masumiノート

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元売のカード戦略(仁義無きカード戦略)

2012年04月17日 | ガソリンスタンド

仁義なき元売カード戦略




「同じ系列から顧客を奪う恥ずべき行為だ」
「他人の努力を仲間のSSが横取りしている」

千葉県では、元売販社や出資会社のクレジットカードの安値表示への不信感が高まっている。

元売販社や出資会社のセルフが行っていることは、いままでわれわれが努力して発券したカード顧客を横取りする行為。
しかもカード顧客は油外売上の中心的存在で、われわれにとって死活問題だ。

「元売はFCカードと同様に地元のSSが発行したクレジットカード客であっても自らの客とみなし、販売子会社に集めようとしているのではないか」と、特約店も疑心暗鬼の念を膨らませている。

※そのお店オリジナルの会員カードと違い、元売カードはどこのお店でも使えるため、同じマークの安売り店に顧客を奪われてしまうことになりかねません。



 

 

系列販売店の多くは、
元売のカード戦略に不満を持っています。




どの販売店から出ようが元売にとっての販売量には変わりがないので、

元売は販売店のことなどお構いなしなのです。

それどころか、4月14日の燃料油脂新聞によると、元売は更に特約店やSSの絞り込みを行い、
効率ネットワークの構築を推進しているようです。
(まだ販売店の淘汰を進めようとしています)

東日本大震災で、
安定供給のために地場のガソリンスタンドの存在が大切だと認識されたはずなのに。



*****

私は、これらのカードの仕組みも消費者に知ってもらいたいです。
そして出来る事なら元売に問いたい。

発券店値付けカードのお客様に「いくらで請求が来ているか」を訊いてみたことがあります。
現金会員価格と同じくらいの単価もありましたが、多くはかなりの安値でした。
中には当店の仕切りより低い単価もありました。

給油店に給油代行手数料を支払い、
発券店にもバックマージンを支払い、
当然元売の利益も確保しているハズなのに、
エンドユーザーが支払う単価が、給油店(地場系列)の仕切り以下とは一体どういうことでしょう?

“ほんとうのガソリンの値段”ってあるんでしょうか?!


<※平成25年4月19日画像追加>

平成25年4月17日 ぜんせき



*****

こんなこともありました。

発券店値付けカードで給油に来られていた常連のお客様が、
「僕ね、もう退職でこのカードを会社に返さないといけないんだよね(※)。
そのアトはやっぱり現金で支払うしかないのかな?出来たら通帳から引き落として欲しいんだけど」とおっしゃるので、ENEOSカードをお勧めしました。

(※)それまで団体割引ということで会社からカードを持たされて、自家用車の給油分は給料から天引きされていたそうです。


「慣れたところが良いから」と退職されたあとも当店を利用してくれていたのですが・・・

ENEOSカードの請求明細が届いて、単価を見たその方に言われました。

「いくら団体じゃ無くなったからって、ちょっと高過ぎだよ。そんなに利益を乗せないでも良いでしょう」と。

発券店値付けカードの契約単価が当店の仕切りより安いものまであることなどを説明しましたが、
その後数回給油に来られたのを最後にご来店いただいておりません。


それからまた、
長年現金会員としてご利用いただいていたお客様にENEOSカードへの切り替えをお勧めしても、
田舎の年配者の多くはクレジットカードに対して拒否反応を示します。
それでも、「少しでも得なほうが良い」というご希望はあり・・・、
何度かの説明の後やっとENEOSカードへ切り替えられた方のケースでは・・・

先に説明した通り、ENEOSカードは「給油店値付け」です。

安値店やセルフで給油すれば、そのお店の安い単価で給油できます。
オリジナルの会員カードなら他店へ流れることは余程の事がない限り起こりませんが、元売カードは同じマークの店ならどこでも使えますから、
お客さんの意識も変わるのでしょう・・・

「やはり安い方が良い」と、同系列の他店へ替わってしまわれる方もいらっしゃいます。
このことを、この業界紙の記事では「仁義なき」と表現しています。


*****

高騰を続けてきたガソリン価格ですが先週は値下がりとなりました。
それより早く、系列外(業転)の投売りは始まっています。
業転玉との価格差はまた広がりそうで、PB優位の状況は変わりそうにありません。
市況はまだ動いていないので、浮気組みさんも安い業転玉で一息つけるのではないでしょうか。

系列100%仕入れでいるのは本当にシンドイです。

系列販売店は(ごく当たり前に)系列仕入れで商売が成り立つ。

一日も早く、そんな世の中になってほしいです。








元売のカード戦略(手数料と発券店値付け)

