンクの改修だけでは済まなくなっている。
全面改装が不可避の状態で、これが「SS閉鎖」を選択せざるを得ない状況に追い込んでいる。
まさに消防法改正がこうした小規模、老朽化したSSの息の根を止める格好となっている。
◎・・・過疎地のSS問題は今に始まったことではない。
全国各地で地元にSSがなくなるケースが多発、十キロ四方にSSがない地域もめずらしくなくなっている。
こうしたところでは地域住民(会社)に行政も加わってSSを復活させるところもあるが、そのSSを長期存続させるのは並大抵のことではない。
一番の問題は復活させたSSの利益確保で、これはSS存続を左右する。
◎・・・少ない販売量で利益を出すにはきちんとマージンを乗せた価格で売り切ることが必要。
これには地域住民の「おらがSS」としての自覚、地域の生命線としての認識が不可欠。
買い物や通勤に出かけても「給油は地元」を徹底すること。
あとは地域の努力に対して石油業界と行政がどう関与、協力していくかだ。
過疎地のSS対策はこの三者が一致協力することが必要だ。
>地域住民の「おらがSS」としての自覚、地域の生命線としての認識が不可欠。
>買い物や通勤に出かけても「給油は地元」を徹底すること。
本当にその通り。
“組合員のため”を謳っているJAですら、採算が合わないという理由で撤退するのですから。
でも、これが難しいと思う。
特に若い人には。
少ない販売量で利益を出すためのマージンを乗せようとすると、それは“町”に比べてかなりの高値になるワケで・・・
通勤や買い物で町へ車を走らせる人が、どこまでの差額を容認してくれるのか・・・
だいたい、公的なハズの“エネルギー”に、ここまで大きな価格差が存在すること自体おかしいのです。
「電気やガス、水道が地域や販売店によって差があったら?」と考えてみてください。
同じ品質のものが同じ価格で売られているなかで、仕事がいい加減であったり接客態度が悪いなどの理由でお客様が離れていくのはその販売店に責任があります。
その結果、敗退していく販売店が出るとしたら、それはその販売店が悪いのです。
そしてそれが「自然淘汰」と言われるものなのだと思います。
この業界で「淘汰」と言われるものは、市場原理主義の元売と愚策政治による人為的淘汰だと思います。
国は、「ガソリンや灯油はエネルギーであり、ライフラインだ」というのなら、今のような「一物多価」状態を一刻も早く是正するべきです。
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でもでも!
そんな過疎地問題のなか、とても前向きで元気ヤル気満開の、高齢経営者がいらっしゃいました(^^)/
愛知県と長野県に接している岐阜県恵那市にある松田屋石油店の松田貞一郎さん76歳。
1956年、21歳のときにSSを開業され55年、現在は奥様と二人で石油の安定供給に努めておられます。
何が凄いって(^^)/
このお歳で(失礼!)、「地下タンクのFRPを3年以内にやる」
また、車検を増やすためのセミナーに参加するために名古屋まで出かけられるなど、意欲も行動力も素晴らしいのです。
凄いなぁ・・・偉いなぁ・・・