stylish・・・流行にあっているさま、当世風、いき。
最近は顔を合わせてはいないが、ギターを趣味にしている友人が居て、ソイツはさすがに音楽業界について詳しく、自分は色んな質問を投げかけた。
大抵は「最近よく聞く○○ってバンド、どう思う?」というものだが、彼はきまって、
「いいっすよね、スタイリッシュで」と返す。
なんだかなぁ、と思った。
分かったようで、分からないというか。
スタイリッシュということばが、便利に使われ過ぎている気がするんだ。
だから自分は(半分は意地悪で)「どのへんが?」と返したりしていたのだが、
彼は口をモゴモゴさせながら「・・・まぁ、なんというか、全体が」と答えるばかりだ。
正確な意味は冒頭のとおり(『大辞泉』より)だが、日本では「お洒落」「格好いい」「斬新な」「洗練された」という評でも多用されることばである。
まぁそんなこといって、自分だって「○○年代」とか「●●世代」と、なんでもかんでも「括りたがる」傾向にあるから、あんまりひとのこといえないけれど。
いえないけれど、自分のことは放ったままにして話を進め・・・
では、スタイリッシュな映画とはなにか、、、と。
ネット検索してみたところ、日本の映画ファンはデヴィッド・フィンチャーやQTタランティーノの映画をスタイリッシュであると評価していることが分かった。
『セブン』(95)とか、『レザボア・ドッグス』(92)を指してのことだろう。
やや古めの映画では、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』(71)とか、ゴダールの『気狂いピエロ』(65)なんかが挙がっている。
日本では岩井俊二の『スワロウテイル』(96…トップ画像)とか、
意外なところではドイツ産の『ラン・ローラ・ラン』(98)が票を伸ばしている。
異論はないよ、確かに格好いいし。
でも格好いいのであれば格好いい、あるいはクールといったほうが適切で、QTだって自作であれほど「COOL!」という台詞を連発しているんだ、スタイリッシュと評されるよりもうれしいと思うんだけれど。
それにQTの映画は基本が騒々しいので、「いき」ではない気がする。
そこで、真にスタイリッシュな映画とはどういうものを指すのかと考えてみた。
全部ではないが、ある作品におけるコーエン兄弟の映画とか。
『ミラーズ・クロッシング』(90)あたりが、そう。
ギャングをあんな風(?)に捉えた映画は、なかったはずだし。
俊英では、クリストファー・ノーランとか。
『メメント』(2000)、『ダークナイト』(2008)、『インセプション』(2010)・・・みんな「流行にあっている」というか、「先取り」している感じがするでしょう。
ネット検索したなかで、唯一「そうかも」と納得がいったのが、『マトリックス』(99)。
過ぎてみれば、あのブームはなんだったんだ・・・という気がしないでもないが、CGや撮りかたではなく、ああいう銃撃戦をスーツやボンテージ衣装、サングラスで展開させ、なんとなく様式美っぽく見せる/魅せるあたり、かなーりスタイリッシュを狙っていたんだと思う。
敵までスーツ姿だし。
モーフィアスなんか、第二作目で「異常に」お洒落だったし。
そういう意味では、やけに格好いい『男と女』(66)あたりも、スタイリッシュということか。
ときどき、デヴィッド・リンチの映画にもそれを感じたり。
・・・って、結局は「当世風」ではなく「お洒落」や「洗練」という視点で選出しているな。
間違いではないのだろうが、本意ではない。
つまりスタイリッシュということばは便利なようでいて、ちょっと厄介であると。
そう認識しているものだから、自分からこのことばを使うことはない。
じゃあ、それらの映画をなんと評しているかって?
