前全石連会長がエネ庁長官に「現卸格差は中小SS生存不能」「業転5割許容を」と訴ました。
このブログで私は「棲み分けによる共存共栄を」と書きました。
「系列店と非系列店があり、系列ルートと非系列ルートがあるのだから、系列店が業転玉を仕入れるのはおかしい」「区別くらいちゃんとつけましょう」と書いてきました。
「業転が地場3者店を救うことにはならない」「業転は一時しのぎにしかならない」と書いてきました。
「卸格差の是正を」と書いてきました。
そして、
他社買い行為を批判してきました。
組合が系列店へ業転玉を斡旋したり、「現卸格差は中小SS生存不能」「業転5割許容を」と全石連会長がエネ庁長官に訴えなければならないほど他社買いしている販売店が多い業界だから、
このブログ(私)に対して反感を持つ同業者が多いことは承知しています。
>努力してみてはとこちらがいう言葉をすべて業転買えととらえているようでは他の努力はしてないようですね
2013年8月、同業者と思われる方からのコメントです。
努力って人それぞれだし自慢することでもないのでこの時は一々書きませんでしたが、
誤解されたままのようなので少し書いて置くことにします。
私がガソリンスタンドで働くようになったのは平成6年9月です。
給油所数の推移をみるとまだ減少には転じていません。
窓拭きゴミ捨ては当たり前のサービスだと思っていました。
(少量給油も、掛け、一見さん、発券店値付けカードも、何も関係なく)
私は、内窓に缶コーヒーか何かの液体が飛んでいるときは内窓も拭いていました。
人手不足になってからも暫くは続けていたので、ある日トラックの運転手さんがトイレに行かれている間にハンドル周りを拭いていて次の車が入店した際に「いらっしゃいませー」と慌てて降りようとして顔から落ちたこともあります。
窓を拭きながらタイヤの状態を見、
お客さんが車から降りて足元マットに手を伸ばせば「洗いましょうか?」と声を掛けるなど、お客さんの動向には注意を払っていました。
関東方面ナンバーの発券店値付けカードのお客さんから「全国にはガソリンスタンドなんて掃いて捨てるほどあるのに、ここに来てしまう」と言われたこともあります。
今は・・・です。
無料サービスとして他には、
掛け会員さんの息子さんがオートバックスで購入してきたワイパーゴムの交換
女性客がオートバックスで買ってこられたシートカバーの取り付け
石油ストーブの修理
少しくらいの傷、凹みならー
等々
閉店後であれ灯油が切れたと電話があれば配達
等々
当店顧客イチゲンサンに関わらず、ガス欠、パンク、脱輪、バッテリー上がりなどの救援。
お客さんの要望には余程でない限り応えていました。
これらは新設店が出現する前から、余裕で黒字の時、油外のためでもなく、
“普通に”やっていたことです。
あと、油外収益の為に磨きとかコーティングなどの組合が斡旋する高額洗車を導入したりもしました。
私がした努力は、
これも当時は特段努力だとは思わずにやりましたが、
新規顧客獲得の為に“ワンコイン洗車”を企画し、店の近くの交差点に立って信号待ちの車にチラシを配ったり・・・
そうですね...
平成19年6月6日団体訴訟制度に関する研究会(第3回-2) で当時の組合副会長・専務理事が
『毎年平均すると600万円ぐらい赤字が続いております。
実際は7割から8割が赤字だと。では,毎年600万円ずつ赤字でどうしているのだという話になるのですけれども,これは自分の自己資産を食い潰しておるというのが実態だということであります。 』と発言した通り、
近隣に2者店の新規出店が相次ぎ、それまでの市況より10円安い価格看板を掲げる店もあり、当店も赤字経営に陥っていたあの頃ー
事務所の中の雰囲気は最悪でした。
この閉塞感をどうにかしないと!と、『努力』したこと、
先ずは、
「そんなことをする必要はない」と言うこうちゃんの反対を押し切って始めたのが、タイヤ交換の際に新しいビニール袋と軍手をプレゼントすることです。
(今は止めました)
次にタイヤを売ることです。
これは鈴木石油さんのhttp://www.taiya-kakaku.com/szk2frm.htmlを参考にさせて頂き、お蔭様でタイヤメーカーの方が「凄いですね」と言ってくださるほどの結果が出ました。m(_ _)m
(今は止めました)
続いて、古物商の許可を取得して中古車販売を始め、こちらも順調でしたが、
人手がない状態の今はタイヤと同じく、(お話があれば、)という状況です。
一桁の燃料油マージンでは当店のような小規模店は業転玉で薄めない限り人を雇用することが出来ません。
リッター5円の粗利では採算割れになる“証拠”
上に書いたことは、人員があったからこそ可能でした。
当時のスタッフが居てくれたからこそです。
近隣他店より13円高く売っても粗利5円しかないという状況下で、
「○○店と同じにしろとは言わない。窓も拭かなくて良いから、サービスなんて要らんから、もう少し安くして」と言われたり、
「○○店の看板価格で計算し直した」と小切手を渡されたり、
他にも“卸格差による”そういうことが多々あり、
「私は」この業界に嫌気がさしたのです。
MSDSではなく、化管法絡みの証明書を都度元売に発行して貰う必要のある当店は、その意味でも業転玉に手を出すことはできません。
特約店との仕切り交渉を云々というコメントも頂きましたが、
それで解決するのであれば、他社買いしたりマークを降ろしてPBになる同業者はいなかったでしょう。
※「仕入れ努力」という記事にしています。
経営努力では補えないから、「卸格差は中小SS生存不能」なのです。
PS
それでもまだ続けているサービスもあります。
「この店は偉いですね、こんなこと他の店ではしてくれませんよ」と言われました。
他にも、先日私が意識せず行ったことに対して「マジでか...」、と。
それは企業秘密です(笑)
追記
>極論・「存在し続ける事がサービスです」
st31掲示板でのサンシさんの書き込みです。
(No.28190)
基幹とすべきは「燃料油の安定供給」です。
当店だけでなく、全国の全量系列仕入れを貫く販売店は、だから、元売が「継続的な供給を約束するものではない」としている業転玉ではなく、前全石連会長が「我々には業転以外生き残る術はないのか」と訴える業界環境下でも、系列玉を仕入れ続けてきたのです。
燃料を切らすわけにはいかない。
夏草や兵どもが夢の跡