Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

消えた書店~2020回顧4~

2020-11-10 00:10:00 | コラム
本年度の総括、第4弾は「BOOK」。

小説、ノンフィクションはもちろん、写真集なども含まれた出版物のベストテン。

このなかの9冊は、すべてウェブ上で注文から会計まで済ませている。

町の本屋さんをなくさないためにも、自分の足で!! とは思っているのだが、わが町田市でも品揃えがよく活気もある本屋さんがほとんどなくなってしまった。

「モニター上」ではなく「紙で読む!」とは思いつづけているものの、これだっていつ「こころがわり」するか分かったものではない。


これを単に、「時代」のせいにしてよいものかどうか・・・。


(1)『聖なるズー』(濱野ちひろ著=集英社)



ズーフィリア(動物性愛者)を取材した衝撃作。
とはいえ本書はその行為に対し是非を問うというより、愛の本質や可能性を探ろうとしている。そこが感動的でさえある。


(2)『夢みる部屋』(デイヴィッド・リンチ、クリスティン・マッケナ著/山形浩生・翻訳=フィルムアート社)

鬼才デヴィッド・リンチの自伝。

かなりの大著だが、山形浩生による名訳によって意外とサクサク読める。




(3)『少年と犬』(馳星周・著=文藝春秋)

直木賞受賞作。

デビュー直後から読んでいるが、作風もだいぶ変わった。

けれども、犬に対する深い愛情と信頼だけは変わらない。そこがよかった。


(4)『マーティン・スコセッシ:映画という洗礼』(佐野亨・編=河出書房新社)



処女作から『アイリッシュマン』までを網羅、天才のキャリアを総括する「信者にとっての聖書」。


(5)『春死なん』(紗倉まな著=講談社)

AVの世界で活躍する著者は、その背景ゆえに注目されたのかもしれないが、文章のセンスは元々光るものがありました。


(6)『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子・翻訳=筑摩書房)

「おんな、ゆえ」に直面する障壁を描き、ビッグインパクトを残した。

映画版もよいが、脳に杭を打たれる感覚を味わいたければ、ぜひ原作を。


(7)『火将ロシエル写真集「MOON STONE」』(ワニブックス)



いまいちばん推している、コスプレイヤーさんです。


(8)『「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ』(長島有里枝・著=大福書林)

女性写真家の「女性」って、果たして必要?

被写体の捉えかた以上に注目される性別への疑問を問う。


(9)『ハイパーハードボイルドグルメリポート』(上出遼平・著=朝日新聞出版)

『ワカコ酒』も『孤独のグルメ』もいいが、毒素の強いこういうのも必要なんだと思う。




(10)『BLUE GIANT EXPLORER』(石塚真一・著=小学館)

現在、唯一「きちんと」読んでいる漫画。

目が離せない面白さです、ほんとうに。

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明日のコラムは・・・

『外国女優別キャリア10傑(47)ブリジット・フォンダ』
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にっぽん女優列伝(223)中山エミリ

2020-11-09 00:10:00 | コラム
78年10月8日生まれ・42歳。
川崎出身。

公式プロフィール

中山エミリ(なかやま・えみり)さんは、演技者というよりタレントさんですし、実際に映画キャリアは「ないに等しい」のですが、まあまあ好きな顔なので取り上げます、

フォルダを確認したら、きっちりグラビアの画像が出てきましたし笑


人気絶頂のころは、とくにバラエティのMCとして、よく出ていましたよねぇほんとうに。



<経歴>

旦那は、俳優兼ライフセーバーの飯沼誠司。


父親は歌手のマイケル中山。

90年代前半より芸能活動を開始、
映画俳優デビュー作は、97年の『ときめきメモリアル』。

「ときメモ」と略されることの多い、人気ゲームの映画版ですね。

二作目でいきなりこういう表現をしてしまいますが・・・
そのほかの作品に、『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』(2001)、『バッシュメント』(2005)、主演を務めた『ヨシナカ伝説~義仲穴』(2014)など。


・・・えぇ、映画キャリアはこれだけなのです。

ただ一部報道では、子育てが落ち着きつつあるので徐々に芸能活動を増やしていくのだとか。

期待したいですね!!


