僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

残 心…部活初め

2010年04月29日 | ケータイ小説「パトスと…」
入学した高校は県立の男子校で部活も盛んだった。
放課後は校内それぞれの場所から気合いやかけ声が聞こえ、授業以上に活気があった。

敷地の外をジョギングする足音や,
剣道部と並んで県大会で優勝したこともあるグリークラブの
歌声も活気に彩りを加えるようだった。

♪春のうららの隅田川~

あれ?この歌って男子も歌うんだ、イイ感じのハモリだよね。
入学以来、校歌ばかり練習させられていたのでなんか心地よい。
音楽って気持ちいいものだと改めて思う。

そう言えば校歌ってゆうのは日本独特のものなんだってこないだラジオで言っていた。
久しぶりの音楽らしい音楽ってっちゃ音楽だよな。

準備運動を兼ねたジョギングを済ませ、体をほぐしながら聞き入っていた。


「一年生集合!」

声がかかった。いよいよ弓の練習だぞ。いいねいいね。

「一列に並べ!」

入部した5人が集まる。

「横に手を広げてぶつからないように広がれ!」

何でそういちいち命令口調なんだ。
でもまぁ体育会系ってのはそうでなくっちゃな。
きびきびした運びに気持ちよさも感じながら辰雄は一番早く指示に従う。

「これから型を行う。一度一緒にやるから覚えること!」

いいじゃんいいじゃん、いよいよだ。
5人は喜びを押し隠し口を引き結んだ。









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