僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

残 心…あの音

2010年04月22日 | ケータイ小説「パトスと…」
中学ではバレーボールをやりチームはかなり強かった。

地元では有名でスポーツの代表のようなイメージなのか
近所のおばさん達も、へぇー辰雄君バレー部なの?すごいねぇ
うちの等なんか卓球部だもの、根性無いわよねぇ
と、本気で褒め称えられる時もあったくらいだ。

そんな時は正直に言うと少しは嬉しい気持ちもあったのだが、
暴力と恫喝で指導する監督のやり方に辟易していた辰雄は
ただ苦笑いをして過ごした。


高校の弓道部は地味な存在で、
県大会常連の剣道部が使う体育館の裏にすのこを並べて
ひっそりと活動していた。

あんまりカッコ良くないかも、

そう思い始めた辰雄を引き戻したのはやはりあの音だった。

もちろん専用の道場など無く、露天で、
ブロックで囲まれた「あずち」にトタンの屋根がかかっているだけだった。

それでも的を射貫くパスッパスッという音は
武道館の飯塚さんと同じで、
辰雄を充分にわくわくさせるのだった。

やっぱカッケーな!








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