次回のにっぽん女優列伝は、中山忍さんから。

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明日のコラムは・・・

『消えた書店~2020回顧4~』
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にっぽん女優列伝(222)仲間由紀恵

2020-11-08 00:10:00 | コラム
79年10月30日生まれ・41歳。
沖縄出身。

公式プロフィール

仲間由紀恵(なかま・ゆきえ)さんは、個人的にけっこう思い入れのあるひとで、
どん底に落ちる前の有吉弘行ちゃんが猿岩石として出演していたラジオ番組、『ゲルゲットショッキングセンター』(ニッポン放送)に、まだ高校生だった仲間さんが制服姿でアシスタントを務めていたのですよね。

その翌年、鬼才アンノの『ラブ&ポップ』に出演。


ですから自分のなかでは、先端をいく女子高生の象徴だ! みたいに思っているようなところがありました。


※あらためて、素晴らしいエンディングロールだなと。
なにか新しいことをしてやろうという企みに満ちていて、ゾクゾクする。



<経歴>

旦那は俳優の田中哲司。



沖縄タレントアカデミー出身。
特技の琉球舞踊は、師範代レベルだとか。

94年、沖縄テレビが主催するオーディションで入選、ドラマ出演を果たす。
翌年に状況、アイドルグループ「東京パフォーマンスドール」に在籍する。

映画俳優デビュー作は、ともさかりえ主演の『友子の場合』(96)。

前述した『ラブ&ポップ』で注目され、メディア露出が増えていくようになる。

とはいえブレイクしたのは映画ではなく、テレビドラマから。
2000年、テレビ朝日で『TRICK』の放送がスタート。

主役の山田奈緒子を好演し人気に。

同年、映画『リング0 バースデイ』で「運命のおんな」山村貞子を熱演するも、求められるのは「コミカル寄り」のキャラクターらしく、
『TRICK』で組んだ堤幸彦監督の『溺れる魚』(2001)や、『トリック劇場版』(2002)などが高評価を得ていきます。
(2006年には続編『トリック劇場版2』(2006)、さらに『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』(2010)、『トリック劇場版 ラストステージ』(2014)とつづきます)

『g@me.』(2003)、『SHINOBI』(2005)、『大奥』(2006)、『私は貝になりたい』(2008)。

それぞれの演技はけっして悪くはないですが、あまり話題にならず。

2009年―好評を受けてシリーズ化されていた日本テレビのドラマを映画化した『ごくせん THE MOVIE』が話題に。

映画好きとしては映画のオリジナルを! とは思うのですが、仲間さんの当たり役なのでキャリアを語るうえでは外せない一作となっています。


『FLOWERS ―フラワーズ―』(2010)、『武士の家計簿』(2010)、『劇場版テンペスト3D』(2012)、

『天空の蜂』(2015)、


最新作は、『相棒 ―劇場版IV― 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』(2017)。


紅白の司会もこなしていますし、本人的には大満足! かもしれませんが、やっぱり、『ラブ&ポップ』を超える映画的インパクトがほしいですね!!

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にっぽん女優列伝(221)中谷美紀

2020-11-07 00:14:10 | コラム
76年1月12日生まれ・44歳。
東京出身。

公式サイト


透明感の定義ってなかなかに難しいものですが、日本の女優さんでは、中谷美紀(なかたに・みき)さんほど透明感のあるひとは居ないと思ってます。

とくに自分は、この広告に出ていたころの美紀さんが好きで、


しかしインタビューで「煙草を吸う男性だけは、ちょっと…」と漏らしていて、ひとり勝手に「ぐはっ!」とかなっていました笑




<経歴>

旦那はビオラ奏者、ティロ・フェヒナー。


91年―テレビ朝日の『桜っ子クラブ』から生まれたアイドル「桜っ子クラブさくら組」の一員としてアイドル活動を始める。

93年のフジテレビドラマ『ひとつ屋根の下』から女優活動をメインに。
(96年から数年間、坂本龍一プロデュースで積極的に音楽活動も展開)

映画俳優デビュー作は、95年の『大失恋。』。
大森一樹が監督、けっこうなメンツを揃えた群像劇―元SMAP森くんも出演―でしたが、これだけの人材を集めてコレ? みたいな出来ではありました。

同年の主演作『BeRLiN』(95)を観て思うのは、メジャーもインディーズもいけるひとですが、映画映えという意味では「激しく後者」のタイプなのではないかと。

謎めいた準ヒロインを演じた『リング』(98)、『らせん』(98)、『リング2』(99)のシリーズ。

テレビドラマの好評を受けて映画版が制作された『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』(2000)。

キャリア前期の代表作にして、美紀さんが最も美しく捉えられたであろう『カオス』(2000)。


フランスでリメイクされる噂がありましたが、どうなったのでしょう・・・?