全部ひっくるめ「格好いい」の乱暴な略として、「かっけー」。
なんだ、ガキみたいだし、友人のことを馬鹿に出来ないじゃん! って話である。
※確かにこのオープニングは「かっけー」・・・『ラン・ローラ・ラン』より
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『COOLな激情』
最近は顔を合わせてはいないが、ギターを趣味にしている友人が居て、ソイツはさすがに音楽業界について詳しく、自分は色んな質問を投げかけた。
大抵は「最近よく聞く○○ってバンド、どう思う?」というものだが、彼はきまって、
「いいっすよね、スタイリッシュで」と返す。
なんだかなぁ、と思った。
分かったようで、分からないというか。
スタイリッシュということばが、便利に使われ過ぎている気がするんだ。
だから自分は(半分は意地悪で)「どのへんが?」と返したりしていたのだが、
彼は口をモゴモゴさせながら「・・・まぁ、なんというか、全体が」と答えるばかりだ。
正確な意味は冒頭のとおり(『大辞泉』より)だが、日本では「お洒落」「格好いい」「斬新な」「洗練された」という評でも多用されることばである。
まぁそんなこといって、自分だって「○○年代」とか「●●世代」と、なんでもかんでも「括りたがる」傾向にあるから、あんまりひとのこといえないけれど。
いえないけれど、自分のことは放ったままにして話を進め・・・
では、スタイリッシュな映画とはなにか、、、と。
ネット検索してみたところ、日本の映画ファンはデヴィッド・フィンチャーやQTタランティーノの映画をスタイリッシュであると評価していることが分かった。
『セブン』(95)とか、『レザボア・ドッグス』(92)を指してのことだろう。
やや古めの映画では、キューブリックの『時計じかけのオレンジ』(71)とか、ゴダールの『気狂いピエロ』(65)なんかが挙がっている。
日本では岩井俊二の『スワロウテイル』(96…トップ画像)とか、
意外なところではドイツ産の『ラン・ローラ・ラン』(98)が票を伸ばしている。
異論はないよ、確かに格好いいし。
でも格好いいのであれば格好いい、あるいはクールといったほうが適切で、QTだって自作であれほど「COOL!」という台詞を連発しているんだ、スタイリッシュと評されるよりもうれしいと思うんだけれど。
それにQTの映画は基本が騒々しいので、「いき」ではない気がする。
そこで、真にスタイリッシュな映画とはどういうものを指すのかと考えてみた。
全部ではないが、ある作品におけるコーエン兄弟の映画とか。
『ミラーズ・クロッシング』(90)あたりが、そう。
ギャングをあんな風(?)に捉えた映画は、なかったはずだし。
俊英では、クリストファー・ノーランとか。
『メメント』(2000)、『ダークナイト』(2008)、『インセプション』(2010)・・・みんな「流行にあっている」というか、「先取り」している感じがするでしょう。
ネット検索したなかで、唯一「そうかも」と納得がいったのが、『マトリックス』(99)。
過ぎてみれば、あのブームはなんだったんだ・・・という気がしないでもないが、CGや撮りかたではなく、ああいう銃撃戦をスーツやボンテージ衣装、サングラスで展開させ、なんとなく様式美っぽく見せる/魅せるあたり、かなーりスタイリッシュを狙っていたんだと思う。
敵までスーツ姿だし。
モーフィアスなんか、第二作目で「異常に」お洒落だったし。
そういう意味では、やけに格好いい『男と女』(66)あたりも、スタイリッシュということか。
ときどき、デヴィッド・リンチの映画にもそれを感じたり。
・・・って、結局は「当世風」ではなく「お洒落」や「洗練」という視点で選出しているな。
間違いではないのだろうが、本意ではない。
つまりスタイリッシュということばは便利なようでいて、ちょっと厄介であると。
そう認識しているものだから、自分からこのことばを使うことはない。
じゃあ、それらの映画をなんと評しているかって?
全部ひっくるめ「格好いい」の乱暴な略として、「かっけー」。
なんだ、ガキみたいだし、友人のことを馬鹿に出来ないじゃん! って話である。
※確かにこのオープニングは「かっけー」・・・『ラン・ローラ・ラン』より
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『COOLな激情』
ちょっとお洒落で洗練されていて少し時代の先をいっていてー
センスあること
では 普通の映画っていうと これも定義づけ難しく 普通の映画ってないよねぇって思ってしまう