ガソリン不当廉売容疑 価格正常化へ業界期待
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20120410-OYT8T01161.htm
ミタニ系列周辺 顧客奪われ閉店も (2012年4月11日 読売新聞)
県内最大手の石油販売会社「ミタニ」と、仕入れ先で親会社の「三谷商事」(いずれも福井市)が10日、独占禁止法違反(不当廉売)容疑で公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。採算を度外視した低価格競争で閉店に追い込まれた給油所もあるといい、関係者は公正な市場に戻ると期待している。(久米浩之、辰巳隆博)
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公取委職員らはこの日朝から、仕入れ値を下回る安値で販売した経緯などを調査。ミタニは取材に「担当者が手を放せない状態で対応できない」と繰り返し、三谷商事側は「ミタニへの卸売り価格を不当に引き下げた覚えはない。ミタニが給油所に販売した価格は把握していない」と関与を否定した。
石油情報センターによると、県内のレギュラーガソリン平均価格(1リットルあたり)は2012年3月までの1年間、142・3~154・8円。ミタニ系列の給油所は10円前後安く販売していたという。福井市内の石油販売会社は「ミタニの近くでは顧客を次々と奪われて閉店に追い込まれた店があった」と明かす。
低価格競争は各地で問題となっており、全国石油商業組合連合会(東京)の担当者は「原油価格の高騰や不景気で価格競争が激しく、不当な安値で売れば中小企業が次々に倒産する。早く適切に取引が行われることにつながってほしい」と話した。
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◇安く販売、なぜいけない
Q どうして安く売ってはいけないの?
A 安売りが続くと、ライバル業者も価格を下げなければならなくなる。原価割れする場合、資金力のない業者は撤退し、新たな参入もない。業者が少なくなれば、価格や品質の競争が生まれず、最後は消費者に不利益となってしまう。
Q 安売りはすべていけないの?
A 賞味期限が近づいた生鮮食料品や少し傷んだ商品など、安売りに理由がある場合は問題がない。タイムセールや年末のバーゲンなどの短期間の場合も不当廉売にはあたらない。
Q 安売り業者はすべて不当廉売となるの?
A 業者の規模や販売した商品の数量、販売期間からみて、他の業者に影響を与えなければ不当廉売にはならない。主に大きな業者が対象で、小規模な商店は問題になりにくい。
※(高い仕切りの系列100%仕入れで)高値で売るしかない系列販売店あっての安値店ってコトですよ。
都内SSも廉売苦境 4月11日 ぜんせきより一部転載
東京都石油政治連盟は先ごろ、東京石商政策部会とともに民主党・石油流通問題懇親会の副会長を務める東京都選出の中山義活衆議院議員を訪れ、近年における都内での廉売事案などを説明、不公平な競争環境によって多くの石油販売業者が苦境に追い込まれ、都内SSの激減が続いている窮状を打開するための政治支援を要望した。
都内で猛威を振るう量販店が周辺SSに与えてきた数々の影響を詳しく紹介したうえで、
「通常的な仕入れ価格レベルの売価がいまなお横行しているのに、それでも法的には問題なしと言われる。裏がなければ経営が成り立つわけがない」
「都内SS数はピーク時に比べて7割減。我々は地域密着型の商売。このままだと、東京でも“SS過疎地”が現実問題となる」※全国で発生しています。
不当廉売に独禁法強化 4月13日 燃料油脂新聞より
公正取引委員会は、不当廉売に対する独占禁止法の執行を一部強化する。
申告事案の初期段階で廉売業者に提出を求める調査票の内容に疑いがある場合、仕入伝票などの関係書類の確認に踏み込む方針。
独禁法違反の疑いが強い事案には強制権限を行使し、廉売業者の仕入価格をを把握する構えだ。
石油製品の取引や競争の実態に関する調査にも乗り出す。
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ガソリン不当廉売に関わる独禁法の執行強化の方向は、民主党「石油流通問題懇親会」が11日に開いた総会で、公取委の野口文雄経済取引局取引部長らが明らかにした。
執行強化を巡っては、公取委の現行の対応では実効が上がらず、歪んだ競争によって中小販売業者が追い詰められているとして、全石連が再三にわたり不当廉売判断基準の見直しや廉売業者への証拠提出の義務化、異常な安売りを繰り返す廉売業者への「累積点数制」の導入・厳格措置などを要望。
ヤル気なしの公正取引委員会
続き(議員さんの声)
公取委が今回の同懇談会の場で回答を示すことになっていた。
公取委は申告事案について、まず廉売業者に調査票の提出を求め独禁法上の問題があるかどうかを判断する。
しかしこの段階では仕入れ伝票などを確認していないことから廉売価格が仕入原価を割っているかどうか実質的に把握できていないのが実態。
このため全石連廉売業者に関係書類の提出を義務付け、内容に虚偽があった場合、罰則を科すことを求めている。
これに対して公取委側は「調査の内容から見て独禁法上、問題と判断されない事案であっても、廉売の程度や過去の関連事案の調査結果などを踏まえて、調査票の記入内容に嫌疑があると認められる場合は、積極的に仕入れ伝票などの関係書類の確認を行う」と回答した。
公取委は懇談会前日の10日、不当廉売の疑いで福井県の三谷商事と同社子会社ミタニなどに立ち入り検査を行った。
懇談会ではこの事案に関し、1982年に実施した牛乳の事案以来、30年ぶりであることなどの説明にとどめた。
公取委は独禁法違反の疑いがあると考えられる事実がなければ、独禁法で規定する強制権限を行使して廉売業者に仕入れ伝票などの書類を提出する(させる?)ことはできない。
しかし福井県の事案では、強制権限の規定を行使して立ち入り検査を行っており、石油製品販売を巡る不公正な取引方法に対し法の執行を強化する姿勢を示している。
※もしも、万が一、仕切り単価等々から不当廉売にならなかったとしたら・・・
関係機関の皆様へ
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元売(特約店)に対して、大き過ぎる仕切格差を問責してくださいね。
(4月13日 燃料油脂新聞)
元売はSSの倍の精製マージンを確保。
販社SSが仕切価格並みの価格で販売している。
「元売は、ブランド料の引き下げなどの我々の仕切り値下げ要求を無視し、高い仕切りを押し付けながら、
一方で販社を使って小売市場を荒らしている。
ビンタと足払いを同時に受けているようなものだ。立っていられるはずがない。
仕切りを値取りするなら、われわれの納得がいくように販社の販売価格の適正化を指導すべき」