2012年04月17日 | ガソリンスタンド

 重くのしかかるカード手数料 

仕切価格の上昇分を小売価格に転嫁すればするほど、燃料油マージンの減少を招く皮肉な現象に、東北地区のSS販売業者は頭を痛めている。

※燃料油マージンはいつまで経ってもリッター当たりいくら。
しかし
カードの手数料は売上額の何%で計算されるため、値上げするほどガソリンマージンは圧縮される。


「発券店値付けカードに潰される」

大阪市内のSS店主は「クレジット会社系の発券店値付けカードが増えてきており、SSの利益が一段と侵食されている」と憤っている。
「最近は超優良顧客が軒並みピンポイントで狙われており、現状のままでは市内型SSは発券店値付けカードで全滅してしまう」と危機感を募らせている。

同SSの優良法人客の粗利益はリットル15-18円。
以前はオイルやタイヤ交換などメンテナンスも殆ど任せてくれていた」といい、優良客は1社で月間50-100万円の利益が出ていたという。
しかし、「軒並み発券店値付けカード客になってしまっている」と嘆く。

「今まで適正利益が出るように手塩に掛けて育ててきた優良顧客が一夜にして、メンテナンスも一切ダメ、わずか7円の給油手数料のみの(※)最低ランクのカード客になってしまう。系列SSに対する暴挙だ。元売はなぜ系列店の経営を圧迫するカードを容認するのか理解に苦しむ」と、元売のカード戦略に疑問を唱える。


※当店は10年以上前にコレに遭いました。

リッター当たりのマージンが15-20円の、月に150万円以上の売り上げがあった企業が、信販系の発券店値付けカードを利用されることになったのです。
メンテナンスも任せてもらっていたので、冬場のタイヤチェーン装着やシャンプー洗車などはサービスするなど、大切にしてきた取引先が一夜にして“(※)最低ランクのカード客”になってしまいました。

けれども、給油に来られる従業員の方に、その違いが分かるはずもありません。
そして、それまで同様に「洗車」や「ちょっと○○して」と、利益が発生しない注文をされていましたので、
もし当時の私がこの発券店値付けカードのシステムについて知っていたとしたら、精神的にきつかっただろうと思います。

(因みに現在は取引はしていません。発券店がかわって(?)他元売のカードになったようです)。


あの頃、実感としてはまだなかったものの景気が下向きかけており、経営コンサルタントを導入する企業も増えました。
その経営コンサルタントの意見に従い、社有車をリース車に替えたり、掛け取引での給油ではなく発券店値付けカードでの給油に替えたりした企業も多かったと思います。

給油に来られたら、灰皿・窓拭き・タイヤエアチェックなど行うことは一緒です。
けれども、自店の掛けのお客さんならリッター当たり15-20円の粗利を得られたものが、
発券店値付けカードを使われることによって軽油で5円、レギュラーで7円の手数料(粗利)しか得られなくなってしまうのです。

もし月に10キロリットルの取引なら、150,000円~200,000円あった粗利益が、
やることは同じなのに、軽油なら50,000円、レギュラーで70,000円と、半分以下の粗利益になってしまったのです。

社有車をリース車にされて、オイル交換などの油外収益も得られなくなる・・・
(※リース車の給油口の蓋には「この車はメンテナンス契約車です。油脂交換など一切しないで下さい」というステッカーが貼ってあります。


こんな企業が数社ともなれば、とても大きな痛手です。
経費は変わらないのに収益が激減して敗退していった販売店も多かったことでしょう。
(全国的にガソリンスタンドの減り方は凄かったです)


 


“(※)最低ランクのカード客”と書かれた発券店値付けカードですが、
好市況地域にはそうかも知れません。
粗利益が20円以上ある掛け取引を多く抱えている販売店にとっては、発券店値付けカードの客が増えると、そちらに手を取られ、大得意先へのフォローが出来なくなるという理由で敬遠する向きもあります。

しかし平常粗利が一桁という激戦区では、“ありがたい”または、“ないよりマシ”となるコトも事実です。

私は永い事その仕組みも知らずに来たので、「常連さん」という意識でした。
発券店が値段をつけるカードなんてことも知りませんでした。

「どこの店でも使えるのに当店を利用してくれる」と思えば、ありがたいことでもあります。
中には「明日から移動で勤務先が変わるので、ここでお世話になるのは今日が最後です」なんて挨拶をしてくれる方も居て、当店では“最低ランクの”、なんてコトは思っていません。

ただ元売に対して、給油代行手数料をせめて10円にしてほしいとは思います。
そして、店舗も持たないペーパー企業が発券だけしてマージンを得るというのもどうかと思いますし、
又、発券店によって単価が違ったり、地場の販売店より安値というのも不信感の元ですね。




つづく