『壬生義士伝』(2003)、『ホテルビーナス』(2004)、『雨鱒の川』(2004)、『約三十の嘘』(2004)、
自分が再三ダメな映画だと腐す『電車男』(2005)、
『疾走』(2005)、伝説的プロレスラーの伝記を日韓で制作―した割には話題にもならなかった『力道山』(2006)、

一般的には当たり役といわれた『嫌われ松子の一生』(2006)。


・・・と、敢えて書いたのは、自分はあまり感心しなかったからです。
つまらなくは、なかったですけど。。。


『LOFT ロフト』(2006)、『7月24日通りのクリスマス』(2006)、『あかね空』(2007)、
どうして四コマ漫画を「安易に」映画化しようとするのか疑問に思った『自虐の詩』(2007)、
『シルク』(2008)、『しあわせのかおり』(2008)、『ゼロの焦点』(2009)、
『スイートリトルライズ』(2010)、『阪急電車 片道15分の奇跡』(2011)、『源氏物語 千年の謎』(2011)、『ひまわりと子犬の7日間』(2013)、『リアル~完全なる首長竜の日~』(2013)、『清須会議』(2013)、『利休にたずねよ』(2013)、『渇き。』(2014)、『繕い裁つ人』(2015)、『FOUJITA』(2015)、
そして、来秋公開予定の『総理の夫』が最新作。

ところどころ映画の文句を書いてますけど、悪いのは脚本家さんか監督さんですからね、
美紀さんはぜんぜん悪くないし、透明感は健在です。

ただ、代表作となると未だ『カオス』になってしまうと思うので、ここらで一発、どえらい傑作の誕生が待たれます。

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競技と歓声~2020回顧3~

2020-11-06 00:10:00 | コラム
本年度の総括、第3弾は「スポーツ」。

コロナショックの影響を最も受けたのは、あるいはスポーツの世界か。

そもそも試合や大会をおこなえない、
おこなえたとしても無観客であらねばならない、
やっと観客を迎い入れられることになったが制限あり、
それでも少しずつ活気を取り戻していったら、選手本人に陽性反応が出たり・・・。

受け手として会場に駆けつけても、
スマホにアプリをインストールして登録、
検温があり、
消毒があり、
行動も制限され、
歓声を出すことも許されない。

そんな有事であるからして、こんな10選になりました。


(1)井上尚弥、鮮烈なベガスデビューを果たす…ボクシング

文句なし、あんなに美しいフィニッシュは、なかなか拝めるものではない。




(2)ダルビッシュ好調、サイヤング賞の有力候補に…メジャーリーグ

髪の毛?

本人が気に入っているし、成績も良いので、誰に文句をいわれようが切らないそうです笑




(3)五輪延期

選手だけでなく、スポンサー企業、テレビ局、ホテル業界、警備業界にまで深刻な影響が出てしまった。

・・・が、はっきりいえば延期ではなく中止なのでしょう?

それをはっきり宣言するには、お金がかかりすぎている、、、ということなのだろうか。


(4)朝倉海、戦う度に強くなる…MMA

ボクシング界のモンスターが尚弥くんなら、MMAでは海くんで決まり。

いろいろと器用な兄貴に比べると、じつは不器用なのかもしれないよね。
その、ひとつのことに専念する特性が、ファイターとしての成長に活きているような気がする。




(5)甲子園中止

泣いているのは球児だけじゃない―みたいな意見も聞かれたが、監督からの発表に涙ぐむ球児たちにこころ打たれたのは事実。

来年は対策をきっちり整えてぜひね。
五輪は無理だが、こっちは「やりようによっては」大丈夫でしょう。


(6)藤井聡太、スポーツ雑誌『Number』の表紙を飾る…将棋

チェスやテレビゲームだってスポーツに・・・とされている時代だから当然といえば当然だけれども、新鮮な驚きがあったのはたしか。




(7)紀平梨花、プログラムに取り入れる側転を披露…フィギュアスケート

平時であれば、各国のGPで何度もこのパフォーマンスを拝めたのになぁ!!




(8)那須川天心、キックの試合は10試合を切っていると告白…キックボクシング

蹴りを駆使した躍動感が魅力と捉える向きは、「ボクシングなんかに興味を示さずに!」といっているのだが、たぶん天心にとっては、エキシビション的だったとはいえ、メイウェザーとの出会いがターニングポイントだったのでしょうね。


(9)女子競技者への盗撮が問題に

カメラ小僧は昔から居たが、スマホの登場により敷居は「ぐっと?」低くなって社会問題化。

しかしですね。

そんな風に報じているメディアのほうも、いまのいままでパンチラや美脚、美し過ぎるなどと煽ってきたわけでしょ?


(10)トフィック・ムサエフの徴兵が話題に…MMA

隣国アルメニアとの軍事衝突により、アゼルバイジャン出身のムサエフは「志願」して軍に。

ムサエフはRIZINの王者であり、ファンは遠い国で戦うことになった王者のニュースを複雑な感情で触れたが、どうやら停戦したようでホッとしている。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(221)中谷美紀』
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